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DONE2023.1.29のプリコン18にて無料配布したペーパー②。看病するマサ音くん。若しかしたらマサ音マサに見えなくもない、かも?メロウに沈んで。 (マサ音)「……っ、」
眉間に皺を寄せながら小さな呻きが口から溢れる。
飲み干した茶を淹れ直そうと徐ろに立ち上がった際に、ずきりと鈍い痛みが脳天へ駆け上がるように走った。気圧の所為だろうか、それとも日頃の疲れが溜まっていたのだろうか。今日は朝起きた時からずっと頭が重い。
「マサ、大丈夫?」
軽くこめかみに指を添えつつ頭に負荷が掛からぬようにゆっくりと立ち上がれば、向かいに座り雑誌を眺めていた一十木が心配そうな面持ちで声を掛けてくれる。その声に「問題ない」と努めて平静に返して微笑んでみたものの、うまく笑えていたかはわからない。湯呑みを手にふらりと歩み出すと、いつの間にか立ち上がっていた彼に身体を支えられていた。
「頭、痛いんでしょ?」
4580眉間に皺を寄せながら小さな呻きが口から溢れる。
飲み干した茶を淹れ直そうと徐ろに立ち上がった際に、ずきりと鈍い痛みが脳天へ駆け上がるように走った。気圧の所為だろうか、それとも日頃の疲れが溜まっていたのだろうか。今日は朝起きた時からずっと頭が重い。
「マサ、大丈夫?」
軽くこめかみに指を添えつつ頭に負荷が掛からぬようにゆっくりと立ち上がれば、向かいに座り雑誌を眺めていた一十木が心配そうな面持ちで声を掛けてくれる。その声に「問題ない」と努めて平静に返して微笑んでみたものの、うまく笑えていたかはわからない。湯呑みを手にふらりと歩み出すと、いつの間にか立ち上がっていた彼に身体を支えられていた。
「頭、痛いんでしょ?」
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DONEとある初夏の日のマサ音くん(前篇)。音也くん視点です。その内続き書きます。書く際に生活音を提供してくださったフォロワー様に感謝!
side O (マサ音)梅雨入りなんてウソのように燦々と照りつける太陽が夏の訪れを告げている。それでもそよ吹く風は涼やかで、まだまだ初夏のはじまりなんだな〜、なんて思いつつも日差しだけが突然の真夏日和のようで対応できていない身体はだらだらと汗が滴り、早々にシャワーを浴びたい気持ちにかられてしまう。
夜明けとともにはじまった仕事が正午近くでようやく終わり、今日は午後からマサの部屋で一緒にオフを満喫する約束をしていたから適当にお昼ご飯を済ませて急ぎ足でマサの家へと直帰した。
早る気持ちに合わせて貰っていた合鍵でガチャガチャと乱雑に鍵を開けて部屋に入れば、どうやら家主はまだ帰ってきていないらしく中から少しもわっとした空気が流れて身体中に纏わりついてくる。
1452夜明けとともにはじまった仕事が正午近くでようやく終わり、今日は午後からマサの部屋で一緒にオフを満喫する約束をしていたから適当にお昼ご飯を済ませて急ぎ足でマサの家へと直帰した。
早る気持ちに合わせて貰っていた合鍵でガチャガチャと乱雑に鍵を開けて部屋に入れば、どうやら家主はまだ帰ってきていないらしく中から少しもわっとした空気が流れて身体中に纏わりついてくる。
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DONE22年1月23日のプリ⭐︎コンにてお渡しした無配の再録。シャニライイベントのヒーローシリーズからトーマ博士と戦闘員オトの上司のためにお菓子作りに励んでいるだけのお噺。料理上手のオトと絆されつつあるトーマ博士。付き合ってない。
デストロ⭐︎クッキング (トマオト)それはアラン様の突飛な一言から始まった。
「おい、トーマ」
「はっ、ここに。何でしょうか、アラン様」
「さたぱんびんが食いてえ」
「さた……?」
聞いたこともない単語に思わず目が点となってしまった。「食いてえ」の言葉からして食べ物なのであろうことは推測できるが、どういった物なのか全く想像がつかない。
さたぱんびん。一体なんなんだ、それは。
「アラン様、失礼ですがそれはどういった食べ物になりますか?」
「あ? あー……茶色の丸っこい、中が紫でサクサクしてたな」
「な、なるほど……?」
茶色の丸でサクサク、と聞く辺り揚げ物の一種には間違いなさそうだが……中が紫、だと……?
