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    yaginoura0811

    @yaginoura0811

    キショウタニヤマボイスの世界で13年くらい生かされてます。

    雑多なものの基本は総じて右側。推しの移り変わり激しい人間。推しの右側エロ大好き!!!!!!性癖色々。

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    yaginoura0811

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    マナリア学園に再び禁薬騒動の予兆を聞きつけた教授達がエルモート、ツバサ、ショウに解決助力を求める話。
    前半。

    最近は落ち着きつつあったマナリア学園に再び妙な噂が立ったのはつい3日前の事だった。
    ジル教授に呼ばれたツバサとショウはエルモートとミランダ先生に連れられて職員室に来ていた。

    「ジル教授、話ってなんだ?」
    「すみません急にお呼びだてして。実は、また折り入って頼みたいことがあるのです」
    「…また面倒な事ですか?」
    「度々申し訳ない…。実は最近ドモン君のお仲間たちが集まって何か行動を起こしている様です」

    ドモン、荒狂学園で名を馳せた荒暮愚連隊のリーダーで過去にショウにタコ殴りにされた恨みを持って復讐しにやってきた男だ。
    ショウやツバサのお陰もあって事件は解決に向かっていたのだが…。

    「ほう…なんだかヤな予感がプンプンしやがる」
    「ドモン君がいない今荒狂学園も束ねていたお仲間たちは別々に行動しているようでして…」
    「…ヒエラルキーの崩壊…か」
    「はい。自由度の増した荒狂学園ではさまざまな問題が横行していると、知り合いの先生達から助けの声が届いたのです。是非ともまた力を貸して頂きたい」
    「で?その依頼ってのは?」
    「今回特に根が深そうな案件なのですが……ドモン君が使っていたという禁薬とは別のものが出回っているようなのです」

    禁薬と聞いてエルモートは表情を歪ませた。
    アメシガと呼ばれる禁薬はそれをばら撒いたドモン自らも破壊寸前まで追い込んだとても危険な薬だった。アメシガによって今もドモンは酷い後遺症に襲われていると聞かされていたからだ。

    「アメシガじゃねぇのか?」
    「それが違うようです。実際どんなものかは分からないそうで…」
    「…一から調べあげろ、ってか…骨が折れそうだな」
    「…すみません」
    「ジル教授が謝る必要はねェよ。それで、その禁薬の正体を暴いて、それを流通─はや─らせた犯人を探せばいいんだな?」
    「はい」
    「それは承知したが、何故ツバサとショウもここに呼んだのかが理解─わか─らねぇ」

    エルモートがチラリと2人に視線を向けると、訝しげにしている様子が目に入った。

    「そうだぜ。まさか、俺達が疑われてんのか?」
    「いいえそうではありません。…確かに一部の方々はそう触れ回ってる人もいますが、私は微塵も2人を疑ってはいません。寧ろ、その疑いを晴れさせるためにお二人に協力して欲しいのです」
    「成る程な。こいつらに解決させて、変な疑いを振り払おうって訳だな?」
    「そうです。我々が動けばお二人を庇っているのだろうとまた反感を買うでしょう。それは避けたい」
    「俺達にも協力しろってか…面白いじゃないか」
    「勿論、お二人だけに動いてもらうことはしないつもりです。私達はお二人の保護者ですから」
    「事情は分かった。2人ともやれるか?」

    エルモートが2人に問いかけると、内に苛立ちを募らせたツバサはポキポキと指関節を鳴らして笑った。

    「上等じゃねェか。チャチャっと解決して俺たちの無実を証明しようぜショウ!」
    「…ああ、そんなbad rumorは消し去ってやろうじゃないか」
    「ありがとうございます。くれぐれも、気をつけて」









    依頼を受けた二人はあらゆるコネを使って禁薬について調べた。
    ドモンの様な被害者を出す前に止めようと意気込んでいた二人はこの2日でその薬の正体を調べ上げた。どうやらアメシガの様な危険な禁薬では無いことが真っ先に分かった。
    ……だが。

