Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    ヒ素

    cocoo00n

    DONEブラネロ版ワンドロワンライ様(@brnr_drwr)の小説×挿絵企画にて執筆させていただいたお話の修正版になります。
    Twitterに掲載されているものはこちらですので、ぜひ素敵な挿絵もご覧ください。(https://twitter.com/brnr_drwr/status/1505853177815449602?s=20&t=j-22d5ptVgsBA9gz3mG-mw)
    かくしあじ お腹も満たされ暖かな陽だまりにまどろみたくなるような、そんなある日の昼下がり。昼食で使い終わった食器を片づけ終わったネロは、いつもより少し早めに夕食の準備に取りかかっていた。中央の市場で買ってきた新鮮なオスの宇宙鶏に、下味を揉みこんでいく。
     そう、[[rb:誰かさん > ブラッドリー]]の大好きなフライドチキンを揚げるために。


     ネロが夕食の準備をしている日から数日前のこと。ブラッドリーがまたもや忽然と姿を消した。どうやら北の魔法使い同士で小競り合い──魔法舎の被害は決して小さくはなかったが──をしていたところ、うっかりくしゃみをしてしまったらしい。
     賢者とその魔法使いたちは皆またか、という顔をしつつも、心配そうな顔をする者、すぐに帰ってくるだろうと楽観している者、いつ帰ってくるか賭けをする者などと反応はそれぞれだった。ネロもくだらないことをするからだと呆れつつも、いつかの夏の思い出が蘇り、落ち着かないままブラッドリーの帰りを待っていた。
    5979