60_chu
DONEブラッドリーが産まれて育つ話ですがほとんどモブが話してる架空の話なので架空の話が大丈夫な人は読んでください。ベイン夫人が言うことには 幌越しに風の音を聞きながら今夜も降り続ける雪のことを思った。馬橇は止まることなく故郷から遠ざかる為に走っていく。どこまでも白い景色の中で私たちは揺られ続けていた。自分でどれだけ息を吹きかけても指先は暖かくならない。私たちは互いに手を擦り合ってここより暖かいであろう目的地のことを話した。誰かが歌おうと声をあげた時、体が浮き上がる感覚がして私たちは宙に放り出された。浮いている時間は一瞬だったはずだけれど空にある大きな白い月が触れそうなほどはっきり見えた。天使みたいに私たちは空を飛んで、そして呻き声をあげたのは私だけだった。
轟音と断末魔が落下していく。馬橇がクレバスを越えられなかったのだろう。獣みたいな唸り声が自分から出たことが信じられなかった。痛みのせいで流れた涙が、すぐに凍って瞼を閉ざしてしまう。体は動かない。肌の上で融ける雪を感じながら私は自分たちの村を守護してくれていた魔法使いに祈った。それしか祈る相手を知らなかった。私は私を馬橇に乗せた人を憎もうとしてでもできなくてまた泣いた。
14995轟音と断末魔が落下していく。馬橇がクレバスを越えられなかったのだろう。獣みたいな唸り声が自分から出たことが信じられなかった。痛みのせいで流れた涙が、すぐに凍って瞼を閉ざしてしまう。体は動かない。肌の上で融ける雪を感じながら私は自分たちの村を守護してくれていた魔法使いに祈った。それしか祈る相手を知らなかった。私は私を馬橇に乗せた人を憎もうとしてでもできなくてまた泣いた。
柚月@ydk452
DONEブラ晶♂互いに独占欲を見せるブラッドリーと晶くんの話。さらっとオリキャラあり。
ぎすぎすした終わりにしたくなくて、のんな結末になりました。カクテルの色は互いの瞳をイメージ。きっと老店主は二人の関係性を察したのでしょう。
欲の在処 頬に触れる風はほんの少し冷たくて、晶は思わず身を縮こまらせる。その震えが伝わったのか、前を向いていたブラッドリーは晶の方へと振り向いた。
「寒いのか?」
「いえ、大丈夫です。」
箒に乗る前に防寒魔法を掛けてもらっていた。だからこれは、単なる条件反射のようなものだ。
晶は今、ブラッドリーの箒に乗って、星の瞬く夜空を駆けていた。魔法舎でゆっくり過ごしていたら、突然ブラッドリーが部屋に来て、付いてこいと誘ってきたのだ。目的も行き先も分からないままクロエの所へ連れて行かれ、いつもの服からよそ行きの衣装へと着替えさせられた。あれよあれよという間に箒に乗せられ、今に至る。
遠目に見ていては分からなかったが、眼下に広がる景色から、どうやら西の国らしいと言うのは分かった。
5947「寒いのか?」
「いえ、大丈夫です。」
箒に乗る前に防寒魔法を掛けてもらっていた。だからこれは、単なる条件反射のようなものだ。
晶は今、ブラッドリーの箒に乗って、星の瞬く夜空を駆けていた。魔法舎でゆっくり過ごしていたら、突然ブラッドリーが部屋に来て、付いてこいと誘ってきたのだ。目的も行き先も分からないままクロエの所へ連れて行かれ、いつもの服からよそ行きの衣装へと着替えさせられた。あれよあれよという間に箒に乗せられ、今に至る。
遠目に見ていては分からなかったが、眼下に広がる景色から、どうやら西の国らしいと言うのは分かった。
柚月@ydk452
DONE魔法舎ドタバタ事件簿シリーズ。Case1,マジカル⭐︎バナナ「ああ、ちょうど良いところに。暇ですよね?」
「げっ。」
「うわ…最悪…。」
魔法舎の談話室で、ミスラに声を掛けられたブラッドリーとオーエンは揃ってげんなりとした。夕食も済み、各々が好き勝手過ごしている自由な時間。ブラッドリーもオーエンも同じ空間に居たとは言え、二人で何かをしていた訳ではない。隙あればもちろん殺し合いをするが、今は奇跡的に殺伐とした空気は影を潜めていた。
ワイングラスを片手に晩酌をしていたブラッドリーは、チッと盛大に舌打ちする。
「暇じゃねぇよ、他を当たれ。」
「大好きな賢者様のところに、早く行ってよ。」
「今あの人、風呂に入ってるんですよね。」
二人の抵抗を他所に、ミスラはソファにどさりと身を投げた。そしてテーブル上にあったつまみを、当然のようにして口に入れる。
5501「げっ。」
「うわ…最悪…。」
