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    盗賊

    雨月ゆづり

    PROGRESS「ニキくんの髪をマヨちゃが三つ編みにして、お揃いにするお話」+ナイトクラブ衣装でいただいたお題に、マヨイも盗賊衣装でプラスしてファンタジーな何かを書いています。
    燐音くんもいる。
    話は絶賛書いている真っ最中な上、オチとその手前以外あんまり決めていないので、完成版は多少展開が異なったり、加筆修正していたりする可能性があります。

    ニキくん誕生日おめでとうございました!
    完成したらぴくしぶにあげたい。
     自分は死ぬのだと思っていた。
     応急処置はしたものの、腹に巻いた包帯にはうっすらと血がにじんでいる。体温は雪に奪われて、もう一歩も歩けそうにない。
     あと少し、あと少しだけ歩ければ、街に着いたのに。街に着けば、人がいる。人がいるなら、助けを求められる。でも、歩けない以上はどうしようもない。
     最近は塀の外は物騒だからと、何か用事がない限り、それぞれの街の人たちは可能な限り塀の中に閉じこもるようになっていた。塀の外には盗賊や、獣がいる。確かに戦う術を知らない一般市民は、塀の中にいた方が安全だ。
    「あれ、おに~さん?」
     だから、こんな能天気な声が聞こえるはずがない。これは、助けを求めることさえ出来れば、きっと助かるという自分の願いが生んだ幻想だ。
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