いちとせ
DOODLE幼少期の兄←さめ(恋愛感情ではなく強い愛着)私が腹を開くまで 節操のない眩しさも、己のあげる甲高い泣き声も嫌いだった。自分の体も思い通りに動かず、どうすれば周囲の大きなモノのようになれるのかもわからず、不快を感じるたびに意志とは無関係に泣き続けた。
寝返りができるようになり、床を這って動けるようになると視界が大きく広がった。大きなモノのほかに、自分より少し大きいだけのモノがいることがわかった。「れーじ、れーじ」と話しかけられるので自分はそのような名だと知った。
これが自分の思い出せる一番古い記憶。私のことを「れーじ」と呼んでいたなにかは私の兄であった。歩けるようになると、とにかく兄の真似がしたくてひたすら後を追いかけていた。
兄が積み木で遊び始めたら、自分もそこへ行く。すると、兄が積み木を渡してくれる。隣で時々盛大に崩れる音を聞きながら、まっすぐ自分の身長を超えるぐらい上に積んでいった。兄はきらきらした瞳で「れいじ、すごい!」と褒めてくれて、頭を撫でてくれた。あたたかな手だった。
2084寝返りができるようになり、床を這って動けるようになると視界が大きく広がった。大きなモノのほかに、自分より少し大きいだけのモノがいることがわかった。「れーじ、れーじ」と話しかけられるので自分はそのような名だと知った。
これが自分の思い出せる一番古い記憶。私のことを「れーじ」と呼んでいたなにかは私の兄であった。歩けるようになると、とにかく兄の真似がしたくてひたすら後を追いかけていた。
兄が積み木で遊び始めたら、自分もそこへ行く。すると、兄が積み木を渡してくれる。隣で時々盛大に崩れる音を聞きながら、まっすぐ自分の身長を超えるぐらい上に積んでいった。兄はきらきらした瞳で「れいじ、すごい!」と褒めてくれて、頭を撫でてくれた。あたたかな手だった。