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    一般人

    hummingbird_aa

    DONEハリウッドスター赤井×一般人れいくんシリーズの後日談です。
    再録集の書き下ろしを読んだ方にしかわからないかもしれません。
    運転手のモブおじさんのその後のお話。
    アルマジロおじさんと赤安のその後のお話セルジオは今、目の前にそびえ立つ巨大な真っ白の門の前で、ドアベルを押すべきかどうか悩んでいた。
    押すべきかどうかというよりも、チャイムの類が見当たらないのだ。ここはハリウッドの中心部から少し離れた高級住宅街、バレーAKAM3229番地。城壁のようにがっちりと囲われた中には地上で一番有名な俳優と呼ばれる赤井秀一と、そのパートナーのスイートホームがある。セルジオは別に有名人をひと目見たいとか、そんなミーハーな気持ちでここを訪れたわけでは決してない。正式に、ここの住人から招かれたのだ。
    『セルジオさん!今ロックを開けますね。そのまま入ってきてください』
    ふいに頭上から聞こえてきた爽やかな声に、セルジオは驚きあたりをきょろきょろと見渡した。カメラもマイクもどこにあるのかわからないのに訪問者の様子は筒抜けだったのだろう、ガゴゴ…と物々しい音を立てて白い門が開く。恐る恐る邸宅へ続くポーチを進む。道の両脇は鮮やかな緑に溢れ、先ほどセルジオを招き入れた声の主と同じくあたたかで品があった。
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    soseki1_1

    DOODLE物騒な恋人の猟犬🤕を宥めようとする一般人🔮くん(傭占)
     体が揺らめいたときから、しまったなあとイライは思っていた。肩にぶつかった身体は色の派手な大ぶりなジャケットであったし、傍に見えた髪も明るい色をしていた。このまま舌打ちだけで通りすがってくれますように。傾いた体をどうにか持ち直しながらそう祈るように思ったイライの心とは裏腹に「あ?」という物騒な声が聞こえた。しまったなあ。胸の裏を冷やしながらぎこちなく声の方を見れば、頭も衣服も派手な、見るからに素行の悪い男が、カラーコンタクトの入った目でイライを睨んでいた。
     それからは厄介なお決まりの通りに話が滞った。男はぶつかった衝撃で肩が痛む宣い、慰謝料だの治療費だのをイライにせびる。言い渡された額は到底支払えないもので、イライは首を横に振るしかなかった。ならば財布ごと置いて行けと男はがなる。両手を胸の前で擡げ、降参だと言わんばかりにさせながら、イライは視線をうろつかせた。休日の噴水広場は人通りが多い。男とぶつかる前までは、幾らかの人々がちらほらと前を通りかかっていた。のに、男に絡まれた今となっては、イライの周辺に誰も寄り付こうとしない。離れたところを迂回する者、少し距離を開けたところで連れ合いと囁き合う者、中には携帯をかざして動画を映す者もいる始末。解っていたことだが、誰の助けも得られなさそうだ。しまったなあ。内心にて一人心地ながら、イライは男のすぐ後ろにある中央の時計へ目を向ける。長針は待ちに待っていた時間には未だ至らない。けれど"彼"のことだ。早めに来るに違いない。その前にどうにか話を終わらせなければならない。しかしどう言ったものか。これからの予定を鑑みると財布を渡すことはできない。どうすれば。
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    soseki1_1

    DOODLE猟犬♂🤕の帰りを待っている間に可愛い一般人🔮に手を出す猟犬♀
    (猟猟占/女攻め有)
    腰に手を這わせば「料理中だから」と眉尻を下げて微笑まれた。「危ないよ」と、この男は本気で言ったんだろうとナワーブは分かっている。なのに理解とは裏腹に、こいつは揶揄っているのかと半ば本気で腹を立てかけた。刃物なんて、この優男の百倍は上手く扱える。まな板の上に乗った肉なんてあっという間に捌ける。今横たわるそれは鶏肉らしいが、どんな肉だろうと容易いものだ。それが人のものであっても。加えてイライは、片手に握っていた包丁をまな板に置いて言っていた。万が一にも取りこぼして、ナワーブに刃先のひとつでも当たらないように配慮しているのだ。でもそんなことはナワーブにとってなんの意味もない行為だ。たとえその万が一があったとしても、ナワーブはその挙動を見定めて、軽く峰を掴んで、刃先を包丁に突き刺すことができる。鶏肉を真っ二つにすることも。その手のぎりぎりを掠めることだって出来てしまうのだ。そういう人間だ。それはこの男も知っているはずなのに、「危ない」なんて宣う。困惑するままナワーブが瞬きをすると、彼は顔を少し傾け、頬でナワーブの髪を撫でた。それから「ソファで待ってて」とキスするように囁いた。
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    bumilesson

    PROGRESS12月17日【悪霊と超能力者】にて発行する新刊『カフェディンプルへようこそ』のサンプルです。カフェオーナー(紅茶専門)兼大家のエクとリーマンで店子の霊のパラレル設定小説。本文64ページの予定です。
    この話のエクボはスパダリではありません。一般人。
    参った。最悪なスタートダッシュになった。知らない街に来て大雨に降られるなんて本当にツイてない。大体駅前の仲介業者も適当すぎる。鍵を渡してスマホで住所を調べて部屋を探して勝手に内見して来いとは、田舎らしいというのか適当すぎるというのか。該当の住所に来てはみたけどアパートらしいものなどない。
    「え、住所だとここだけど……」
     どこからどう見てもカフェにしか見えない建物が立っている。白い壁に蔦が絡まる、緑が多いちょっと小洒落たカフェとオレが探しているアパートのイメージは離れていた。でも住所は間違いなくここのようで、それらしい入り口を探すが見つからない。
     駅から徒歩10分と言われても知らない道の上、この雨の中を歩いてきたので随分長い時間を歩いていた。周囲をうろうろしているうちに雨はまたさらにひどくなってくる。横殴りの風が強く、立っているのもしんどい。周囲を探すにしても強い風に傘が吹き飛ばれそうになる。仕方ない。
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