2020_ao_
DONE『空のひつぎ』とある国の台輔亡き後の王のお話。とても暗いです。何でも許せる方向けです。ご不快に思われたなら申し訳ありません。ごめんなさい。書かずにはおられませんでした。
11/14…本文微修正しました。
★パスワード→「黄海」の読み方をアルファベットで 4195
おきゃめ
DOODLE戴国絡みの巻を繰り返し読むこの頃泰麒けなげで可愛すぎる~そら汕子もモンペになるし李斎も必死になるよな
驍宗さまにだっこしてもらってたのが逆に背に乗せて翔けることができるくらい立派になったんだね…
あの救出劇アニメで見てえ~~~
Fruit🍏
MEMO『風の万里 黎明の空』上巻講談社 ホワイトハート(WH)版と新潮文庫版で変更されている場所(一部)のリストです。基本、漢字・かな表記違いは入れておりません。(私のタイピングミス等ある場合があります。予めご了承ください🙇🏻♀️💦) 6
hoshinami629
CAN’T MAKE禁軍右軍がわんこを拾って……という話。友尚は拾って来るくせに自分で引き取ったりしない男なのだ、という部分を書いたら満足した+この後犬が死んで阿選が何とも言えない気持ちになる、というエンドしか思い浮かばなくて辛い。続き書けそうなら書きますが……書いてて辛い……。禁軍右軍が犬を拾った 先王の命で江州へと進軍した、その帰りの道だったと思う。一匹の犬が隊の後ろをついて来た。飢えた野犬が人影を認めて近付いて来るのは、割合に良くあることだ。最初は麾下の一人が軽い気持ちで糧秣を分けてやっていた。帰投の途に就けば兵卒というものは、無事に終わったという安堵と、命あるものには優しくしてやりたいという感傷と、その両方を抱えるものだ。戯れに皆が犬の面倒をみたのも、そうした空気ゆえに発生した偶発的な出来事だった。
犬はそれに味を占めてか、それとも習性ゆえに群れに混じりたいと思ってか、まるで一兵卒のように軍の中へ入り込むようになった。時は秋の終わり、初雪の降る前に鴻基へ到着したいと、誰も彼も気が急いていた。通常の進軍よりも速度を上げて、街道を踏破してゆく。肋の浮いた体格の良くない犬だから、途中で脱落するに違いない。そう思っていたが不思議と持ち堪えて、その犬はとうとう鴻基までついて来てしまった。今更何処へなりと行けと放したところで、絶対に纏わりついて来る。そのことは指揮官から兵卒まで、江州から戻った右軍の全員が理解していた。
1000犬はそれに味を占めてか、それとも習性ゆえに群れに混じりたいと思ってか、まるで一兵卒のように軍の中へ入り込むようになった。時は秋の終わり、初雪の降る前に鴻基へ到着したいと、誰も彼も気が急いていた。通常の進軍よりも速度を上げて、街道を踏破してゆく。肋の浮いた体格の良くない犬だから、途中で脱落するに違いない。そう思っていたが不思議と持ち堪えて、その犬はとうとう鴻基までついて来てしまった。今更何処へなりと行けと放したところで、絶対に纏わりついて来る。そのことは指揮官から兵卒まで、江州から戻った右軍の全員が理解していた。
hoshinami629
MOURNINGこの後、珠晶と利広が会って久しぶりに色々話す予定だったのだけど、珠晶が利広に改めて話したくなるような事が余り思いつかず没になった。 新春、紅梅の匂い立つ、満月の夜だった。即位百年を記念した行事も今日で一段落して、珠晶は肩に掛かる重たい荷物を、漸く一つ降ろした様な心持ちだった。大体、自分が祝われる為に何故こうも様々なことの采配をしなくてはならないのか。記念として下賜する品の決定から、どの使節を掌客殿のどの房室に通すかまで、全ての最終決定権は珠晶にある。確かに客人の序列や記念の品々に関しては、多くの利権と思惑の絡む処だから、誰とも知らぬ官に勝手に決められてしまっては困る。とはいえ、これでは自分が自分を祝って居る様なもので、主賓と供応役を一遍に担っているのと同じこと。嬉しさよりも多忙への恨みに心が傾いていた。みんな忙しいのが嫌なのに、他人を平気で忙しくさせるのね、と百年前と全く変わらない、筋の通った我儘が首を擡げる。
1370hoshinami629
