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    めるしー

    DONE「ゲゲ郎」という名に縛られてしまった、父と水木の話。
    ※設定捏造多め
    ※前編は目玉おやじ、後編は水木視点
    ※前編(1/7投稿のものに加筆修正)+今回書いた後編。完結済み

    <あらすじ>
    哭倉村の件から数年後。水木、目玉おやじ、鬼太郎で同居。
    だんだん様子がおかしくなっていく水木を見ていられず、目玉おやじは鬼太郎と家を出ようとする。一方、水木は……?

    無断転載禁止 / Do not repost.
    魚と水前編 妖怪の寄り合いがお開きになったあと、わしは砂かけばばあに呼び止められた。彼女の肩に乗せてもらい、世間話をしながら帰途につく。
     森でかたまって暮らす他のものたちと違い、わしは息子とともに「水木」という人間に世話になっている。
    「お主、力を取り戻しておるのじゃろう?」
     いよいよ人間の街との境に近付いてきた頃、彼女に言われたのだった。

        ◇ ◇ ◇

    「遅くなったな。ただいま帰ったぞ」
     家に入り声をかけるが、返事はない。
     水木は縁側に座り、ぼうっと遠くを見ていた。その腕には鬼太郎を抱いている。時折頭を撫でたり、ぎゅっと抱き締めたりしている。
     なにか深く考え込んでいるのか、わしが近付いても反応がない。最近、彼はこうしていることが増えた。
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