「承知致しました、直ちに探して参ります!」
実物が一体どのような物なのか未だ想像はつかないが、アラン様が求めているのであれば献上する他はない。これも今後のアラン様のご活躍のため、こうして俺のさたぱんびん探索の幕が開かれたのだ。
6473「おい、トーマ」
「はっ、ここに。何でしょうか、アラン様」
「さたぱんびんが食いてえ」
「さた……?」
聞いたこともない単語に思わず目が点となってしまった。「食いてえ」の言葉からして食べ物なのであろうことは推測できるが、どういった物なのか全く想像がつかない。
さたぱんびん。一体なんなんだ、それは。
「アラン様、失礼ですがそれはどういった食べ物になりますか?」
「あ? あー……茶色の丸っこい、中が紫でサクサクしてたな」
「な、なるほど……?」
茶色の丸でサクサク、と聞く辺り揚げ物の一種には間違いなさそうだが……中が紫、だと……?
「承知致しました、直ちに探して参ります!」
実物が一体どのような物なのか未だ想像はつかないが、アラン様が求めているのであれば献上する他はない。これも今後のアラン様のご活躍のため、こうして俺のさたぱんびん探索の幕が開かれたのだ。
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DONE初夜に夢を見過ぎました。真斗くんの心のダムの容量広めで良かったね、と思ってくだされば幸い(?)※R-18、攻めフェラの表現があるので苦手な方はお控えください
パスワードは推しCPのメンカラです 12141
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DONE22年3月のリハビリリクエスト企画にて頂いた、牛さま(@g2mo6767 )からのリクエスト。
「先に起きてるであろう真斗くんが音也くんの寝顔を眺める朝チュン!」のはずがただのやらかした男になりました。ごめんな……。
かわいい子には噛みつきたい。 (マサ音)ピチチチッ、と爽やかな歌が幾重にも聴こえる。
様々な音階が掛け合わさる旋律が耳に心地よく、いつまでもこのままでいたい気持ちに駆られる。だが、その一方で身体は芯から冷え込み、寒さにふるりと身震いをして身を丸めたものの、動けば動くほどに背中、次に腿と冷える部位が増えていく。
観念してゆっくりと瞼を開けて、薄らと差し込む白に数度瞬きを零してから冷え込む己の身体に目をやれば、その姿にぎょっとした。
なんと、全裸である。周囲に寝相が悪いと幾度か言われたことはあるものの、帯のお陰でここまで破廉恥な姿を晒したことなど一度もなかった。その命綱たる帯は寝巻きの浴衣や下着と共に何故か床に散っていた。
一先ず冷えた身体を温めようと横に固まっていた掛け布団を引寄せながらこのような醜態になってしまった事の顛末を思い出そうと身体を起こせば、隣から小さな呻き声のような音が聞こえた。
1063様々な音階が掛け合わさる旋律が耳に心地よく、いつまでもこのままでいたい気持ちに駆られる。だが、その一方で身体は芯から冷え込み、寒さにふるりと身震いをして身を丸めたものの、動けば動くほどに背中、次に腿と冷える部位が増えていく。
観念してゆっくりと瞼を開けて、薄らと差し込む白に数度瞬きを零してから冷え込む己の身体に目をやれば、その姿にぎょっとした。
なんと、全裸である。周囲に寝相が悪いと幾度か言われたことはあるものの、帯のお陰でここまで破廉恥な姿を晒したことなど一度もなかった。その命綱たる帯は寝巻きの浴衣や下着と共に何故か床に散っていた。
一先ず冷えた身体を温めようと横に固まっていた掛け布団を引寄せながらこのような醜態になってしまった事の顛末を思い出そうと身体を起こせば、隣から小さな呻き声のような音が聞こえた。
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DONE22年3月のリハビリリクエスト企画にて頂いた、牛さま(@g2mo6767 )からのリクエスト。
「空港で離れ離れになる恋人ごっこをしている二人」と言われたのに空港の要素ゼロで申し訳ない……_(:3」)_
恋人ごっこ。 (マサ音)「ねぇ、マサ……本当に行っちゃうの?」
