真田明彦
やすけ@さくらうさぎ御殿
SPOILER今書いている真田先輩の中編?です。こんな感じのお話を書いてます。完結させたいですって決意表明。
私は普段、恋に踊らされる真田先輩ばっかり書いてます。本来、真田先輩はそういう人じゃないって思う方もいると思いますが、恋愛を抜きにした描写は原作が十分にやってます。なので私があえて書く必要は無い、私は恋に翻弄される真田先輩を膨らませて書きます。私が見たいんです。
mitsuhitomugi
DONE10月4日のその後の真田明彦の話です。ちなみに死亡シーンはフェス以前のゲーム本編準拠です。10月5日、午前。 支えていた手を離れて、よろめきながら一歩、二歩。それから倒れた。最後に、これでいい、と言った。
真田の目の前で、友人が死んだ。家族同然の仲だった。何十分か、あるいは数秒か、立ち尽くしたまま真田は動けなかった。
山岸の啜り泣く声がする。順平の呼吸が震えている。当たり前だ。目の前で人が死んだのだ。コロマルのペタペタという足音と、アイギスの作動音が重なる。帰るのかと思ったが、どうやらもう動かなくなった荒垣の元へ歩み寄っているらしい。岳羽もリーダーも黙り込んだまま一言も喋らない。いや、何も言えないのだろう。肩に何かが触れる感覚で、美鶴が肩に手を置いたのだと気づいた。もう帰ろう、と言外にその目が訴える。真田はゆっくりと首を横に振った。
5935真田の目の前で、友人が死んだ。家族同然の仲だった。何十分か、あるいは数秒か、立ち尽くしたまま真田は動けなかった。
山岸の啜り泣く声がする。順平の呼吸が震えている。当たり前だ。目の前で人が死んだのだ。コロマルのペタペタという足音と、アイギスの作動音が重なる。帰るのかと思ったが、どうやらもう動かなくなった荒垣の元へ歩み寄っているらしい。岳羽もリーダーも黙り込んだまま一言も喋らない。いや、何も言えないのだろう。肩に何かが触れる感覚で、美鶴が肩に手を置いたのだと気づいた。もう帰ろう、と言外にその目が訴える。真田はゆっくりと首を横に振った。
mitsuhitomugi
DONE真田明彦の誕生日小説です。今回はなんとか遅刻せずに済みました。高一設定、捏造ありなのでご注意ください。
誕生日、いつも通りの朝 普段通りの時間に目を覚ました。
ベッドから下り、カーテンを開く。日の出にはまだ早いらしく、部屋の明るさは大して変わらなかった。そのまま鍵に手をかけ、窓を開けて換気をする。外から侵入してきた冷たい風から逃れるように、窓から少しだけ離れた。ふと学習机の上に置かれたデジタル時計が目について、何とは無しに手に取って持ち上げる。非常にシンプルな造りをした四角いそれは、時刻は午前5時、日付は9月22日を表示していた。
(ああ、そういえば今日だったか)
いまいち覚醒し切れていない頭で、真田はぼんやりと自分の誕生日を認識した。子どもの頃は日がな一日そわそわと落ち着かない気持ちで過ごしていたものだが、16回目ともなれば特別感も薄れてくるらしい。
6457ベッドから下り、カーテンを開く。日の出にはまだ早いらしく、部屋の明るさは大して変わらなかった。そのまま鍵に手をかけ、窓を開けて換気をする。外から侵入してきた冷たい風から逃れるように、窓から少しだけ離れた。ふと学習机の上に置かれたデジタル時計が目について、何とは無しに手に取って持ち上げる。非常にシンプルな造りをした四角いそれは、時刻は午前5時、日付は9月22日を表示していた。
(ああ、そういえば今日だったか)
いまいち覚醒し切れていない頭で、真田はぼんやりと自分の誕生日を認識した。子どもの頃は日がな一日そわそわと落ち着かない気持ちで過ごしていたものだが、16回目ともなれば特別感も薄れてくるらしい。
mitsuhitomugi
DONE高1の荒垣さんの誕生日小説です。盛大な遅刻!!!
変哲もない誕生日昇降口を抜けると、強い日差しが一気に襲い掛かってきた。あまりの眩しさに思わず目を細める。耳には喧しい蝉の声がひっきりなしに聞こえてきて、鬱陶しいことこの上ない。あまりの不快感に、荒垣はうんざりした心持ちで溜息を吐いた。
8月11日。本来ならば夏休み真っ只中だが、荒垣はまるで普通の平日のように学校に来る羽目になった。原因は普段の授業態度にある。無断欠席の常習犯でまともに出席すらしない日もあるのを見咎め、担任が強制的に受講者名簿に荒垣の名を加えたのだった。
「ったく、なんだって夏休みにこんな……」
「お前が普段サボってばかりいるせいだろ」
隣で額の汗を拭いながら真田が言った。荒垣とは対照的に授業は皆勤、日頃の自主学習も欠かさず当然成績も申し分ない真田が何故わざわざ夏期講習など受けにきたのかは判らない。真田とはもう随分長い付き合いだが、時折思考が掴めないことがある。
37338月11日。本来ならば夏休み真っ只中だが、荒垣はまるで普通の平日のように学校に来る羽目になった。原因は普段の授業態度にある。無断欠席の常習犯でまともに出席すらしない日もあるのを見咎め、担任が強制的に受講者名簿に荒垣の名を加えたのだった。
「ったく、なんだって夏休みにこんな……」
「お前が普段サボってばかりいるせいだろ」
隣で額の汗を拭いながら真田が言った。荒垣とは対照的に授業は皆勤、日頃の自主学習も欠かさず当然成績も申し分ない真田が何故わざわざ夏期講習など受けにきたのかは判らない。真田とはもう随分長い付き合いだが、時折思考が掴めないことがある。
1218Tanzanite
DONEペルソナ生誕祭まとめP3 →美鶴先輩、荒垣先輩、アイギス、真田先輩、ゆかり、風花
P4→りせちー、陽介、千枝ちゃん、雪子、菜々子ちゃん、直斗くん
P5→祐介、双葉、芳澤、真、明智、杏、春、エル
枚数が進むにつれ古い&2周目に入ったため同じキャラの絵が複数あります 31
mitsuhitomugi
DONE真田と荒垣の幼少期の話です。勢い任せに書いたらそれなりの文量になったので上げます。過去捏造設定甚だしい(特に真田家)のでご注意ください。
転校生 その日は、明彦が初めて月光館学園の生徒として教室に入った日だった。転校生がそんなに珍しかったのか、明彦はあっという間に同級生達に取り囲まれ、為す術無く見世物同然の存在となった。元来臆病な性格の明彦には、自分に向けられた関心が好意によるものだとは到底思えなかった。子供たちが皆一様に首に赤や黒のリボンを着け、同じ白いシャツの上に同じ黒い上着を羽織っていることすら不気味に思えた。こちらへ向けてしきりに何か呼びかけてくる、その嵐のような騒々しさに狼狽えて、明彦は少しも声を発することができなかった。どこから来たの、前の学校はどんなところだったの、と矢継早に質問を投げかけられる中、明彦は黙り込んだまま、ここに自分を知る者が一人もいない事実を突きつけられていた。
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