素直クール
須藤うどん
PROGRESS素直クール大学生が魔法少女(♂)になっちゃうお話。真面目大学生(魔法少女♂)×クズお兄さん です。このクソな世界を守って(1) この世界はクソだ。母親は物心ついたときには俺におっさん相手にカラダを売らせた。その母親はビッチで俺の父親はどこの馬の骨だかわからない。学校の教科の中で唯一、音楽だけは好きで得意で、まともな家に生まれていたなら吹奏楽の強豪高校とか、音大とか、行きたかったけど、クソ母親と一緒にいたくなくて十五で家出していたからそれどころじゃなかった。
倫生(みちお)の人生はそんなじゃない。俺と同じく母子家庭育ちではあるが、家出なんかはしていなくて、貧しい暮らしだが、母親は倫生を愛している。羨ましいと思う。だが、嫉妬心を攻撃性に変換して傷つけるんじゃなく、俺の手で倫生を守りたい。倫生はいい子だから。天使みたいにいい子だから。
983倫生(みちお)の人生はそんなじゃない。俺と同じく母子家庭育ちではあるが、家出なんかはしていなくて、貧しい暮らしだが、母親は倫生を愛している。羨ましいと思う。だが、嫉妬心を攻撃性に変換して傷つけるんじゃなく、俺の手で倫生を守りたい。倫生はいい子だから。天使みたいにいい子だから。
Sayu_2l
DOODLE急なデレが来るとしんじゃう本命にクソ雑魚建築家先輩とちゃんと宣言してくれる素直クール後輩 はぁ~と長い溜め息を吐きながら天を仰ぐ。多額の借金を背負っていてもなお才が持て囃される、スメール一の建築家であるカーヴェは大変疲れていた。長らく携わっていた案件の工期がようやく満了したのである。時間も金もかかった計画だっただけにやりがいはあったものの、その分疲労も著しい。やりきったという満足感が落ち着けば、しばらくの間意識しないようにしていた疲労感がカーヴェの身を苛んだ。
しかしこれで借金も少しはましになる。そうだ、少しくらい飲んで騒いで自分を労ってもいいんじゃないか。いつもなら後輩のツケにするところだが、大仕事のおかげで懐が潤っている。自分の金で飲むならばあいつも文句は言わないだろう。そう密かに酒カスらしい考えを巡らせていたところで家主の気配が増えた。
3235しかしこれで借金も少しはましになる。そうだ、少しくらい飲んで騒いで自分を労ってもいいんじゃないか。いつもなら後輩のツケにするところだが、大仕事のおかげで懐が潤っている。自分の金で飲むならばあいつも文句は言わないだろう。そう密かに酒カスらしい考えを巡らせていたところで家主の気配が増えた。