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    くろの

    花式 カイロ

    DONE自創作「モノクロの君に捧げるモノローグ」一話です。加筆修正したものになります
    一話 対異形人工亜人 昔々、そのまた昔。異界という場所はとても穏やかな魔力に満ちていた。異界人たちはともに笑い、動物たちはのびのびと過ごし、個人個人が自由に生きる。正に平和と自由を描き写したようなその世界のバランスは、ある日突然崩れ去った。
     異形。魔力を生命源とし、生きるために他の生物を食い殺す化け物。突如現れ、瞬く間に溢れかえったそれが異界の脅威となるのに、そう時間はかからなかった。
     異界人たちは絶望した。魔法もろくに効かない未知の化け物。異界の生物は減らされていく一方。誰もが諦観していた中、異界に存在する五つの国のうち「亜人ノ国」の研究者たちは、異形と渡り合うべく死力を尽くした。
     戦いの最中研究を重ね、ついには異形に対抗しうるとある“もの”を造り出した。「亜人ノ国」に住む魔法使いと魔女。彼らをオリジナルとして生まれた者たち。彼らは高い戦闘力と豊富な魔力、そして他の種族とは違い異形に対して致命的なダメージを与えることができる特異性を持っていた。救世主とも言えるその者たちの誕生に、人々は驚き喜んだ。
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