Recent Search
    Create an account to secretly follow the author.
    Sign Up, Sign In

    #京園

    kyoto-on

    佳芙司(kafukafuji)

    REHABILI園子さんは正真正銘のお嬢様なので本人も気付いてないような細かなところで育ちの良さが出ている。というのを早い段階で見抜いていた京極さんの話。
    元ネタ【https://twitter.com/msrnkn/status/1694614503923871965】
    京園⑰

     思い当たるところはいくらでもあった。
     元気で明るくて表情豊か。という、いつかの簡潔な第一印象を踏まえて、再会した時の彼女の立ち居振る舞いを見て気付いたのはまた別の印象だった。旅館の仲居達と交わしていた挨拶や立ち話の姿からして、慣れている、という雰囲気があった。給仕を受ける事に対して必要以上の緊張がない。此方の仕事を理解して弁えた態度で饗しを受ける、一人の客として振る舞う様子。行儀よくしようとしている風でも、慣れない旅先の土地で気を遣って張り詰めている風でもない。旅慣れているのかとも考えたが、最大の根拠になったのは、食堂で海鮮料理を食べた彼女の食後の後始末だった。
     子供を含めた四人の席、否や食堂全体で見ても、彼女の使った皿は一目で分かるほど他のどれとも違っていた。大抵の場合、そのままになっているか避けられている事が多いかいしきの笹の葉で、魚の頭や鰭や骨を被ってあった。綺麗に食べ終わった状態にしてはあまりに整いすぎている。此処に座っていた彼女達が東京から泊まりに来た高校生の予約客だと分かった上で、長く仲居として勤めている年輩の女性が『今時の若い子なのに珍しいわね』と、下膳を手伝ってくれた際に呟いていたのを聞き逃す事は勿論出来なかった。
    1487

    佳芙司(kafukafuji)

    DONE140SS【https://poipiku.com/3176962/8885168.html】をベースにした改良版。
    使った自ネタ→【https://novelskey.tarbin.net/notes/9gettnffqf】
    京園5.5

     海外にいると日本語が恋しくなる時がある。そういう時こそ本でも読めばいいのかもしれないが、大抵の場合京極は衝動に負けて、携帯電話のメッセージアプリを眺めたり手紙を手に取ってしまう。園子と交わした、学校であった事、自身の近況報告、今度はいつ会えるか、早く会いたいという気持ちの文章。紙での遣り取りは減ったが、以前はその手跡を指でなぞっては思いを募らせていたと懐かしむ。それに伴って、その頃はまだ明確に互いの気持ちを伝え合っておらず、タイムラグのある遣り取りの為に勝手な思い込みや勘違いをしては突飛な行動をしてしまった事もあった、と思い出して京極は一人顔を赤らめた。
     気を取り直して、先程着信のあったメッセージを読む。陸上競技記録会、もとい運動会の日が近付いている為にテニス部なのに皆そちらに意識が向いてしまって、ラケットを持つより走り込みや基礎トレばかりやっているという旨の近況報告で、そういえばそんな時期かと彼は目を細めた。きっと彼女の事だから級友達を全力で応援して盛り上げるのだろうと容易に想像出来る。少し、ほんの少しだけ、羨ましいような気がする。
    6457

    佳芙司(kafukafuji)

    REHABILI5/23はキスの日と知ったのと、現時点での自分の中の京極真像を形成しておきたくて書いた。
    コメントあれば💌→https://wavebox.me/wave/dc34e91kbtgbf1sc/
    京園② 実家の旅館を手伝うという行動が、子供のお使いから労働という戦力として計算されるようになったのは小学校高学年になってからだろうと京極は推察する。空手を幼い時分より続けていた為か親の手助けをしなければならないという長男気質由来の使命感からか、成長する身体は歳を追う毎に強くなる事に最適化されていった。畳に擦れる皮膚は硬くなり筋肉はしなやかに肉体を形成して堅牢性を顕した体格は、同じ歳の頃の青少年達と比べても抜きん出ていた。
     別格、桁違い、高次元……等々の賞賛は初めのうちこそ身に余る過分な賞賛と恐縮していたが、大人の枠組みの中に自身が分類されるような年齢に差し掛かる頃にはもうその言葉の裏側にどういった意味合いが込められているのかを、面と向かって言われなくても悟る事が出来るようになってしまった。誰が呼んだか、マスメディアが囃す。蹴撃の貴公子。近寄りがたいバケモノに名前を付けるような行動に、ただ京極は眉を顰めるだけだった。薄ら冷えた嘲り笑いの仕方を学ぶような環境にいなかった事が何よりの救いであった。
    3512

    佳芙司(kafukafuji)

    REHABILI唐突にハマったせいで書かないことには成仏できないと思い詰めて書いた。
    京園必修科目「彼氏のファッションチェック」ネタ。
    コメントあれば💌→https://wavebox.me/wave/dc34e91kbtgbf1sc/
    京園① キャミソール。ローライズ。オフショルダー。
     園子さんといると今まで知らなかった単語にたくさん出会えるな。と京極は思う。クリスマスイブの前日をイブイブ、というのは直接聞けず後から知った事だが、大抵の耳慣れぬ知らない単語はその場で園子自身が説明してくれるので、そのまま流れで覚える事が多い。日常生活で必要な知識なのかと問われれば否と答えざるを得ないが、園子に関しては彼女にまつわるすべての関連事項を一欠片も残さず知っておきたいと思っている京極自身は、特にそれらを不要な知識だとは思っていない。見識が広がるな、やはり園子さんは素晴らしい人だ、等々と肯定的に捉えている程である。
     それはそれとして、許容の可否については別問題である。いつかの現代国語の授業で読まされた何処ぞの作家の文章を本歌取るならば、京極には服飾の流行が分からぬ。中略けれども恋人の必要以上の薄着や服装の着こなし等に対しては、人一倍に敏感であった以下略。
    5093