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    もったいないおばけ

    なるぎれ

    MOURNING小説も載せられるのか…!と思って、もったいないオバケをしてみよう。
    YOIでは、なんだか妙な衝動で、小説とも言い難い作文をちょこまか書いておりましたねえ…。
    ユリオくんが成人してるくらいの未来設定です。
    3.夜のはなし


    マッカチンは、びっくりするくらい長生きだった。

    元々利口な犬だったが(まぁ食い意地に関しては別だが)アイツは死ぬときすらも利口で、オフシーズンの、オレたち三人ともがピーテルにいるタイミングで、しかもオフの日に、きちんと死期をさとらせて、その上で逝った。

    「もう今晩あたりでお別れかもしれない」

    と、ヴィクトルから連絡が入ったときに真っ先に心配したのはカツドンのことで、(なにせ二度目の愛犬の死だ)いてもたってもいられなくなったオレは、とりあえずすぐに奴らの家に向かうことにした。

    息を切らせているのを悟られないよう、ゆっくりと部屋に入ると、想像に反して、穏やかな顔をしたカツドンがいて、マッカチンの腹をなでながら、たわいもないことを話しかけていた。

    「あ、ユリオだ。マッカチン、ユリオがきたよ」

    と、ほとんど撫でるかのように、ポンポン、とマッカチンの腹を叩きながら、カツドンが声を上げる。
    「おう、」と、出した声は、随分と囁くようなボリュームになった。カツドンの背後からそっと覗き込むと、マッカチンはゆるりと目を開けて、オレを見て、そしてまたゆっくりと目を閉じた。

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