Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ハートフル

    rinka_chan_gg

    DONE現パロ夏五。
    社畜サラリーマンの夏油がある日見つけた喫茶店のマスターを営んでいる五条に恋をして…?というハートフルでほのぼのしたお話(当社比)の続編です。
    前作をご覧になっていない方は是非そちらからどうぞ→ https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=19005270

    後ほどピクシブにておまけの話もつけて再掲します。

    イベント開催おめでとうございました!
    ハニーミルクの恋ー2ー■■■



    夕陽が、都会の街を橙色に染め上げている。
    閑散とした住宅街。どんどん幅が細くなっていく道路。利用者のいない静かな公園。
    すっかり見慣れた風景を、夏油傑は今日も歩く。お気に入りの、あの店に行く為に。



    チリンチリン。ガラス張りのドアを開くと入店のベルが鳴り響く。音に気付いたアルバイトの青年が「いらっしゃいませー!」と元気よく駆けてきた。夏油の顔を見るとハッとして「お疲れ様です、お好きな席どーぞ!」と一言付け加えた。彼にはすっかり顔を覚えられていることに気恥ずかしさを感じながらも、夏油は奥のテーブル席へと向かった。

    少し前までは、窓際のカウンター席の方が外の景色も見られるし良いと思っていたのだが、最近はもっぱらテーブル席が夏油の定位置となっていた。その理由は単純に、ここだと店内を一望できるからだ。
    4841

    ryokuchagreeen

    SPUR ME7/30に出したい新刊の冒頭
    限界アラサーおじさん降谷と哀ちゃんのハートフル(?)軟禁ストーリーです
    原稿頑張ります!
    あいを隠してここにいる最近、上司の雰囲気が柔らかくなった。
    例えば、ふとした瞬間に携帯端末の画面を眺めては、微かに表情を緩めるようになった。
    例えば、少し前までは何日でも職場に泊まり込むことを厭わなかったのに、僅かな隙を見つけては小まめに帰宅するようになった。
    隣のデスクに座る同僚の仕事内容さえ互いに分からないらしい、と巷で囁かれるほどに単独行動が多い職業柄、顔を合わせる機会はそう多くはない。それでも、きっと仲間たちの中では信頼されている方だと自負している。その自分がそう思うのだから間違いない……おそらく。

    「――じゃ、僕は用事を済ませるついでに家で仮眠をとってくるから……後は任せたぞ、風見」

    件の上司が、ワーキングチェアの背もたれに掛けていたグレーのスーツの上着を無造作に羽織り、ひらりと褐色の手を振って部屋をあとにしようとする。時刻は既に、日付が変わって幾ばくという頃。少し前までのこの人ならば、用事を済ませた後は即刻とんぼ返りを決め込み、良くて仮眠室、十中八九コーヒーの缶とともにデスクへと帰還を遂げていただろう。
    1769

    にしな

    MOURNING初代ちゃん(監督生が来る前に現代からすっ飛ばされてきたオリジナル男装夢主ちゃん)と、愉快な同級生たちとのハートフル学園物語。多分。ウツボとライオンが出てくるはず。
    地獄の門は閉じている③ にこやかに微笑まれても、どんなに丁寧な物腰で声を掛けられても、その手を取ってはいけない。後から対価として何を要求されるか知れないから。それが例え死を目前にした危機的状況であっても、まずはよく考えることだ。
     その相手が、人魚であるなら尚更、警戒を解いてはいけない。


    ◆ ◆ ◆


     用心なさいと誰かは言った。誰だったか知らないが、確かにそう聞いた。
     慈悲の心だなんてそんなものを掲げるくせ、弱肉強食を素で行く彼らであるから、決して取引してはいけないと。同じ学年のたかが学生を相手に対し、なんて恐ろしげな肩書が出回っているものだと思った。それもまだ、入学間もない一年生を相手にだ。
     無法地帯にも等しいNRCだが各寮には一応その寮ごとの取り決めがあり、その寮ごとに掲げる座右の銘的な、指針的なものがある。その特性に見合った生徒が鏡に選ばれ、なるべくしてなるのだったか、つまりはそういうことだと暗に諭された。通常の入学とは違う手順を辿り、例外としてポムフィオーレに名を置く一人は別であるのだけど。
    4331