魔法舎の談話室で、ミスラに声を掛けられたブラッドリーとオーエンは揃ってげんなりとした。夕食も済み、各々が好き勝手過ごしている自由な時間。ブラッドリーもオーエンも同じ空間に居たとは言え、二人で何かをしていた訳ではない。隙あればもちろん殺し合いをするが、今は奇跡的に殺伐とした空気は影を潜めていた。
ワイングラスを片手に晩酌をしていたブラッドリーは、チッと盛大に舌打ちする。
「暇じゃねぇよ、他を当たれ。」
「大好きな賢者様のところに、早く行ってよ。」
「今あの人、風呂に入ってるんですよね。」
二人の抵抗を他所に、ミスラはソファにどさりと身を投げた。そしてテーブル上にあったつまみを、当然のようにして口に入れる。
柚月@ydk452
DONEブラ晶♂SS良い目をするようになったじゃねぇかとブラッドリーに身内認定される晶くんの話
ひとの上に立つ覚悟賢者の仕事とは、多岐に渡る。
任務や依頼の内容はさることながら、各国の財政界や領主との会談、そして。
「夜会への参加ですか…。」
晶を絶賛悩ませているのが、この貴族主催のパーティーへの参加だ。平凡な一般人である自分が、礼儀やマナーすらままならないのに、『賢者』という肩書きを目当てに多くの誘いが舞い込んでくる。世界の危機に立ち向かう救世主と崇めてくる人も中にはいるが、実はそれは少数だったりする。大半の目当ては興味本位か、あるいは晶の向こうにいる魔法使い達の品定めだ。自分たちに害する気はないか、賢者はきちんと手綱を握っているのか、あの手この手で無遠慮に切り込んでくる。今後の事を考えて、出来るだけ角が立たないよう、なんとか躱し続けているものの、全てを断るわけにもいかない。現に招待状を持ってきたクックロビンは、申し訳なさそうに平謝りしていた。
7425任務や依頼の内容はさることながら、各国の財政界や領主との会談、そして。
「夜会への参加ですか…。」
晶を絶賛悩ませているのが、この貴族主催のパーティーへの参加だ。平凡な一般人である自分が、礼儀やマナーすらままならないのに、『賢者』という肩書きを目当てに多くの誘いが舞い込んでくる。世界の危機に立ち向かう救世主と崇めてくる人も中にはいるが、実はそれは少数だったりする。大半の目当ては興味本位か、あるいは晶の向こうにいる魔法使い達の品定めだ。自分たちに害する気はないか、賢者はきちんと手綱を握っているのか、あの手この手で無遠慮に切り込んでくる。今後の事を考えて、出来るだけ角が立たないよう、なんとか躱し続けているものの、全てを断るわけにもいかない。現に招待状を持ってきたクックロビンは、申し訳なさそうに平謝りしていた。
umemhyk
PROGRESS【1話後編プロローグ】銀細工師として修行をする名無しモブがブラッドリーと出会うお話。後編はお師匠の元を離れたその後のお話です。ブラッドリーオンリー「我らがボスに祝福を!2nd」にて限定公開していた序盤部分をパス外しました!夏が終わるまでに書き切れたらいいな…
名も無き花はひだまりに揺れて 一輪目・名も無き銀細工師 後編「立派な衛兵になったら攫いに来てやるよ」
ここに来る前、ブラッドリーという魔法使いからもらった言葉を思い出す。
北との国境を守るこの基地に連れて来られるのは、徴兵制度の対象となる西の国北部に住む私たちのような若者たちだ。
(立派な衛兵って言ってもなあ……)
工房に引きこもってばかりいた私が工場育ちの屈強な男たちに腕っぷしで張り合えるはずもなく、今日も国境防衛隊の補給班員として弾薬作りに勤しんでいた。毎日血の滲むような訓練をして恐ろしい魔物や悪い魔法使いから前線で国境を守っている防衛班に比べたら、立派な衛兵と呼ばれる存在には程遠い。
(私も防衛班に志願すれば、あの人も一度くらいは会いに来てくれるかな?)
「ー」
776ここに来る前、ブラッドリーという魔法使いからもらった言葉を思い出す。
北との国境を守るこの基地に連れて来られるのは、徴兵制度の対象となる西の国北部に住む私たちのような若者たちだ。
(立派な衛兵って言ってもなあ……)
工房に引きこもってばかりいた私が工場育ちの屈強な男たちに腕っぷしで張り合えるはずもなく、今日も国境防衛隊の補給班員として弾薬作りに勤しんでいた。毎日血の滲むような訓練をして恐ろしい魔物や悪い魔法使いから前線で国境を守っている防衛班に比べたら、立派な衛兵と呼ばれる存在には程遠い。
(私も防衛班に志願すれば、あの人も一度くらいは会いに来てくれるかな?)
「ー」
umemhyk
DONE【1話前編】ブラッドリー×モブ(名前無し)の夢小説のようなものを初めての小説として書いてみました。もしもあなたが、違うかたちでブラッドリーに出逢ったら?