歩みを進めようとした矢先、背後からクゥーン……と子犬のしょぼくれた鳴き声ような台詞が聞こえ、振り返れば俺を見上げながらジャケットの袖を摘み引く一十木の姿があった。
「一十木」
「俺、離れたくない」
突然のことに目を丸くしていると、か細い震えた声でそう呟き、流れるような所作で緩りと抱き着かれる。思わずそっと彼の頭部に手を添えて撫でてやれば、己の肩に凭れるように頭を預けてくれる様子に愛おしさが込み上げた。
「だが、そろそろフライトの時間だ。行かねば」
「マサが他の奴とフライトする姿なんて、見たくないよ」
「一十木……」
「どうして今回は俺とのフライトじゃないの?」
伸ばされた一十木の片手が俺の空き手を掴み、きゅっと指が絡み合う。そのまま持ち上げられ一十木の頬へと添えられると、手の甲に柔く彼の温もりが伝わって。
978歩みを進めようとした矢先、背後からクゥーン……と子犬のしょぼくれた鳴き声ような台詞が聞こえ、振り返れば俺を見上げながらジャケットの袖を摘み引く一十木の姿があった。
「一十木」
「俺、離れたくない」
突然のことに目を丸くしていると、か細い震えた声でそう呟き、流れるような所作で緩りと抱き着かれる。思わずそっと彼の頭部に手を添えて撫でてやれば、己の肩に凭れるように頭を預けてくれる様子に愛おしさが込み上げた。
「だが、そろそろフライトの時間だ。行かねば」
「マサが他の奴とフライトする姿なんて、見たくないよ」
「一十木……」
「どうして今回は俺とのフライトじゃないの?」
伸ばされた一十木の片手が俺の空き手を掴み、きゅっと指が絡み合う。そのまま持ち上げられ一十木の頬へと添えられると、手の甲に柔く彼の温もりが伝わって。
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DONEホワイトデーのマサ音くん。友情出演にヴァンくんと密やかに瑛二くん。ヴァン弁は未知。
6823! (マサ音)とあるショッピングモール内。
たくさんのお店が連なるこの場所の一画で、俺は一人頭を悩ませていた。
色とりどりのネクタイやワイシャツがディスプレイされているこの店は、レンに教えてもらったスーツ系の専門店。そしてその店の中で二つの細長い箱を手にかれこれ五分近くは居座っている気がする。
一つは普通にシンプルなデザインの、質感が良さそうなちょっと高めのネクタイ。もう一つは衣装とかでよく着用しているアスコットタイ?とかいうスカーフみたいなやつ。こっちは結び方がたくさんあるらしくて、一枚あるだけで色々遊べるみたい。
どっちも落ち着いた深い青色をしていて、現在思い浮かべている人物にとても似合いそうで一人マスクの中でニヤけては、はっ!と我に返るのを何回も繰り返していた。
2536たくさんのお店が連なるこの場所の一画で、俺は一人頭を悩ませていた。
色とりどりのネクタイやワイシャツがディスプレイされているこの店は、レンに教えてもらったスーツ系の専門店。そしてその店の中で二つの細長い箱を手にかれこれ五分近くは居座っている気がする。
一つは普通にシンプルなデザインの、質感が良さそうなちょっと高めのネクタイ。もう一つは衣装とかでよく着用しているアスコットタイ?とかいうスカーフみたいなやつ。こっちは結び方がたくさんあるらしくて、一枚あるだけで色々遊べるみたい。
どっちも落ち着いた深い青色をしていて、現在思い浮かべている人物にとても似合いそうで一人マスクの中でニヤけては、はっ!と我に返るのを何回も繰り返していた。
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DONEバレンタインデーのマサ音くん。この後無事にレンくんはお祝いされたのはまた別のお話←
きみに会いたい。(マサ音)『おはよう。今日の帰り、俺の部屋に寄って欲しい』
そうマサからメッセージが届いていたのは朝方の五時頃のこと。
その頃の俺といえば絶賛夢の中で、カレーの大食い選手権に出場して優勝をかけた熱い戦いを繰り広げている最中だった。いくら食べても延々と食べ続けていられる夢のような出来事に、夢だと気づいたのはメッセージを受信してから四時間後の午前九時。
「夢かぁ〜」なんてありがちなセリフを少し悔しげに吐きつつ両腕を上げて背筋を伸ばしながら起き上がり、一つ息を吐いてスマホを確認すればさっきのメッセージが通知に上がっていた。
