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    煽り

    turb_shirotae

    DONEマフィひすが本編軸ひすを煽り散らかすだけの話。どうせイベント始まったら大量に解釈違いが生えてくるだろうからポイピクで供養(ヒス晶)
    まずは手を繋ぐところから「好きな女性にまともにアプローチもできないだなんて、こっちの俺は随分と可愛らしいんですね」
     自分と同じ顔が綺麗に口角を上げる。俺はその言葉の意味を瞬時に理解して、かぁっと頭に血が上るのがわかった。そんな様子すら目の前の男は楽しげに見つめる。――正直、悔しかった。

     俺と同じ顔の、俺とは異なる人物。この不思議な男が現れたのは昼もだいぶ過ぎた頃。俺は魔法舎で賢者様とのんびり三時のお茶をしていた。お気に入りの美味しい紅茶が手に入ったから、と賢者様を誘ってみれば彼女は嬉しそうに頷く。そんなところも可愛らしくて、俺はほんのりと早くなる脈を感じながらこの時間を堪能していた。……のだが。
     この幸福の時間を誰にも邪魔されないように。そう思って魔法舎の裏でひっそりとお茶会を開いていれば、ふと人の気配がした。魔力は感じられない。なんでこんな所に人間が? 俺は賢者様を不安にさせない程度に気配を警戒する。あ、まずい。こっち来る。そう思ったと同時に草むらの影から一人、人間が現れた。
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