機関獣
DONE男審神者cp週替わりお題企画交流会第二部お題『好きにしていいよ』
#刀とあるじ攻め
ハロウィンになると浮かれて頭がぽんこつになるおかしら。
黒識本丸さにちょも
ばかわいいお頭の話 ハロウィン、というイベントの説明を聞いたときに山鳥毛がどういう行動をするのか、は予想がついていた。
識と黒獣の住んでいる世界でも似たようなイベントはあるが、やはり同じようなことをする輩はいるので。
去年はそれでも、まぁ普通といえば普通だった。
恋仲になった直後でもあったし。
それから1年が経ち、覚えなくてもいいような知識をさらに増やした山鳥毛。
識に対する欲、はエスカレートする一方だった。
山鳥毛には黙っているが、翌日の予定を入れず空けておく。
識と山鳥毛がいなくても、滞りなく運用が回るように調整も忘れない。
この本丸の山鳥毛は主の識が絡むとぽんこつになる、というのを顕現半年未満で嫌というほど学習した日光はとても頼りになる。
1865識と黒獣の住んでいる世界でも似たようなイベントはあるが、やはり同じようなことをする輩はいるので。
去年はそれでも、まぁ普通といえば普通だった。
恋仲になった直後でもあったし。
それから1年が経ち、覚えなくてもいいような知識をさらに増やした山鳥毛。
識に対する欲、はエスカレートする一方だった。
山鳥毛には黙っているが、翌日の予定を入れず空けておく。
識と山鳥毛がいなくても、滞りなく運用が回るように調整も忘れない。
この本丸の山鳥毛は主の識が絡むとぽんこつになる、というのを顕現半年未満で嫌というほど学習した日光はとても頼りになる。
機関獣
DONEサイズオーバー男審神者×山鳥毛
黒識本丸さにちょも
2021年10月16日 男審神者中心オンラインイベント〜主と刀のとある事情〜
Web展示
R-18
アレなボディピアスと尿道責と過去描写で四肢欠損注意
パスワード:成人してますか? 7013
機関獣
DONEとある本丸のさにちょもと、黒識本丸の兄者の話。なんで小鳥って呼ぶのか謎だったの聞いてみた呼び方「少しいいかな」
その髭切は萬屋で声をかけて来た。
会計列が混んでいるので、主の会計を待って店の入口にいた時の事だった。
「なんで主の事を小鳥って呼ぶの」
「君の本丸に私はいないのか」
「うーん、中継の間に少しだけ」
どうやら髭切の主は臨時で派遣される審神者であるらしい。
山鳥毛がいる本丸でなければ、何故そうなのかはわかるまい。
「ああ、昔の言葉だが、一団の長の事を部領使 (ことりづかい) と言うのでね」
「つまり、山鳥毛の言う小鳥は小さい鳥じゃないって事なんだね」
「まぁ、私は鳥に例えた物言いをするのでね。
どの私にとっても主は私には可愛らしい小鳥のようなものだ」
会計を終えた主が歩いて来たので、つい手を振ってしまった。
733その髭切は萬屋で声をかけて来た。
会計列が混んでいるので、主の会計を待って店の入口にいた時の事だった。
「なんで主の事を小鳥って呼ぶの」
「君の本丸に私はいないのか」
「うーん、中継の間に少しだけ」
どうやら髭切の主は臨時で派遣される審神者であるらしい。
山鳥毛がいる本丸でなければ、何故そうなのかはわかるまい。
「ああ、昔の言葉だが、一団の長の事を部領使 (ことりづかい) と言うのでね」
「つまり、山鳥毛の言う小鳥は小さい鳥じゃないって事なんだね」
「まぁ、私は鳥に例えた物言いをするのでね。
どの私にとっても主は私には可愛らしい小鳥のようなものだ」
会計を終えた主が歩いて来たので、つい手を振ってしまった。
機関獣
DONE男審神者cp週替わりお題企画第10回『会いたい』
#刀とあるじ攻め
黒識本丸さにちょも。待つのが怖くなったちょもの話
待つより供を 執務室の外を落ち着きなく歩き回る音がする。
