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    bouquet

    tonoi00mhyk

    DONEブラネロ♀webオンリー
    「Bouquet for Navy blue」3 展示作品
    素敵なイベントをありがとうございました。

    ネがバレンタインのチョコレートを渡そうと奮闘するお話です。
    前作とほんのり繋がっている設定ですが、読んでいなくても大丈夫です。
    ※ネが先天性女体化
    ビターチョコレートの難題「き、緊張する……!」
     ネロは、マフラーに顔を埋めてそっと息を吐き、必死に自分を落ち着かせようとしていた。
     二月の冷たい風が吹き付ける。コートの前を手で寄せ合わせながら、川沿いの道を足早に歩いていく。待ち合わせの場所まで、あと少し。きっともう待っているであろう男の姿を想像すると、自然と口角が上がってしまう。それと同時に、枕に顔を押し付けて叫び出したくなるような衝動に駆られる。心臓が口から飛び出しそうなくらい、緊張している。今日のために準備した小さな箱を、鞄の上からそっと撫でる。……うん、ちゃんと冷えてる。
     
     賢者さんの世界では、二月の中旬に「バレンタイン」という催しがあるらしい。世話になっている人や、家族や友達、そして、意中の人物に、チョコレートの菓子を送って気持ちを伝える日。「これは義理チョコじゃな」「これは友チョコ!」「「そしてこれは、双子チョコ~!」」なんて、スノウとホワイトがはしゃいでたっけ。双子の言葉を借りるなら、ここにあるのは――「友チョコ」。そういうことにしておきたい。
    7020