帰りに寄れと言われても、この時間に起きた俺はいうまでもなくオフだったりする。確かに夕方頃に事務所には行く予定だけど、ついでに言えばマサだって今日は俺に合わせてオフをもらっている。
2061そうマサからメッセージが届いていたのは朝方の五時頃のこと。
その頃の俺といえば絶賛夢の中で、カレーの大食い選手権に出場して優勝をかけた熱い戦いを繰り広げている最中だった。いくら食べても延々と食べ続けていられる夢のような出来事に、夢だと気づいたのはメッセージを受信してから四時間後の午前九時。
「夢かぁ〜」なんてありがちなセリフを少し悔しげに吐きつつ両腕を上げて背筋を伸ばしながら起き上がり、一つ息を吐いてスマホを確認すればさっきのメッセージが通知に上がっていた。
帰りに寄れと言われても、この時間に起きた俺はいうまでもなくオフだったりする。確かに夕方頃に事務所には行く予定だけど、ついでに言えばマサだって今日は俺に合わせてオフをもらっている。
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SPUR ME『愛に重さがあるとしての続きを書く』タグから。マサ音くんはお互いに自分たちの気持ちを己では重いと感じているし、周りも「ちょっと……」みたいに思ってるけど相手に対しては全然そう感じてなくて寧ろ物足りなく思ってそうなイメージ。愛に重さがあるとして。(マサ音)愛に重さがあるとして、この愛は重いと定義された時にそれを決めるための基準とはどこからやってくるのだろうか。
そう問い掛ければ赤髪の彼は「うーん……?」と腕を組んで唸り始める。哲学的なことはよく分かんない、と言いつつもこうして一生懸命に考えてくれるところは本当に愛らしく、好ましい。
では質問を変えて、俺の愛は重いだろうか?と問い掛ければ「全然!」と首を横に振り、寧ろもっと重くても構わないと嬉しそうな顔で明るく言い放った。
いつだったか、彼の元同室たる友人が「あの男は依存し過ぎている」と眉を下げて俺の心配をしてくれたことがあったが、本当にそうだろうか?と聞き返した覚えがある。確かに愛に飢えていることには違いないとは感じるが、それが依存や重さに感じたことは一度たりともない。
585そう問い掛ければ赤髪の彼は「うーん……?」と腕を組んで唸り始める。哲学的なことはよく分かんない、と言いつつもこうして一生懸命に考えてくれるところは本当に愛らしく、好ましい。
では質問を変えて、俺の愛は重いだろうか?と問い掛ければ「全然!」と首を横に振り、寧ろもっと重くても構わないと嬉しそうな顔で明るく言い放った。
いつだったか、彼の元同室たる友人が「あの男は依存し過ぎている」と眉を下げて俺の心配をしてくれたことがあったが、本当にそうだろうか?と聞き返した覚えがある。確かに愛に飢えていることには違いないとは感じるが、それが依存や重さに感じたことは一度たりともない。
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DONE今更ながら9月の寒色温泉イベ放映後のマサ音くん。※一部ネタバレ・一部捏造有り
それは或る晴れた秋の日の、(マサ音)夕餉でのことだ。目の前にはぷくっと頬を膨らませて不機嫌そうに見つめてくる彼の姿。湯上りの所為か、いつもならば動きに合わせてふわふわと揺れている赤髪はしっとりとそのボリュームを落とし、拗ねている姿と相まって……不謹慎だと分かってはいるものの、愛らしく目に映る。
こうなってしまったのは、先程まで放映されていたテレビの内容が原因である。
それは清々しく、高い空に青が広がるとても晴れた日のこと。けたたましい蝉の声と共に続いていた茹だるような暑さは鳴りを潜め、穏やかな鈴虫の音に澄んだ空気と風が心地良い季節へといつの間にか移り変わっていた。
そんな最中で俺と一ノ瀬は例の旅番組への出演が以前から決まっており、この爽涼とした気候の中で、某日、目的地の温泉街へと旅立った。
2832こうなってしまったのは、先程まで放映されていたテレビの内容が原因である。
それは清々しく、高い空に青が広がるとても晴れた日のこと。けたたましい蝉の声と共に続いていた茹だるような暑さは鳴りを潜め、穏やかな鈴虫の音に澄んだ空気と風が心地良い季節へといつの間にか移り変わっていた。
