君と昼下がり缶詰するほどではないが仕事が立て込んでいるクリプトと見守るオクタン
※最初の一瞬だけクリプト視点で後はオクタン視点
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side C
(だめだ、少しだけ寝よう)
集中力が切れて、ワークチェアの背もたれに勢いよく凭れる。目頭を抑えると目から頭の奥へと疲れが鈍く響く。
忙しい。受けた依頼が立て込んでしまって、余裕がない。缶詰して徹夜しなければならないほどではないにしろ食事やトイレ、睡眠以外はほとんど仕事に持っていかれている。ワークチェアの背もたれを倒して、深く息を吐くとチェアに体が沈んでいく感覚がする。そのまま深呼吸をゆっくり続けていると意識は闇に溶けていった。
side O
リビングで雑誌をパラパラ捲っていたが、ふいにクリプトの部屋から聞こえていたタイピング音が止まっていることに気がついた。休憩に入ったのだろうか。振り返って閉じたドアを見つめていたが、何の物音もしない。そっと近づいてドアに耳を当ててみる。
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