音の主は出来るだけ音を立てないように努力しているようだが、太刀の人の身の音は隠せない。
しかも冷静さを欠いているのなら尚更。
「ちょもは連れてくの?」
髭切の問いかけに、識は首を振る。
「契約が切れた後でも『いたい』とは言われたがこれは僕らの問題だ」
時の政府の目を掻い潜り、他の本丸を襲撃する。
拐われ黒本丸に送り込まれた民を奪還する為に、出陣する。
異なる世界に漂着した使い古しの本丸は、時の政府の管理から外れているので「何が起きても」追跡出来ない。
存在しない、廃棄されたはずの本丸から襲撃されたとは誰も思わない。
黒獣に顕現された刀と、訳ありの南泉と長義は元政府所属であったのに己の意思で襲撃に手を貸している。
3128音の主は出来るだけ音を立てないように努力しているようだが、太刀の人の身の音は隠せない。
しかも冷静さを欠いているのなら尚更。
「ちょもは連れてくの?」
髭切の問いかけに、識は首を振る。
「契約が切れた後でも『いたい』とは言われたがこれは僕らの問題だ」
時の政府の目を掻い潜り、他の本丸を襲撃する。
拐われ黒本丸に送り込まれた民を奪還する為に、出陣する。
異なる世界に漂着した使い古しの本丸は、時の政府の管理から外れているので「何が起きても」追跡出来ない。
存在しない、廃棄されたはずの本丸から襲撃されたとは誰も思わない。
黒獣に顕現された刀と、訳ありの南泉と長義は元政府所属であったのに己の意思で襲撃に手を貸している。
機関獣
DONE男審神者cp週替わりお題企画第8回「元恋人」
さにちょも
#刀とあるじ攻め
お題:元恋人「婚約者がいる、というのは本当か」
最後の演練が終わってから、ずっと山鳥毛が落ち着かない。
他の刀の前で、見せつけるように識にしがみつく悪癖のある訳ありの太刀なのに、しがみつこうとしてこない。
焦ったくなって手を出すと恐る恐る握ろうとするので、あえて恋人繋ぎで帰った。
その晩、いつものように求めてくるかと思った矢先に、深刻そうな顔で問われた内容がこれ。
今日の演練で遭遇した同郷の審神者の刀が余計な事を恋刀に教えたらしい。
次、遭遇する事があれば圧をかけると識は決めた。
識と黒獣に対する不敬罪で追放になったどこぞの五男がこちらの世界で審神者になっていたのは、まったくもって想定外。
死罪を免れ追放で済んだ事は感謝されたが、演練会場で平伏されたのは厄介だった。
845最後の演練が終わってから、ずっと山鳥毛が落ち着かない。
他の刀の前で、見せつけるように識にしがみつく悪癖のある訳ありの太刀なのに、しがみつこうとしてこない。
焦ったくなって手を出すと恐る恐る握ろうとするので、あえて恋人繋ぎで帰った。
その晩、いつものように求めてくるかと思った矢先に、深刻そうな顔で問われた内容がこれ。
今日の演練で遭遇した同郷の審神者の刀が余計な事を恋刀に教えたらしい。
次、遭遇する事があれば圧をかけると識は決めた。
識と黒獣に対する不敬罪で追放になったどこぞの五男がこちらの世界で審神者になっていたのは、まったくもって想定外。
死罪を免れ追放で済んだ事は感謝されたが、演練会場で平伏されたのは厄介だった。
機関獣
DONE霊力不足、で補給してたはずなのに欲しいのが主になってしまった黒識本丸のさにちょも嘘「霊力が足らないから寄越せ」
そう言って主の識に身体の関係を要求したのに、それが嘘になったのはいつからか。
最初は足らなかった、飢えていた。
だが今は。
霊力が足りていないのは確かだったが、我慢出来ない程飢えている訳でもないのに。
どちらかといえば、識に飢えている。
識に接触すると、落ち着く。
識から触れるのは拒否する癖に、山鳥毛からは識に触れる。
酷い刀だ、という自覚はあった。
もっと欲しい、と思ったときにその先、を選んでしまった。
契約している「主」だからとその時は思っていた。
