Drkuro7
MAIKING続くはず少女がフロストリーフになった日:序章「……療養?」
「そうだ。今の君が最優先すべきは傷の回復と鉱石病への対処ということになる」
薄い緑で統一された診察室の中、複数のモニターに表示された画像も、渡された書類に並ぶ数字や単語の意味も、ケルシーと名乗ったフェリーンが淡々と続ける話も殆ど理解できないままに、ヴァルポの少女は曖昧に相づちを打ち続けていた。そんな中で突然降ってきた「一定期間の療養」という言葉は、無意識に聞き返してしまうほどに意外なものだった。事前に聞かされていたこの組織の目的を考えれば、自分は使い捨て同然で危険地帯へ放り込まれるはずだった。
「必要ない。気遣いは有り難いが休息ならここ数日の検査の間に充分過ぎるほどにとれている」
「……長く戦場にいた君のことだからな、すぐに前線に出せと言われるだろうとは思っていた。しかし、だ。生憎これは新たな仲間に贈る歓迎の印というわけではない。我々の代表者にも承認を受けた正式な命令だ。ロドス所属の――」
2841「そうだ。今の君が最優先すべきは傷の回復と鉱石病への対処ということになる」
薄い緑で統一された診察室の中、複数のモニターに表示された画像も、渡された書類に並ぶ数字や単語の意味も、ケルシーと名乗ったフェリーンが淡々と続ける話も殆ど理解できないままに、ヴァルポの少女は曖昧に相づちを打ち続けていた。そんな中で突然降ってきた「一定期間の療養」という言葉は、無意識に聞き返してしまうほどに意外なものだった。事前に聞かされていたこの組織の目的を考えれば、自分は使い捨て同然で危険地帯へ放り込まれるはずだった。
「必要ない。気遣いは有り難いが休息ならここ数日の検査の間に充分過ぎるほどにとれている」
「……長く戦場にいた君のことだからな、すぐに前線に出せと言われるだろうとは思っていた。しかし、だ。生憎これは新たな仲間に贈る歓迎の印というわけではない。我々の代表者にも承認を受けた正式な命令だ。ロドス所属の――」