    「流通─はや─らせている連中の頭は分かったが…実際どんな薬なのかはどんだけ調べても詳細まではわからなかったな」
    「それだけ警戒してるんだろう。rabbit coner、早いところ頭をぶっ潰しに行こうとしようじゃないか」
    「んあ?らび…なんだって?」

    ショウの不可解な言葉センスにツバサは頭を捻って考えるも答えは出て来なかった。
    単車に跨り意気揚々と敵地に乗り込む準備をしたショウはヒャッハー!と高らかに声を上げて単車のギアをフルに回転させた。



    二人が向かったのは荒狂愚連隊が前にアジトとしていた廃墟だった。
    瓦礫の山で埋め尽くされた廃墟は一見、誰にも使われることはない様に見える。
    だが、二人には分かっていた。
    こういう場所こそ、絶好のアジトスポットだという事を。

    「胸が踊るねェ…」
    「あんま暴力沙汰にすんなよ?俺達の疑いを晴らすんだからな」
    「言われなくても分かっている。お前こそ、オツムの弱さをうっかり出さねぇように糞踏ん張ってな」
    「…いちいち言い方勘に触るなァお前」

    嬲り合いという名のじゃれあいを繰り広げながら二人は廃墟内へと足を踏み入れていく。
    出来るだけ足音を立てない様に歩き中へと進むと、微かに鼻腔をくすぐった妙な香りに足を止めた。

    「……ショウ」
    「…ああ。heavyな匂いがプンプンしやがる」
    「確かに、ドモンとは違う薬の匂いだな」
    「うっかり吸わねぇようにしねぇとな」

    二人は口を手で押さえて前に進む。
    微かに見えた光が漏れ出している方へとゆっくり距離を縮めていく。
    だんだんとはっきりしてくる全貌が二人の目の前に姿を現す。
    壁に背を付けてそちらに目をやると、異様な光景が二人の目に飛び込んできた。

    「…ありゃあ…なんだ…?」
    「…チッ…胸糞な光景だぜ」


    そこには何十人もの男達が集まっていた。
    しかも、ただ集まっているわけではない。
    全員、何も身に纏ってはいなかった。

    リーダーらしき人物は特攻服を着ているが、全裸の男たちはリーダーに群がり、膝を立ててまるで犬の様に身体を振っている。

    「はぁっ、はぁ…クイーン…早く、俺を天国に導いてくださいっ」
    「クイーン、俺が先ですよね?もう逝きたいですっ!!」
    「クイーン!俺のはしたない姿を見て思う存分、コウフンして下さいっ」


    クイーンと呼ばれた人物は群がる男達を愉快な表情で見下ろしている。
    皆にクイーンと呼ばれているが、二人が見たのは紛れもない男の姿で。

    「…どういう趣味してんだアイツ…」
    「はっ。まさかの色情狂だったとはな…」
    「…どうする?うっかり出てって俺たちまであんなカッコにされちまったら」
    「…想像しただけでreverseもんだ」

    躊躇っている二人を他所に男達はクイーンに次々と淫靡な姿を晒して奴隷の様に使い捨てられていく。
    まるで女王蜂に支配された雄蜂の様だった。皆ピクリとも動かなくなり、気絶していく。

    とうとうクイーンだけになったところで二人は意を決して敵地に足を踏み入れた。

    「随分とイカれてるじゃないか、クイーン。いいや、boy」
    「なんですか貴方達は」
    「アンタの事をぶっ潰しにきたheroとでも言っておこうか」
    「…ほう…君達も僕に従いに来たのですか?」

    男は妖艶な表情を浮かべ二人に視線を向けて顔を傾ける。
    本人も薬にやられているのか、息遣いは安定していない。

    「あ?んな事すっかよ。ノーマルだせ俺達は」
    「ふふっ…安心していいよ?これを使えば忽ち僕の虜になるからね」
    「ハン!粋がってんじゃねェぞ餓鬼」
    「餓鬼に餓鬼と言われても、ねぇ」
    「……テメェ…」