「霊力不足対策で渡しておく」
事に及ぶにしても、顔を見られたくないから灯はつけず、識からは山鳥毛の背中しか見えない状態で跨って、一戦、が定番になった頃。
1338そう言って主の識に身体の関係を要求したのに、それが嘘になったのはいつからか。
最初は足らなかった、飢えていた。
だが今は。
霊力が足りていないのは確かだったが、我慢出来ない程飢えている訳でもないのに。
どちらかといえば、識に飢えている。
識に接触すると、落ち着く。
識から触れるのは拒否する癖に、山鳥毛からは識に触れる。
酷い刀だ、という自覚はあった。
もっと欲しい、と思ったときにその先、を選んでしまった。
契約している「主」だからとその時は思っていた。
「霊力不足対策で渡しておく」
事に及ぶにしても、顔を見られたくないから灯はつけず、識からは山鳥毛の背中しか見えない状態で跨って、一戦、が定番になった頃。
機関獣
DONE黒識本丸のさにちょも。創作審神者男。欠損描写注意。怪我 運が悪い、というかなんというか、その日の山鳥毛は厄日だった。一対一、に持ち込めば怪我もなく勝利出来るはずの戦で山鳥毛にだけ狙いが集中した。
結果、右脚は大腿部の中程から、左腕は肩のあたりでばっさり切り落とされてしまった。
それでも敵部隊の半数を仕留めたのだから上出来といえば上出来だが。
以前ほどは痛くないな、と言ってのける余裕もあったが、精神的には。
日光に肩を借り、南泉が腕も足も回収して、本丸に帰還。
手入で治る、はずが治らない。
刀身も人の身もそのまま。
出血も止まっているし、欠片も除いてあるが怪我はそのまま。
遭遇した遡行軍の中に例外があったのか、手入の効果が作用しない、とわかった。
過去の事例からすると半月程度、らしい。
1737結果、右脚は大腿部の中程から、左腕は肩のあたりでばっさり切り落とされてしまった。
それでも敵部隊の半数を仕留めたのだから上出来といえば上出来だが。
以前ほどは痛くないな、と言ってのける余裕もあったが、精神的には。
日光に肩を借り、南泉が腕も足も回収して、本丸に帰還。
手入で治る、はずが治らない。
刀身も人の身もそのまま。
出血も止まっているし、欠片も除いてあるが怪我はそのまま。
遭遇した遡行軍の中に例外があったのか、手入の効果が作用しない、とわかった。
過去の事例からすると半月程度、らしい。
機関獣
DONE逆バニーの知識知って道具にいらん嫉妬するさにちょも逆バニー「来ないな」
「来ないなぁ」
「…………」
「…………」
黒識本丸、姫鶴一文字鍛刀は失敗した。
識と一文字則宗はぼやき、山鳥毛と声を出せない黒獣は無言。
来ない時は来ない、とわかっているので今回は天井を決めていたが来ない。
黒識本丸は兼業本丸なので、本業が忙しいので数を絞ったのもあるが。
主達だけではなく、刀も本業を手伝っている。
「バニーで鍛刀すれば来ると言う噂、あれを実行した本丸もあるようだな」
「日光の時に試したが、失敗した」
「私と子猫も着たが……顕現した瞬間に見るものとしてはあまりおすすめ出来ない」
「大きいのを選んでみたが、隠しきれないぞあれ……通常でもきつかった」
風呂で識のあれは見たことがあるが、通常時でもえぐい大きさで、よくうちのはあれを受け入れられるな、と妙な関心をしてしまった。
1537「来ないなぁ」
「…………」
「…………」
黒識本丸、姫鶴一文字鍛刀は失敗した。
識と一文字則宗はぼやき、山鳥毛と声を出せない黒獣は無言。
来ない時は来ない、とわかっているので今回は天井を決めていたが来ない。
黒識本丸は兼業本丸なので、本業が忙しいので数を絞ったのもあるが。
主達だけではなく、刀も本業を手伝っている。
「バニーで鍛刀すれば来ると言う噂、あれを実行した本丸もあるようだな」
「日光の時に試したが、失敗した」
