かんの
PAST万年寝不足鬼狩り勤労学生あがつま手羽さんのイラストに付けさせてもらったお話
月に雷鳴『――こちら鬼殺隊第三本部。鳴柱・我妻善逸、応答せよ』
耳元のワイヤレスイヤホンからやや無感情な声がして、彼は揺蕩っていた意識ごと急激に現実へと引き戻された。はっと瞼を開ければ世界は既に暗く、カーテンの向こうにはしっとりとした夜が静かに佇んでいる。さっきまでは辛うじて日は落ちきっていなかった筈なのにいつの間に沈んでしまったのだろうか。まだぼんやりと霞のかかったような思考を無理矢理動かして、善逸は掠れた声で答える。
「こちら鳴柱。第三本部、どうしました? どうぞ」
今は何時だ? まだそう遅い時間ではないと思いたい。身を預けていたソファから起き上がりスマートフォンのディスプレイを確認すれば、画面上に表示されている時計は間もなく二十時になろうとしていた。日没から一時間と少し、そろそろ奴らが活動を始める時刻だ。
12223耳元のワイヤレスイヤホンからやや無感情な声がして、彼は揺蕩っていた意識ごと急激に現実へと引き戻された。はっと瞼を開ければ世界は既に暗く、カーテンの向こうにはしっとりとした夜が静かに佇んでいる。さっきまでは辛うじて日は落ちきっていなかった筈なのにいつの間に沈んでしまったのだろうか。まだぼんやりと霞のかかったような思考を無理矢理動かして、善逸は掠れた声で答える。
「こちら鳴柱。第三本部、どうしました? どうぞ」
今は何時だ? まだそう遅い時間ではないと思いたい。身を預けていたソファから起き上がりスマートフォンのディスプレイを確認すれば、画面上に表示されている時計は間もなく二十時になろうとしていた。日没から一時間と少し、そろそろ奴らが活動を始める時刻だ。