神職
simaumahito
DONE「ある冬の夜(前編)」神社の跡取り息子×霊が視える駄菓子屋店主
前編、二人のほのぼの話。
◇簡易キャラ説明
犬神仁郎……祖父から受け継いだ駄菓子屋兼アパート経営で生計を立てている日暮ノ町の住人。27才。霊感がある。
宮内丁一……日暮ノ町にある真宵山神社の跡取り息子。現在は神職に就き、父の補佐をやっている。狐顔美人の27才。
随分と日の翳りが早くなったもので、夕刻、薄暗い周囲は街灯の明かりなしでは心許なくなっていた。
茜色から藍色一色に移り変わり、まばらに散った星々が目立ち始める冬空の下、スーパーで買った惣菜の詰まった袋を片手に、宮内は一軒の家の前にいた。
住宅街の角にあるその家は、古ぼけた庇の上に『駄菓子いぬ屋』の看板が掲げられていて、昔も今も変わらない見慣れた風景に不思議と安心感を覚える。
店はすでにシャッターが閉まっていたが、宮内は当たり前のように店舗の反対側に回ると、そこにある裏口のチャイムを押した。
「やあ、上がれよ」
中から鍵を開ける鈍い音がして、寒さに縮こまり半纏を着て丸くなった顔見知りの家主が姿を現す。
2304茜色から藍色一色に移り変わり、まばらに散った星々が目立ち始める冬空の下、スーパーで買った惣菜の詰まった袋を片手に、宮内は一軒の家の前にいた。
住宅街の角にあるその家は、古ぼけた庇の上に『駄菓子いぬ屋』の看板が掲げられていて、昔も今も変わらない見慣れた風景に不思議と安心感を覚える。
店はすでにシャッターが閉まっていたが、宮内は当たり前のように店舗の反対側に回ると、そこにある裏口のチャイムを押した。
「やあ、上がれよ」
中から鍵を開ける鈍い音がして、寒さに縮こまり半纏を着て丸くなった顔見知りの家主が姿を現す。
m__oji_
MAIKING名夏のパラレル的なもの まだ途中神職名取×子どもの神様夏目
20×12→22か23×15
主要キャラ結構出てきますがCPは名夏だけ、ハピエン
途中もそんなにしんどい話ではないはず…
話の展開上、この人そんな喋り方する?みたいなところが多々ありますがあまり気にしないで進めてほしい
2023/4/25
遺失物取扱所-1(名夏) 花が咲いたみたいな人だ。
神域から遥か遠く、神と人の間に線を引くための森。その森を護る人の社の庭で幾人もの人が列を作り重なるように歩いている。夏目は遥か彼方の神域の庭から人の群れをじっと見ていた。
数多の人の列の中、金に近いはちみつの色の髪をしたその人の姿だけが夏目の眼に飛び込んで離れない。その人だけまるで花が咲いたかのように鮮やかに見える。
小さな夏目の手には到底届かない遠くで、その人は夏目を見ることはない。夏目が見ていることを知る由もない。声も何も届かないし、夏目はその人を何も知らない。
でも、この人だって思った。
「夏目くん、どーしたのー」
「どーしたー」
「多軌、田沼。先生も」
呼ばれて振り返ると、猫を抱えた多軌と田沼がぺたぺたと裸足で歩いてきた。
15991神域から遥か遠く、神と人の間に線を引くための森。その森を護る人の社の庭で幾人もの人が列を作り重なるように歩いている。夏目は遥か彼方の神域の庭から人の群れをじっと見ていた。
数多の人の列の中、金に近いはちみつの色の髪をしたその人の姿だけが夏目の眼に飛び込んで離れない。その人だけまるで花が咲いたかのように鮮やかに見える。
小さな夏目の手には到底届かない遠くで、その人は夏目を見ることはない。夏目が見ていることを知る由もない。声も何も届かないし、夏目はその人を何も知らない。
でも、この人だって思った。
「夏目くん、どーしたのー」
「どーしたー」
「多軌、田沼。先生も」
呼ばれて振り返ると、猫を抱えた多軌と田沼がぺたぺたと裸足で歩いてきた。