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    ファンタジア

    きゅう

    MOURNINGイベントの無配にしようと思ってお蔵入りしたもの
    ルの片想いに見せかけた両片思い
    中央ファンタジアログスト続きの捏造を含むので、何でも許せる方向けです…!
    この気持ちに名前をつけるなら、 昼下がりの光が眩しく照りつける。太陽光よりずっと、手のひらがあつい。ぎゅっと握ると厚みがあり、それでいて節々の存在感を示す指先が包み込むように力を返してくる。そう。私は今、ミスラさんに手を握られている。正確に言うと手を握られて、とっておきのお昼寝場所まで向かっている途中だった。
     
    「ミスラさん、お昼寝場所はこっちです」
    「はぁ……あなたが教えるって言ったんでしょう」
    「だ、だってミスラさん、手を離そうとしないから」
     
     その言葉を聞いても尚、繋がれた二つの手のひらはぴったりとくっついたままだ。私が先導に立ち、ミスラさん、こっちですよ。と案内した方が早い。それでも手を繋ぎながら「こっちですか?」「あっちですか?」と、いちいち聞いてくるミスラさんが、可愛く見えて仕方がなかった。これが、フィガロ先生も言っていた甘えている、ということなのだろうか。南の魔法使いなんて、それくらいしか使いどころがないでしょ、とボルダ島で言われた言葉を思い返す。
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