女神的惩戒与远旨 / 女神の罰と思し召し 「私のこと、おぼえていますか?」
と聞いたら、元騎士として表情など一切ないはずの彼は、とても悲しい顔で「はい」と返事をしてくれた。
(良かった、百年が経って、一度記憶をなくしましたけど、もとに戻りましたね)と思っていたが、完全に私の勘違いだった。
リンクが思い出したのは、ただ私の近衛騎士になってからのことだけだった。
百年前どうやって退魔の剣を手に入れたのか、小さい頃ミファーと出会ったことなど、家族のことさえ思い出せない。
でも、これでいい、私のことを全て思い出せなくてもいい。
リンクが笑って生きていてはもう十分だ、私にはこれ以上の望みはもう何もない。
……とはいえ、もし何か望みがあるとすれば、確かに、リンクがずっと私の傍にいることしかないのでしょう。
2551