真っ白な大地を背に飛ぶ魔法使いへの憧れ。胸の奥にあるそのきらめきを、盗賊は必ず見つけ出す。どこでどんなふうに生まれても、“太陽”はきっとあなたを照らしてくれる…
そんな祈りを込めてこの物語をお届けします。
名も無き花はひだまりに揺れて 一輪目・名も無き銀細工師 〜前編〜カランカラン。
その魔法使いは前触れもなくやって来た。
まるで私の旅立ちを見計らったかのように。
漆黒と白銀の髪、射抜くような夕闇色の瞳。
「ようじじい」
「いらっしゃいませ…おお、これはこれはブラッドリー様。久方ぶりですなあ」
「あ、お前あん時のちっちゃいのか」
「ははは、こんな老いぼれにちっちゃいのは止してくださいよ」
「よく言うぜ。俺様の半分も生きてねえのによ」
お師匠が何やら親しげに話しているのは、数十年ぶりにうちの店に来た“常連”だ。
西の国の北東部、北の国との国境に近いこの銀細工屋は北からの来客も多い。なかでも盗賊を名乗る魔法使いの太客が数十年に一度来るとは聞いていたけれど、まさかたった一年修行に来ている私がその姿を見られるなんて。しかもここから旅立つ前日に。
1790その魔法使いは前触れもなくやって来た。
まるで私の旅立ちを見計らったかのように。
漆黒と白銀の髪、射抜くような夕闇色の瞳。
「ようじじい」
「いらっしゃいませ…おお、これはこれはブラッドリー様。久方ぶりですなあ」
「あ、お前あん時のちっちゃいのか」
「ははは、こんな老いぼれにちっちゃいのは止してくださいよ」
「よく言うぜ。俺様の半分も生きてねえのによ」
お師匠が何やら親しげに話しているのは、数十年ぶりにうちの店に来た“常連”だ。
西の国の北東部、北の国との国境に近いこの銀細工屋は北からの来客も多い。なかでも盗賊を名乗る魔法使いの太客が数十年に一度来るとは聞いていたけれど、まさかたった一年修行に来ている私がその姿を見られるなんて。しかもここから旅立つ前日に。
umemhyk
PROGRESSブラッドリー×名無しモブの夢小説的な何か。「もしもあなたが、違うかたちでブラッドリーに出逢ったら?」をテーマにしたお話を鋭意執筆中です!一作目は、西の国の銀細工屋でアクセサリー作りの修行に励むモブ視点のお話です。
イベントに間に合わなくて申し訳ないです…😭せっかくなのでプロローグだけ公開させていただきます🙇♀️💦💦あと何日かかるか分かりませんがいつか必ず完成させます!
名も無き花はひだまりに揺れて 一輪目・名も無き銀細工師カランカラン。
その魔法使いは前触れもなくやって来た。
まるで私の旅立ちを見計らったかのように。
漆黒と白銀の髪、射抜くような夕闇色の瞳。
「ようじじい」
「いらっしゃいませ…おお、これはこれはブラッドリー様。久方ぶりですなあ」
「あ、お前あん時のちっちゃいのか」
「ははは、こんな老いぼれにちっちゃいのは止してくださいよ」
「よく言うぜ。俺様の半分も生きてねえのによ」
お師匠が何やら親しげに話しているのは、数十年ぶりにうちの店に来た“常連”だ。
西の国の北東部、北の国との国境に近いこの銀細工屋は北からの来客も多い。なかでも盗賊を名乗る魔法使いの太客が数十年に一度来るとは聞いていたけれど、まさかたった一年修行に来ている私がその姿を見られるなんて。しかもここから旅立つ前日に。
356その魔法使いは前触れもなくやって来た。
まるで私の旅立ちを見計らったかのように。
漆黒と白銀の髪、射抜くような夕闇色の瞳。
「ようじじい」
「いらっしゃいませ…おお、これはこれはブラッドリー様。久方ぶりですなあ」
「あ、お前あん時のちっちゃいのか」
「ははは、こんな老いぼれにちっちゃいのは止してくださいよ」
「よく言うぜ。俺様の半分も生きてねえのによ」
お師匠が何やら親しげに話しているのは、数十年ぶりにうちの店に来た“常連”だ。
西の国の北東部、北の国との国境に近いこの銀細工屋は北からの来客も多い。なかでも盗賊を名乗る魔法使いの太客が数十年に一度来るとは聞いていたけれど、まさかたった一年修行に来ている私がその姿を見られるなんて。しかもここから旅立つ前日に。
umemhyk
DONEブラッドリーさん専用1周年(白の魔法使い)イメージロゼットです!12/12開催ブラッドリー様オンリー「我らがボスに祝福を!」に向けて作りました。2枚目以降はこだわりポイントを早口で熱弁しております😂ロゼット作り初めてなりに好きをいっぱい込めて作れて楽しかったです🥰 5