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    P5R

    snow

    MAIKINGP5R明主の三学期後を本気出して考えた
    なんねんたっても これで終わるんだ、と一種満足感さえ得ていた意識がまた形をとる。自分が今どこにいるのか一瞬わからなくなる感覚。あのクソ忌々しく押しつけがましい『現実』とやらにまた戻ってしまったのか。けれど、それにしてはあたりの様子がおかしかった。人の気配がわかる半個室。目の前にはパソコンのモニターが光っている。どこかのネットカフェだろうここは、俺自身ではなかなか選ばないだろう場所だった。今度こそ誰かの策略ではないだろう。明智吾郎がここに存在させられる意味が分からないからだ。
    「たしか、あれから……」
     一月からこっち、悪夢みたいな現実では定かでなかった記憶。あの男が知らなかったのだろうそれがじわじわと蘇ってくる。
     獅堂のパレスで最後に言い残された再戦の約束。認めたくはないが、そのおかげでぎりぎり生還できたようなものだった。自分と同じ顔をした腹の立つ人形をぶっ殺して、あとはなりふり構わず全力で逃げ、しばらくパレスのセーフルームで体を休めて、現実へと戻る。獅堂の手がもう回ってしまっているだろうから、家に帰るわけにはいかなかった。身の安全を確保しようにも『改心』が果たされるまでは警察さえ危険だ。ありったけの現金をさっとかき集め、ほとぼりが冷めるまでネットカフェを転々として。そうして、今へと至る。
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