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    ユキト

    6_rth

    DONE何が何でも5章までにかつに何とか付き合ってほしかった。
    断章Ⅱは含みませんがイベストメモストその他含んでます。大島家と東城さんは多分こんなに仲良くない。独自解釈あります。
    ほんのりめぐタマと月歌ユキとあさにーなの要素があります。
    blooming
     ヒトサンマルマル、購買から少し離れた階段の陰。天候は晴天、視界良好。風向きは……留意する必要なし。
     ピークを過ぎて人も少なくなった購買で、見慣れたオレンジのフードはやけに目立つ。壁に半身を押し付け、気配を殺してそっと覗くと、ちょうど観察対象の彼女が会計を済ませようとしているところだった。
     ……そうして観察対象はわたしの予想通り、購買でサンドイッチを購入した。種類は遠目で分からない。双眼鏡は生憎持って来ていなかった。諜報員たる者、いついかなる時でも準備をしていなければならないのだけれど、午前の座学が押して寮室へ取りに戻ることができなかったのだ。
     観察対象Aは速やかに会計を済ませ、教室の方へ戻っていく。その背中で黒くしなやかな尻尾が緩やかに揺れるのを見て、それからわたしはそっと壁から離れる。冷たかったはずの壁は、わたし自身の体温ですっかり温くなっていた。
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