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    かほる(輝海)

    @kahoru1010

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    小説画像メイン。
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    シティーハンター(獠香)
    逆転裁判(ナルマヨ)

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    かほる(輝海)

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    シティーハンター
    冴羽獠×槇村香
    原作レベルでも原作以上でも。

    例のマフラーについての捏造話。

    #シティーハンター
    cityHunter
    #cityhunter
    #冴羽獠
    saeha
    #槇村香
    makiMurakami
    #小説
    novel
    #掌編
    conte
    ##CH

    『……これ、お前にやるよ』
     遡ること数週間前、あたしはリビングで突然、獠に紙袋を押し付けられた。中を覗くと、黄色いマフラーが入っていた。これってまさか、獠からのプレゼント……? でも、その日はあたしの誕生日でもなければ、クリスマスでもなかった。
    『どうしたの、これ……』
    『キャバレーの福引で当たったんだ。どうせ俺は使わねぇしな。気に入らないなら捨ててくれ』
     獠はそう言い残して、リビングを出ていった。

     あたしのために選んでくれたわけでもなく、邪魔なものを押し付けられただけ。ほんの数十秒前までは、喜びで満ちていたあたしの心が、急激に冷えていった。それでも、獠がくれたものだし、捨てるのも忍びなく……。なんだかんだ言って、獠があたしへ初めてくれたプレゼントでもあったし、あたしはそのマフラーを大切に使うことにした。

     しばらくして、あたしはそのマフラーを身に着け、キャバレーへツケを払いに行った。ママへ直接マフラーのお礼を伝えたら、怪訝な顔をされた。
    『そんな福引、うちの店ではやってないわよ。よその店の間違いじゃない……?』
     いや、聞き間違いは無いはずで、獠は確かにここの店だと言っていた。だから、あたしはツケを早く精算しなきゃと思い、お金のやりくりをしたの。狐につままれたように、ママと二人して顔を見合わせていたら、そこのお店に在籍している娘が、いきなり素っ頓狂な声を上げた。
    『あぁっ! そのマフラー‼』
    『えっ? 何? 何か知っているの⁉』
     あたしは興奮気味に、その娘を問い詰めてしまった。

     聞けば、その娘が新宿駅の西側にある百貨店で買い物をしていたところ、婦人雑貨の売り場で獠を見かけたんだって。何を見ているのかが気になり、遠巻きに獠を見ていたら、獠がマフラーを選んでいたらしいの。店員さんは流行りの色のマフラーや、目にも鮮やかな真紅のマフラー、それにオーソドックスなチェック柄のマフラーを色々と獠に勧めていたそうよ。獠は勧められたマフラーを手にとって確かめ、何度か会計をしようとレジまで向かったけれど、その度に引き返してはこのマフラーの前へ戻ってきていたらしい。この、赤と橙のストライプが入った黄色のマフラーに。その娘が小一時間ほど買い物をして、帰り道に婦人雑貨売り場へ戻ってみたら、獠はまだ悩んでいたらしい。獠が見ていた棚には、手袋やストールなど、店員さんが勧めたらしいものが、いくつか置いてあったそうよ。でも、じっと見つめている先にあったのは、このマフラーで……。片手でむんずと掴むと、やっと会計に向かったらしいわ。

     家に帰ったあたしは、マフラーを外すと、ハンガーへ掛けた。このマフラー、獠がそんなに悩んで選んでくれたマフラーだったんだね。でも、どうしてこのマフラーだったのか考えてみたら、何となく理由が見えてきた。
     あたしの好きな色は、金運アップの黄色。それからいい依頼と出会えるよう、最近は橙のシャツを身に付けていることが多かった。一度、獠と一緒にキャッツへ行ったときに、そんなことを話した覚えがある。獠はそれを覚えていてくれたんだね。そんなあたしの好きな色に寄り添ってくれるのは、獠のシンボルカラーでもある赤色。このマフラーは、獠とあたし、そのものだったんだ。

     恥ずかしかったのか何なのか知らないけど、このマフラーをあたしへプレゼントすることは、よほど難しかったらしい。でないと、そんなバレるような嘘なんてつかないよね。素直に言ってくれたら、あたしも素直に喜べたのに……。
     それでも、獠がいろんな思いを込めて選んでくれた、初めてあたしにくれたプレゼントだから、このマフラーは大切にしたい。
     あたしはフリンジに指を絡めて、そこへ残る温もりを噛み締めていた。

       了
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    DONEシティーハンター
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    原作レベルでも原作以上でも。

    例のマフラーについての捏造話。
    『……これ、お前にやるよ』
     遡ること数週間前、あたしはリビングで突然、獠に紙袋を押し付けられた。中を覗くと、黄色いマフラーが入っていた。これってまさか、獠からのプレゼント……? でも、その日はあたしの誕生日でもなければ、クリスマスでもなかった。
    『どうしたの、これ……』
    『キャバレーの福引で当たったんだ。どうせ俺は使わねぇしな。気に入らないなら捨ててくれ』
     獠はそう言い残して、リビングを出ていった。

     あたしのために選んでくれたわけでもなく、邪魔なものを押し付けられただけ。ほんの数十秒前までは、喜びで満ちていたあたしの心が、急激に冷えていった。それでも、獠がくれたものだし、捨てるのも忍びなく……。なんだかんだ言って、獠があたしへ初めてくれたプレゼントでもあったし、あたしはそのマフラーを大切に使うことにした。

     しばらくして、あたしはそのマフラーを身に着け、キャバレーへツケを払いに行った。ママへ直接マフラーのお礼を伝えたら、怪訝な顔をされた。
    『そんな福引、うちの店ではやってないわよ。よその店の間違いじゃない……?』
     いや、聞き間違いは無いはずで、獠は確かにここの店だと言ってい 1560