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    クリオネ

    enaka_0731

    CAN’T MAKE今回よその子様も出ております。
    一部の違和感などは補足をつけていただけたり、ご指摘をもらえると直します。
    私の解釈が入ってしまう場合もあります。ご容赦下さい。

    はちゃめちゃに長いのと、私が文を作るのが下手くそなだけです。
    流れでさっしてくだせい。

    クリオネさんが起きるまでのお話
    灰色の男➀男がこの街に来たとき、最初に見たのは灰色の空だった。
    世界は煙がかったような、灰色のインクを吸い取ったような色をしていた。
    明け方だというのにどんよりとした空気が街を包む。
    途中、甘い香りのする女と会話をした。

    「探し物があるのでしたら、あのホテルへ行ってはいかが?」

    少女の甘い声と細い指がさすまま、男はそのホテルの前まで来ていた。
    扉を開ける。長時間雨に打たれた身体は冷え切っていて、
    ホテル内の暖かい空気に手足の感覚を取り戻す。


    ホテルのラウンジらしき場所で褐色肌の男に呼び止められた。
    「おい、お前びしょ濡れじゃないか。」
    その言葉に反応したメイド服の女がすぐに裏からタオルを持ってきた。
    それを受け取る。ホテルに常備された清潔なタオルを男は顔を押し付けそのまま濡れた髪をかきあげる。覗いた目がじとりとようやく駆けつけたメイドとホテルのオーナーに向けられた。血の気のない薄い唇が開かれる。男の声は低く重い印象だった。
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