「私と子猫も着たが……顕現した瞬間に見るものとしてはあまりおすすめ出来ない」
「大きいのを選んでみたが、隠しきれないぞあれ……通常でもきつかった」
風呂で識のあれは見たことがあるが、通常時でもえぐい大きさで、よくうちのはあれを受け入れられるな、と妙な関心をしてしまった。
機関獣
DONE黒識さにちょも。人前憚らず主に抱きつくようになった理由。過去の欠損について少し記載あり執着 識が本陣にいると、その日は連隊戦で山鳥毛がドロップする。
気付いたのは偶然だった。
ドロップ率が低い、のは嘘じゃないのかと首を傾げ、調べてみた。
審神者の集う掲示板群を見てみると、5振ドロップしている段階でおかしいらしいので書き込みはしなかった。
この時には山鳥毛は打算契約を終えていたが、識はドロップした山鳥毛を顕現も連結もせずに保管していた。
当時の基準の限界まであと一振り、まで集めたがそれでもそのままだった。
入手が厳しい刀であり、本契約したとはいえ不安定な訳あり山鳥毛に連結して無駄になるのを警戒したともいえる。
そんな識だが日光の鍛刀は失敗した。
黒獣もダメだった。
恥を偲んでバニーで鍛刀しても失敗した。
2256気付いたのは偶然だった。
ドロップ率が低い、のは嘘じゃないのかと首を傾げ、調べてみた。
審神者の集う掲示板群を見てみると、5振ドロップしている段階でおかしいらしいので書き込みはしなかった。
この時には山鳥毛は打算契約を終えていたが、識はドロップした山鳥毛を顕現も連結もせずに保管していた。
当時の基準の限界まであと一振り、まで集めたがそれでもそのままだった。
入手が厳しい刀であり、本契約したとはいえ不安定な訳あり山鳥毛に連結して無駄になるのを警戒したともいえる。
そんな識だが日光の鍛刀は失敗した。
黒獣もダメだった。
恥を偲んでバニーで鍛刀しても失敗した。
機関獣
DONEバグで獣化した本丸。ぬるいさにちょも我慢 その日たまたま通信に対応した新人は、運が悪かった。
画面に写っている審神者は、一文字則宗に身長と筋肉を大幅に増量したような外見だった。髪は則宗よりも短いので、さらに筋肉が目立つ。
肩にところどころ黒い模様のある、白い赤目の子猫がしがみついているのはかわいいが。
「僕の刀なのに、バグで干渉されるのは気に入らないな」
僕の刀、に反応した子猫がうれしそうに鳴いて審神者の首筋に頭を擦り付ける。
見た目だけはかわいいが、噂の山鳥毛だよな、と思うと新人は生きた心地がしなかった。
異世界出身の審神者の中でも黒識本丸は要注意、と政府職員の中では暗黙の了解になっている。
ヒトの識と、黒い虎の黒獣のふたりの審神者で運営されている本丸。
1860画面に写っている審神者は、一文字則宗に身長と筋肉を大幅に増量したような外見だった。髪は則宗よりも短いので、さらに筋肉が目立つ。
肩にところどころ黒い模様のある、白い赤目の子猫がしがみついているのはかわいいが。
「僕の刀なのに、バグで干渉されるのは気に入らないな」
僕の刀、に反応した子猫がうれしそうに鳴いて審神者の首筋に頭を擦り付ける。
見た目だけはかわいいが、噂の山鳥毛だよな、と思うと新人は生きた心地がしなかった。
異世界出身の審神者の中でも黒識本丸は要注意、と政府職員の中では暗黙の了解になっている。
ヒトの識と、黒い虎の黒獣のふたりの審神者で運営されている本丸。
Norskskogkatta
MOURNINGさにちょも寝起きの身支度を小鳥に邪魔されるちょもさん
#さにちょもいっせーのせい
こちらのタグに参加させていただいたときのものまだ空が白んでまもない頃、山鳥毛はいつもひとり起き出している。それがただ枕を並べて寝るだけでも、体温を混ぜあって肌を触れ合わせて眠る日も変わらず審神者より先に布団を抜けだす。
