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    とーい

    @utugixt

    👒受すきな🐸。小話ばかり。時々🥗👒ちゃんも

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    とーい

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    お兄ちゃんとルンルン♪後夜祭 ワンドロ・ワンライ企画参加作品です。
    使用お題「いい兄ちゃん/わるい兄ちゃん」「炬燵」
    現パロ社会人兄ズと高校生弟で、ほんのりにおわせていますので苦手な方はご注意ください。

    ##兄ル

    #兄ルン1123後夜祭肉マシマシのベーコンエッグで辛うじて目を覚ましたけれど、朝食が終わればまた夢の中へ——。大きなあくびをもらして、ゴチソウサマ、と手を合わせたルフィが部屋に戻ろうとしたとき、リビングの扉を開けたサボが突然「ばんざい!」と声をあげた。
    「ばんざい……?」
    眠たいときはいまだに小学生みたいだ,
    ともう一人の兄に揶揄われることもあるルフィは、ぽやんとした思考の中で素直に両手を掲げた。と、今度は後ろから延びてきた手がずぼっとパジャマ代わりのスウェットを奪い去る。
    快晴とはいえ、月は今年最後のそれにかわったばかり。肌をなぞる空気にふるりと体を震わせれば、サボが手にしていた服を着せかけた。その手がわきの下に入り込んだかと思うと、ルフィの体は、軽々と持ち上げられる。
    「ちょ……サボ!エース!」
    流石に下までわけもわからないままはぎ取られるのは勘弁してほしい、しかもこんな朝から——羞恥に肌を染めながらもがいてはみたが、ルフィの扱いに両親よりも熟知していると豪語する兄たちにはかなわない。それはもう鮮やかな手際で靴下まで履かされたルフィは、よくよくみれば外出の支度を済ませていた兄たちに、あっという間に車に乗せられた。