そんな最中で俺と一ノ瀬は例の旅番組への出演が以前から決まっており、この爽涼とした気候の中で、某日、目的地の温泉街へと旅立った。
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DONEマサ音くん真ん中BDに上げようと思って真ん中BDから書き始めたやつ←うたかたの聲にくちづけを。(マサ音)「へへ、マサだぁーいすきっ!」
爽やかな夏の日差しのような笑顔で放たれたそれは、彼の口癖みたいなものだ。学園で同じクラスだった頃からよく言われている。例えば、忘れてきた教科書を借りれず困っていたところに見せてやった時や食堂で目当てのメニューが食べられず悄気ている姿にメロンパンを分けた時も。卒業後に仕事が重なり、その合間に談笑している時や台本内での漢字の読み仮名を教えてやった時も。その都度、あの満面の笑みで「大好き」と告げられる。
表裏のない彼らしい素直な言葉に始めこそ動揺したものだが、今となっては慣れたものだ。先程のように告げられれば小さく笑みを浮かべ、なるだけ優しい声色でこう返す。
「そうか。俺も一十木が大好きだぞ」
1763爽やかな夏の日差しのような笑顔で放たれたそれは、彼の口癖みたいなものだ。学園で同じクラスだった頃からよく言われている。例えば、忘れてきた教科書を借りれず困っていたところに見せてやった時や食堂で目当てのメニューが食べられず悄気ている姿にメロンパンを分けた時も。卒業後に仕事が重なり、その合間に談笑している時や台本内での漢字の読み仮名を教えてやった時も。その都度、あの満面の笑みで「大好き」と告げられる。
表裏のない彼らしい素直な言葉に始めこそ動揺したものだが、今となっては慣れたものだ。先程のように告げられれば小さく笑みを浮かべ、なるだけ優しい声色でこう返す。
「そうか。俺も一十木が大好きだぞ」
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MOURNING『No More Reason』の杜夜が好み過ぎて是が非でも真斗くんと絡ませたかっただけの書き途中。気が向いたらまた続き書くやも。
ー・*・ー・*・ー・*・ー
2022.2.18、続編おめでとうございます!真斗くんは『青鳳組 マコト』役となりましたが、こちらはマコトさんのそっくりさんが営む地元のマスター(パロディ)です。
※ドラマCD発売前に書いたのでCDにて判明した相関は含みません。
(未完成)俺には想い人がいる。
その人は至極物静かでこの国の人間にしては珍しく堅物な性格をしている。されど清廉な空気を身に纏い、それでいてどこかあたたかな雰囲気も持っていて。一言で表現するなれば玻璃細工のような「美しい人」。
硝子張りの少し古びた小さなバールのカウンター内でただ一人静かに佇み、注文を受ければその背後に設置された旧式と思われる機械を操作して芳醇に甘く香る一杯のあたたかいエスプレッソを淹れてくれる。普通の珈琲とは違い、デミタスと呼ばれる小さなカップにたっぷりの砂糖を入れよくかき混ぜたそれはチョコレートのような風味ととろりとした飲み口が特徴的で、本国ではお目に掛かれない不思議な味だ。だが、イヤな甘さは欠片もなく、彼のあたたかな人格を表したような味わいに「美味しい」と一言告げれば、フッと小さく満足そうに口元が上がるのがどこか愛らしい。
1846その人は至極物静かでこの国の人間にしては珍しく堅物な性格をしている。されど清廉な空気を身に纏い、それでいてどこかあたたかな雰囲気も持っていて。一言で表現するなれば玻璃細工のような「美しい人」。
硝子張りの少し古びた小さなバールのカウンター内でただ一人静かに佇み、注文を受ければその背後に設置された旧式と思われる機械を操作して芳醇に甘く香る一杯のあたたかいエスプレッソを淹れてくれる。普通の珈琲とは違い、デミタスと呼ばれる小さなカップにたっぷりの砂糖を入れよくかき混ぜたそれはチョコレートのような風味ととろりとした飲み口が特徴的で、本国ではお目に掛かれない不思議な味だ。だが、イヤな甘さは欠片もなく、彼のあたたかな人格を表したような味わいに「美味しい」と一言告げれば、フッと小さく満足そうに口元が上がるのがどこか愛らしい。