今日もまたごそりと動き出した気配に審神者は目を覚ました。
「こんな朝から、なにしてんだ……」
「……起こしてしまったか、まだ日が昇るまで時間がある。もう少し眠るといい」
そういって山鳥毛が審神者の短い髪を撫でるとむずがるように顔をくしゃくしゃにする。やはりまだ眠いのだろうと手を離そうとするとそれを予見していたかのように手が捕まえられた。
「おまえも、ねるんだよ」
「だが、身支度が」
山鳥毛の戦装束は白銀のスーツにネイビーのシャツと普段の手入れが欠かせないものだ。
彼が巣と呼ぶ本丸を統括する審神者たる小鳥の隣に並ぶならば、いついかなる時も気の抜けた身なりではいられない。それが前夜どれだけ小鳥の寵愛を受けようとも。
だからこそ、小鳥の甘えるような仕草に胸を矢で貫かれそれを受け入れ甘やかしてやりたいと思っても心を鬼にして手を離さなければと外そうとした。
「俺がおまえと寝たいの。だから大人しく来い」
「……小鳥 751
Norskskogkatta
MOURNINGさにちょも桃を剥いてたべるだけのさにちょも厨に行くと珍しい姿があった。
主が桃を剥いていたのだ。力加減を間違えれば潰れてしまう柔い果実を包むように持って包丁で少しだけ歯を立て慣れた手付きで剥いている。
あっという間に白くなった桃が切り分けられていく。
「ほれ口開けろ」
「あ、ああ頂こう」
意外な手際の良さに見惚れていると、桃のひとつを差し出される。促されるまま口元に持ってこられた果肉を頬張ると軽く咀嚼しただけでじゅわりと果汁が溢れ出す。
「んっ!」
「美味いか」
溺れそうなほどの果汁を飲み込んでからうなづいて残りの果肉を味わう。甘く香りの濃いそれはとても美味だった。
「ならよかった。ほら」
「ん、」
主も桃を頬張りながらまたひとつ差し出され、そのまま口に迎え入れる。美味い。
「これが最後だな」
「もうないのか」
「一個しか買わなかったからな」
そう言う主に今更になって本丸の若鳥たちに申し訳なくなってきた。
「まあ共犯だ」
「君はまたそう言うものの言い方を……」
「でもまあ、らしくないこともしてみるもんだな」
片端だけ口を吊り上げて笑う主に嫌な予感がする。
「雛鳥に餌やってるみたいで楽しかったぜ」
「…………わすれてくれ」
差し 588
Norskskogkatta
MOURNINGさにちょもちょもさんが女体化したけど動じない主と前例があると知ってちょっと勘ぐるちょもさん
滅茶苦茶短い「おお、美人じゃん」
「呑気だな、君は……」
ある日、目覚めたら女の形になっていた。
「まぁ、初めてじゃないしな。これまでも何振りか女になってるし、毎回ちゃんと戻ってるし」
「ほう」
気にすんな、といつものように書類に視線を落とした主に、地面を震わせるような声が出た。身体が変化して、それが戻ったことを実際に確認したのだろうかと考えが巡ってしまったのだ。
「変な勘ぐりすんなよ」
「変とは?」
「いくら男所帯だからって女になった奴に手出したりなんかしてねーよ。だから殺気出して睨んでくんな」
そこまで言われてしまえば渋々でも引き下がるしかない。以前初期刀からも山鳥毛が来るまでどの刀とも懇ろな関係になってはいないと聞いている。
それにしても、やけにあっさりしていて面白くない。主が言ったように、人の美醜には詳しくはないがそこそこな見目だと思ったのだ。
「あぁでも今回は別な」
「何が別なんだ」
「今晩はお前に手を出すってこと。隅々まで可愛がらせてくれよ」
折角だからなと頬杖をつきながらにやりとこちらを見る主に、できたばかりの腹の奥が疼いた。たった一言で舞い上がってしまったこ 530
Norskskogkatta
PASTさにちょも審神者の疲労具合を察知して膝枕してくれるちょもさん飄々としてい人を食ったような言動をする。この本丸の審神者は言ってしまえば善人とは言えない性格だった。
