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    セフィ

    mujo_taiju

    PAST大昔に書いたヴィン→ルク前提の宝ルク+セフィの話。ぼくの考える最強の宝条さん
    シスター・レイにて 私にとって彼女という存在が如何なる立ち位置に置かれた物なのか、推測し言葉にするのは実に容易かった。
     一言で簡素に述べてしまえば、彼女は女である。ごった返した装飾を引き剥がし、その場に遺されたシンプルな回答を事実として述べるそれだけの行為は、ひどく簡単なものだったが、その一言に対して漆黒の長髪に赤い眼を持つ異形の男はひどく憤慨した。
     奴は彼女に対して情慕を抱いていたようであるから、その反応も納得しえるものだった。拳銃を引き抜き銃口を此方に向ける。纏った真紅のマントが翻り、まるで静脈から噴き出す血液のごとく、鮮やかな色彩がシスター・レイから見上げる世闇を彩った。それと同時に、男と並んでいた金髪の男。ナンバーも持たず失敗作であるとこの私が判断したにも関わらず、奴は唯一のセフィロス・プロジェクトの成功品であった。彼が巨大なバスターソードを引き抜き、それに続くようにして男の隣に並んでいた獣が唸り声を上げる。XIIIの刻印を前足の付け根に施された犬にも似た四足の獣は、私がレッドXIIIの俗称で呼んでいたサンプルだと記憶している。飼い犬に噛まれるとはまさにこの事か。だが、それも悪くないと思えた。
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