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    言わずもがな

    艾(もぐさ)

    PAST第一回綴恋合せ展示用小説。突然ハムスター化した伽と、それについては心配するでもなく一緒にいる鶴の小噺。まだデキてない2人。創作動物審神者がいます&喋ります注意。捏造は言わずもがなです。
    22'3.27 ぷらいべったー初掲

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    【後夜祭/鍵開け】君と食む星 伽羅坊がハムスターになった。
     何故なったのか、と聞かれても分からない。朝起きて、畑当番の用意をして、朝ご飯を食べ、冬でもたくましく芽吹こうとする名も無き雑草たちを間引き土を作り、さて春に向けての苗を──と立ち上がったところで、何やら足袋を引っ張られる感触があるなぁと思ったら足元にハムスターがいた。
     小さくふくよかで、野鼠とするには頼りない焦げ茶のそのかたまりを目にした瞬間、何でこんなところに、と考えるより早く思った。
     あ、伽羅坊だこれ。と。
    「伽羅坊?」
     悩むより聞くのが早い。呼びかければ、ハムスターもとい、伽羅坊は小さく「ぢっ」と鳴いた。ハムスターの基本的な鳴き方自体は鼠と変わらないからこれが普通なんだろうが、すこぶる不機嫌極まりなさそうなそれにくつくつ笑いが込み上げる。見れば、小さな耳の下は微かに赤毛が混じっていた。ああ、やっぱり伽羅坊だ。
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