「小鳥、少しいいか」
「なに」
端末から目を離さず返事をする審神者に仕方が無いと肩をすくめ、山鳥毛は強硬手段に出ることにした。
「うお!?」
抱き寄せ、畳の上に投げ出した太股の上に審神者の頭をのせる。ポカリと口を開けて間抜け面をさらす様に珍しさを感じ、少しの優越感に浸る。
「顔色が悪い。少し休んだ方がいいと思うぞ」
「……今まで誰にも気づかれなかったんだが」
そうだろうなと知らずうちにため息が出た。
山鳥毛がこの本丸にやってくるまで近侍は持ち回りでこなし、新入りが来れば教育期間として一定期間近侍を務める。だからこそほとんどのものが端末の取り扱いなどに不自由はしていないのだが、そのかわりに審神者の体調の変化に気づけるものは少ない。
「長く見ていれば小鳥の疲労具合なども見抜けるようにはなるさ」
サングラスを外しささやくと、観念したように長く息を吐き出した審神者がぐりぐりと後頭部を太股に押しつける。こそばゆい思いをしながらも動かずに観察すると、審神者の眉間に皺が寄っている。
「や 1357
Norskskogkatta
PASTさに(→)←ちょも山鳥毛のピアスに目が行く審神者最近どうも気になることがある。気になることは突き詰めておきたい性分故か、見入ってしまっていた。
「どうした、小鳥」
一文字一家の長であるというこの刀は、顕現したばかりだが近侍としての能力全般に長けており気づけば持ち回りだった近侍の任が固定になった。
一日の大半を一緒に過ごすようになって、つい目を引かれてしまうようになったのはいつからだったか。特に隠すことでもないので、問いかけに応えることにした。
「ピアスが気になって」
「この巣には装飾品を身につけているものは少なくないと思うが」
言われてみれば確かにと気づく。80振りを越えた本丸内では趣向を凝らした戦装束をまとって顕現される。その中には当然のように現代の装飾品を身につけている刀もいて、大分親しみやすい形でいるのだなと妙に感心した記憶がある。たまにやれ片方落としただの金具が壊れただのというちょっとした騒動が起こることがあるのだが、それはまあおいておく。
さて、ではなぜ山鳥毛にかぎってやたらと気になるのかと首を傾げていると、ずいと身を乗り出し耳元でささやかれた。
「小鳥は私のことが気になっているのかな?」
「あー……?」
ちょっと 1374
Norskskogkatta
PASTさにちょもリクエスト企画でかいたもの
霊力のあれやそれやで獣化してしまったちょもさんが部屋を抜け出してたのでそれを迎えに行く主白銀に包まれて
共寝したはずの山鳥毛がいない。
審神者は身体を起こして寝ぼけた頭を掻く。シーツはまだ暖かい。
いつもなら山鳥毛が先に目を覚まし、なにが面白いのか寝顔を見つめる赤い瞳と目が合うはずなのにそれがない。
「どこいったんだ……?」
おはよう小鳥、とたおやかな手で撫でられるような声で心穏やかに目覚めることもなければ、背中の引っ掻き傷を見て口元を大きな手で覆って赤面する山鳥毛を見られないのも味気ない。
「迎えに行くか」
寝起きのまま部屋を後にする。向かう先は恋刀の身内の部屋だ。
「おはよう南泉。山鳥毛はいるな」
「あ、主……」
自身の部屋の前で障子を背に正座をしている南泉がいた。寝起きなのか寝癖がついたまま、困惑といった表情で審神者を見上げでいた。
「今は部屋に通せない、にゃ」
「主たる俺の命でもか」
うぐっと言葉を詰まらせる南泉にはぁとため息をついて後頭部を掻く。
「俺が勝手に入るなら問題ないな」
「え、あっちょ、主!」
横をすり抜けてすぱんと障子を開け放つと部屋には白銀の翼が蹲っていた。
「山鳥毛、迎えにきたぞ」
「……小鳥」
のそりと翼から顔を覗かせた山鳥毛は髪型を整えて 2059