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    キツキトウ

    描いたり、書いたりしてる人。
    「人外・異種恋愛・一般向け・アンリアル&ファンタジー・NL/BL/GL・R-18&G」等々。創作中心で活動し、「×」の関係も「+」の関係もかく。ジャンルもごちゃ。「描きたい欲・書きたい欲・作りたい欲」を消化しているだけ。

    パスかけは基本的に閲覧注意なのでお気を付けを。サイト内・リンク先含め、転載・使用等禁止。その他創作に関する注意文は「作品について」をご覧ください。
    創作の詳細や世界観などの設定まとめは「棲んでいる家」内の「うちの子メモ箱」にまとめています。

    寄り道感覚でお楽しみください。

    ● ● ●

    棲んでいる家:https://xfolio.jp/portfolio/kitukitou

    作品について:https://xfolio.jp/portfolio/kitukitou/free/96135

    絵文字箱:https://wavebox.me/wave/buon6e9zm8rkp50c/

    Passhint :黒

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    キツキトウ

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    2021/7/15

    書きもの/「Wisteria」
    書き溜まっていたものを、ポイピクに縦書き小説機能が追加されたので置いていきます。ポイピクの仕様上、「濁点表現」が読みづらいかもしれません。そしてもし誤字脱字がありましたら生暖かい目で見守っていただけると幸いです……。

    ※創作BL・異類婚姻譚・人外×人・R-18・異種姦・何でも許せる人向け。

    #創作
    creation
    #小説
    novel
    #創作BL
    creationOfBl
    #BL
    #異類婚姻譚
    marriageOfADifferentKind
    ##Novel

    Wisteria 幕間1 「はじまり始まり」「Wisteria」について「はじまり始まり」「Wisteria」について異種姦を含む人外×人のBL作品。
    世界観は現実世界・現代日本ではなく、とある世界で起きたお話。

    R-18、異種恋愛、異種姦等々人によっては「閲覧注意」がつきそうな表現が多々ある作品なので、基本的にはいちゃいちゃしてるだけですが……何でも許せる方のみお進み下さい。
    又、一部別の創作作品とのリンクもあります。なるべくこの作品単体で読めるようにはしていますがご了承を。

    ※ポイピクの仕様上、「濁点表現」が読みづらいですが脳内で保管して頂けると助かります。もし今後、ポイピクの方で綺麗に表示される様に成りましたら修正していこうと思います。



    「はじまり始まり」

     遠い昔、人とは違った者達が生まれ始めた世界で、とある場所で土砂崩れが起き、そこから蛇が這いだすと新しい小さな信仰が生まれた。

     信仰から生まれた蛇は、神社を管理していた友が亡くなってから数百年は殆ど洞窟に居た。此処は涼しくて心地良く、騒がしい喧騒に苛まれることはなかったから。
     だが、かつては栄えていた信仰も今は廃れ、村を襲った大荒れで村人達は思い出したかのように供物や贄を投げ込んだ。投げ込まれた贄は帰れと言っても村には戻りたがらず、逃げもしない。逃げたところで行く当てもない、こんな子供を雇う者もいない、村に帰れば役目を放棄したと殺されるだろう。

    「……せめてどうぞお食べ下さい」

     蛇は困った。……まぁ、退屈凌ぎにはなるだろう、そのうち嫌になれば逃げだすだろうしと手元に置いておくことにした。特別人間を守りたいわけでもないが、これ以上送られてきても困るので仕方なく重い腰を上げる。そして村里に下りては神様の仕事を再開したのだった。
    「所で……あの贄はどうなされたのですか?」
    「ああ、贄か。贄はな……食ったよ」




     元に居た所へ帰っても役目を放棄したと殺されるだけ。逃げる気もなく、身寄りもない子供の自分が逃げたところで行く当てなどなく死を迎えるだろう。なら、と贄であることを選び此処に留まった。山上の廃れた神社なので参拝者も数少なく、奥の母屋の方には人が来ないので、贄が隠れておくには丁度良かった。

     出られなかった場所から出られない場所へ来たのに、贄にとっては心地の良い時間が流れていた。元居た所よりもずっと居心地が良い。だが、神様が神社を開けた時、高価なものを探しに来た物取りに贄が生きている事を気づかれる。蛇は持ち物を荒らされ犯された事に気づくと物取りの命を喰らった。

     蛇はもう、人間を守る気などなかった。贄も目の前の神様に気持ちを吐き出した。番であることを契ると蛇はただ一人だけの神様になる。
     飲み仲間でもあった鍵屋から一つ鍵を貰い、髪から生まれた二匹の蛇だけを残して、神社ごと隠世へと移り住んだ。

     かつて神社があったその場所は土砂崩れに巻き込まれ、残された母屋ごと飲み込むと村里まで雪崩れ込んだ。そこにあった信仰は更に薄く、霞のように消えていく。いつか其処に立つ、誰かが知るまで。


    「ようこそ隠世へ。じゃ、ここの管理よろしくね」




              - 了 -
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