    挑発されたツバサは怪訝な顔で相手を睨みつけて唇を噛み締めた。
    どうやら既に噴火寸前らしい。

    「はぁ…やっぱりオツムが弱いな」
    「うっせぇぞショウ」
    「ふふっ…君、ショウって言うの?可愛い名前だね」
    「あん?」
    「良かったら僕のショウ来のお嫁さんにならない?…なんてね」
    「……テメェ…」
    「お前も人の事言えねぇじゃねぇか!!」

    自分の名前をシャレに使われたショウはツバサと同じく、いや、更にも増して怪訝な顔で相手を睨みつけている。

    「アイツ気に食わねぇ。とっとと潰して帰ろうぜ」
    「ああ。弱そうだしな」
    「…ふふっ…見くびられたもんだね…出てきていいよ、僕の奴隷達」
    「あ?」

    クイーンがパチンと指を鳴らすと、どこからか屈強な男が二人の前にやってくる。
    そしてクイーンの横に立った男は手を差し伸べて地面にひれ伏した。

    「ふふ、可愛いでしょう?僕のいう事なら何でも聞くお利口さんなんだ。君たちもすぐにこうしてあげるからねぇ!!」
    「そりゃゴメンだぜ!!」

    屈強な男がツバサに襲いかかってきた。体格差のある身体にツバサは一瞬息を呑むが、すぐに目の奥をギラつかせて拳を振りかざす。
    容易く交わす男に再び殴りかかるもバネのように跳ね返る拳にツバサは困惑する。

    「どうなってんだこいつら!ゴーレムかよ!」
    「落ち着け。弱点はあるはずだ。こういうデカブツはスピード勝負サ」

    ショウは稲妻もかわすスピードを誇った動きで男の周りを動き回り、視線が外れたところで急所に蹴りを食らわせる。
    少なからず効いているのか男は呻き声をあげてよろめく。
    何度もそれを繰り返しているうちに屈強な男も流石に疲れ果てたのか大きな音を立てて倒れていく。

    「…そんな…僕の奴隷達が…」
    「ったく…とんだ手間だったぜ」
    「…くっ…貴様らァ…」
    「お、本性出しやがったな糞餓鬼」
    「黙れ糞餓鬼が!」
    「おおこわっ。俺はともかくそんな可愛い顔してそんな汚い言葉吐いてちゃ親が悲しむぜ?」
    「…舐めるな!」

    クイーンは激怒しながら蹴りを繰り出すが、ツバサには僅かに届いていない。
    ツバサよりも遥かに小柄な身体はあっさりと地面によろめく。
    何度も振り切っているとクイーンは息切れさせながらツバサを睨みつけた。


    「諦めな。力じゃ俺には勝てない」
    「…くっ…僕を…侮辱するなぁあああっ!!!」

    クイーンは叫びながらいつの間にか手にしていた禁薬をツバサに向かってばら撒いた。
    咄嗟のことで避けきれない。


    「ツバサァッ!」

    そんな時、ショウはツバサの前に立ちはだかって自らが庇って禁薬をその身に受けた。
    咄嗟の判断でショウは口を閉じて薬が入らないように努めながらクイーンを一蹴りにして気絶させた。

    「ショウ!!!大丈夫か!?!」
    「っ、ああ、口には入っていないから平気だ」
    「…良かった…ったく…無茶しやがって…」
    「避けられなかったのはどこのどいつだ」
    「あ!?…いや…俺だな…すまん」
    「ふん。それはそうとこいつが起きるまでに捜査局に連絡する方が先決だろ。まぁ、俺の蹴りを喰らったんだ。暫くは起きねぇだろうサ」
    「強烈だもんなお前の蹴りは」
    「とりあえず、ここにはいた方がいいな。もし万が一起きでもしたら逃げられるからな」
    「ああ」
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