むつき
DONEリヒトとメリュジーヌさん お互いに敬意を払いあう主従感がすきプレゼントフォーユークニヨシの同人誌製本を手伝った時の話
前作 https://poipiku.com/5834246/8887499.html の続き
無心になって手を動かすこと数時間、出来上がった同人誌をすべて段ボール箱に収め、リヒトは大きなため息をついた。壁際、山のように積み上がった箱を見つめ、しばしぼんやりと佇む。依頼された作業はなんとか終えられた。他の部屋も街も眠りにつつまれているのか、外はしんと静まって、車の走り去る音すらも聞こえてこない。
「良かったぁ、おかげさまで明日、じゃないやもう今日だね、とにかくこれでイベントの準備はばっちりだよ! 本当にありがとう!」
何度も何度も感謝の言葉を口にするクニヨシは、その丸い顔をこれ以上ないというくらいにほころばせている。つい先ほどまで猛烈な勢いでペンを走らせたり、ああでもないこうでもないと頭をひねりながら色を置いたりしていたはずが、疲れた様子など微塵も浮かべていない。友人が嬉しいのなら自分も嬉しいと、リヒトは知らず知らずのうちに頬をゆるませた。
2905前作 https://poipiku.com/5834246/8887499.html の続き
無心になって手を動かすこと数時間、出来上がった同人誌をすべて段ボール箱に収め、リヒトは大きなため息をついた。壁際、山のように積み上がった箱を見つめ、しばしぼんやりと佇む。依頼された作業はなんとか終えられた。他の部屋も街も眠りにつつまれているのか、外はしんと静まって、車の走り去る音すらも聞こえてこない。
「良かったぁ、おかげさまで明日、じゃないやもう今日だね、とにかくこれでイベントの準備はばっちりだよ! 本当にありがとう!」
何度も何度も感謝の言葉を口にするクニヨシは、その丸い顔をこれ以上ないというくらいにほころばせている。つい先ほどまで猛烈な勢いでペンを走らせたり、ああでもないこうでもないと頭をひねりながら色を置いたりしていたはずが、疲れた様子など微塵も浮かべていない。友人が嬉しいのなら自分も嬉しいと、リヒトは知らず知らずのうちに頬をゆるませた。
ajinomedama
MEMO竜の庭園の続きです。ほのぼの始めた筈がとんでもない展開になってきましたどうなるカルデア竜の庭園・おしまいそれは彼女が庭園の世話を引き受けて僅か半年後のことだった。
名乗り出、引き受けたは良いものの勝手がわからず難儀していた最初から比べるとすっかり花の世話にも慣れ、竜という野生に近しい種族らしくやわらかな白詰草の植え込みで昼寝をする日もあった頃だった。
星の巡りにより偶然指名された戦。今回はそう長くはかからないと聞いていたので油断しきっていた。
この戦においてメリュジーヌの働きは実に素晴らしく、マスターから簡易的な勲章を送るよとすら言われ意気揚々と帰還後、突然の警報音、彷徨海の破棄、緊急離脱。
とてもじゃないが最上階のささやかな花園を心配する暇は無かった。休む間もなく次の戦を見据える目をしているマスターに、花を数輪持っていきたいなどとは、口が裂けても言えなかったのだった。
495名乗り出、引き受けたは良いものの勝手がわからず難儀していた最初から比べるとすっかり花の世話にも慣れ、竜という野生に近しい種族らしくやわらかな白詰草の植え込みで昼寝をする日もあった頃だった。
星の巡りにより偶然指名された戦。今回はそう長くはかからないと聞いていたので油断しきっていた。
この戦においてメリュジーヌの働きは実に素晴らしく、マスターから簡易的な勲章を送るよとすら言われ意気揚々と帰還後、突然の警報音、彷徨海の破棄、緊急離脱。
とてもじゃないが最上階のささやかな花園を心配する暇は無かった。休む間もなく次の戦を見据える目をしているマスターに、花を数輪持っていきたいなどとは、口が裂けても言えなかったのだった。
ajinomedama
MEMOアヴァロン・ル・フェその後竜の庭園ノウム・カルデアの最上階にはささやかながら竜が護る庭園がある。
当初は空き部屋の中央に温室がポツンとあるばかりのなんとも味気ないものだったが、やはり植物が欲しいと声が上がり、有志を募り、シオンの協力もあり床を剥がし土を入れ、少しずつでも空いた時間に手入れをすることでそ2ヶ月後にはそれなりのものとなった。最終的に庭園の今後の手入れについて名乗りを挙げたのがメリュジーヌであり、妖精ならば我々よりも適任だろうと彼女に一任されることとなった。
彼女が日々水を撒き肥料をやり伸びすぎた枝を剪定をする草花の中にひときわ異質な薔薇がある。
数こそ少ないものの七色の金と銀に薄いピンク色をほんのりと帯びたようなその不可思議な薔薇は彼女がわざわざキルケーとメディア…神秘の魔女に頼みこんで作らせた新種であるらしく、“暁“と名付けられているそうだ。
494当初は空き部屋の中央に温室がポツンとあるばかりのなんとも味気ないものだったが、やはり植物が欲しいと声が上がり、有志を募り、シオンの協力もあり床を剥がし土を入れ、少しずつでも空いた時間に手入れをすることでそ2ヶ月後にはそれなりのものとなった。最終的に庭園の今後の手入れについて名乗りを挙げたのがメリュジーヌであり、妖精ならば我々よりも適任だろうと彼女に一任されることとなった。
彼女が日々水を撒き肥料をやり伸びすぎた枝を剪定をする草花の中にひときわ異質な薔薇がある。
数こそ少ないものの七色の金と銀に薄いピンク色をほんのりと帯びたようなその不可思議な薔薇は彼女がわざわざキルケーとメディア…神秘の魔女に頼みこんで作らせた新種であるらしく、“暁“と名付けられているそうだ。