    「なあ、何かうんだ?」
    連れてこられたのは、郊外に最近できた大型のショッピングモール。よく晴れた土曜日ということもあり、開店直後にもかかわらずすでに多くの人が行きかい、どの店もにぎわっている。ただ、兄たちがまっすぐに向かった大型家具店は、天井が高い開放的なつくりということもあり、どこか静かでゆったりとした時間が流れていた。
    だからサボのではなくエースの車だったのか、とあたりを見渡しながら尋ねれば、ある程度下調べをしていたらしいエースが、スマホの画面を見せてきた。
    「……コタツ?」
    うちにある炬燵は、確か、買い替えてまだ二年ほどしかたっていない。それも、数年前から県外の支社に出向している父とそれについていった母に許可を得て、兄たちのリクエストで高さが調整できるものにしたのだ。
    それを何故、と視線で問いかけたルフィに、サボが「今回は炬燵布団のほうだ」と微笑みかけた。
    けれど、それも炬燵と一緒に買い替えたもののはず。つい先日、テレビから流れる今年の寒さの予想を聞いていた時も、そろそろ出すか、といってはいたが、買い替える話なんてこれっぽっちも出ていなかった。
    疑問符をたくさん浮かべつつ、同じ画面をのぞき込んで売り場を探す兄たちについていくうち、ひとりの店員が近づいてきた。
    「何かお探しでしょうか?」
    「——ええ、この商品なんですが。こちらで扱ってますか?」
    「拝見します。……ええ、ございますよ。リバーシブルで、どちらも撥水加工が施されているため、大変人気の商品です。さあ、こちらへどうぞ」
    既に買うものが決まっていて、商品自体もあるというなら、あまりすることはない。広い店内のあちこちで、まるで部屋を一つそのままもってきたように商品が展示されているのを見ている方が面白く、ついついよそ見をしがちなルフィに、店員の流れるような説明を聞いていたエースが足を止めた。
    「おい、ルフィ。——ほら。あんまよそ見してっと、迷子になんぞ」
    まるで年の離れた弟にするかのような口調と、ぱっとルフィの手を掴んでひいたエースに、同じく足を止め振り向いた店員が小さく噴き出した。
    「あちらのお二人はご兄弟ですか?とってもいいお兄さんですね」
    「——ええ、そうなんですよ」
    子ども扱いすんな!ガキだろ。そんなやりとりにくすくすと笑い、ほんの少し媚びた視線をサボに向けた店員に、当の本人は、纏っていた愛想をさっと払い落した。
    「今回の買い物も、弟のためなんです」
    「失礼しました。皆さんご兄だ」
    「高校生なんですけど、こんなほそっこいからでまあよく食べるんですよ。あ、俺たち全員そうなんですけど、やっぱいちばんはルフィで」
    「まあ、それは」
    「それで、よく食べかすを零したりするんです。といっても、片付けが苦というわけではないんですが。むしろいつまでだって世話を焼かしてほしい、なんて思ってるんです」
    「……はあ、」
    店員が二の句を告げないほどに畳みかけるサボの目は、まったく笑っていない。ようやく、何か客の気に障ることをしてしまったのだと気が付いたらしい店員が青褪めた。言い訳めいた言葉を呟いた店員は、さっと掌で奥のフロアを指し「こちらまっすぐにいかれてください!失礼いたします!」と頭を下げ、逃げるようにして去っていった。
    ぽかん、としていたルフィは、何事もなかったように歩きだすサボが差し出した手を無意識のうちに掴んだ。だが、二人の兄に、いくか、と手を引かれ歩き始めてすぐに、はっと我に返る。
    「だから!おれをコドモあつかいすんな!ひでェぞ、サボ!」
    確かに食べ方がお世辞にも綺麗とは言えないが、それを言うならエースもいい勝負だ。それを。
    ぶす、と頬を膨らませたルフィに、ちらり、と周囲の様子をうかがったサボが、小さくごめんなと呟いた。
    「——でも、ほんとのこと、言うわけにもいかないだろ?」
    「?」
    再び疑問符を飛ばしたルフィに、エースも耳元に唇を寄せてくる。
    「覚えてねェのか?——ルフィ、去年の冬のこと」
    「……ーーっ!!」
    にやり、と笑ったエースの抑えた言葉に、ルフィは、かあっと肌に血が昇るのを感じた。——確かにあの冬、炬燵布団をだめにしたのはルフィだ。結局買い変えた方がいいという話になって、それからはヒーターやホットカーペットで何とか乗り切った、そんな記憶がよみがえる。
    けれど、それを言うならそうさせた原因は、二人の兄。
    ただ、そんな反論も、人目がないのをいいことに小さく響いたリップ音と吐息交じりの声に、封じられて。
    「ーールフィ、帰ったら早速炬燵を出そうな」
    「今年は、気にせず汚していいぞ」
    まだ午前中だというのに夜の雰囲気を纏った兄たちに、ルフィは心の中で「イイ兄ちゃんだけど、ふたりともワルイ兄ちゃんだ!」と叫んだ。




    end
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    Replies from the creator

    とーい

    DONEワードパレッドからお題をお借りしました。
    初めてのキスでテゾル妄想
    キスは星の裏側 目を閉じて/今だけ/意味空気だけでなく、足元まで小さく震えているように感じる。
    万雷の拍手に気おされ、ふらり、と倒れかけた体。咄嗟に一歩引いた足でそれを支えたけれど、心もその動きに引きずられた。
    ――ふと、脳裏を初めて出会った日の光景が過った。
    路地裏から聞こえた、微かな歌声。
    喧嘩したのか、服は汚れて肌のあちこちも傷だらけの男が、空き瓶の入ったケースの間に座り込んでいた。ほんの少し怖かったけれど、それでも、耳に心地よく響く低い歌声をもっと聞きたいと、自然と手を叩いてた。
    あの日からずっと、ルフィはテゾーロの歌のファンだ。
    ただ、テゾーロの歌を聞く人々が多くなるにつれ、その歌声が遠ざかっていくような気がした。
    もっと聞かせてくれよ、と暗い路地裏から日の当たる場所に連れ出したのはルフィ自身。それなのに、シャンクスのバーで歌っていたテゾーロが事務所からスカウトを受けた時、はじめてのコンサート、全国ツアー……その歌声が、踊る姿が、TVやすれ違った人のスマホの中にいるのを目にする機会が多くなるにつれて、近くで声を聞くよりも歌声が聞こえる時間は増えたのに、嬉しさよりも寂しさを感じることの方が多くなった。
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