MOURNING「視爾夢夢」からカットした部分②。パワーランチの部分の直前にこれが入る筈でしたが、①をカットした関係でここも没に。視爾夢夢没供養② そうだ、と何かを思い出した様に後方の耶利の方を振り返る。
「どうかしたか?」
「先程、英章の処で似た話をしましたので、それを思い出して。耶利を驍宗様の軍へ組み入れるという話があったかと思うのですが、少々事情が変わりまして」
今一つ話の全容を摑めずにいる驍宗に、掻い摘まんで事の次第を説明すれば、ああ、と言って泰麒の主は破顔して見せる。
「――面白い事を考えたな。回生については英章もかなり心配していたのだ。一度は私に相談しに来た事もあった。耶利の提案で、あれもほっとしているのではないか」
泰麒は驍宗の言葉に、そうでしたか、と得心がいった風に答える。
「英章の軍に二人を組み込む形で宜しいですか? 英章から手勢を割いて主上の軍を編成する可能性もあるかと思いますし、そちらに二人を入れるのでも良さそうですが」
3716「どうかしたか?」
「先程、英章の処で似た話をしましたので、それを思い出して。耶利を驍宗様の軍へ組み入れるという話があったかと思うのですが、少々事情が変わりまして」
今一つ話の全容を摑めずにいる驍宗に、掻い摘まんで事の次第を説明すれば、ああ、と言って泰麒の主は破顔して見せる。
「――面白い事を考えたな。回生については英章もかなり心配していたのだ。一度は私に相談しに来た事もあった。耶利の提案で、あれもほっとしているのではないか」
泰麒は驍宗の言葉に、そうでしたか、と得心がいった風に答える。
「英章の軍に二人を組み込む形で宜しいですか? 英章から手勢を割いて主上の軍を編成する可能性もあるかと思いますし、そちらに二人を入れるのでも良さそうですが」
hoshinami629
MOURNING支部にある「視爾夢夢」からカットしたもの。サンプルにはこの部分も載っていた気がする。結局、李斎や回生、耶利のことを追い切れないと思ってカットしてしまいましたが、何か勿体なかった気もする。でも、李斎のこれからについて考えるには、阿選を討つよりももっと時間が必要な気がして……。視爾夢夢没供養①「李斎」
朝堂を出た処で、後ろから声が掛かる。振り返れば、其処にいたのは先程壇上に座していた李斎の主公だった。先程の視線の意味を思い出しかけたところで、機先を制する形で驍宗が言葉を継ぐ。
「少し、話があるのだが。――この後の予定は?」
特に急用や面会の約束も無かった為、首を横に振る。参ります、と答えて踵を返す。驍宗が執務を行う書房へ歩を進めながら、李斎は用向きを半ば予想し、半ば摑めず、隣を歩く主を見た。
「主上、恐れながら……。先程の軍議については、お気を病まれませぬよう。私が鴻基攻略に当たれないのは、私も皆も承知の上ですし……」
驍宗はその言葉にすぐには答えず、相槌を一つ打って後は黙々と書房へ向かう。心配して下さっているのだろうか、と何となく思いながら、李斎も矢張り黙した儘、複雑な気持ちで王に従った。
20686朝堂を出た処で、後ろから声が掛かる。振り返れば、其処にいたのは先程壇上に座していた李斎の主公だった。先程の視線の意味を思い出しかけたところで、機先を制する形で驍宗が言葉を継ぐ。
「少し、話があるのだが。――この後の予定は?」
特に急用や面会の約束も無かった為、首を横に振る。参ります、と答えて踵を返す。驍宗が執務を行う書房へ歩を進めながら、李斎は用向きを半ば予想し、半ば摑めず、隣を歩く主を見た。
「主上、恐れながら……。先程の軍議については、お気を病まれませぬよう。私が鴻基攻略に当たれないのは、私も皆も承知の上ですし……」
驍宗はその言葉にすぐには答えず、相槌を一つ打って後は黙々と書房へ向かう。心配して下さっているのだろうか、と何となく思いながら、李斎も矢張り黙した儘、複雑な気持ちで王に従った。
hoshinami629
MOURNING花影と李斎を書こうとしたけど、何かどう書いたら良いか分かんなくなって放置したもの。花影視点で李斎を思うと、辛さが溢れてしまう。花影と李斎 花影は夏の終わりが好きだった。より具体的に言うのなら、晩夏が好きだった。長雨の降る夏の初旬、北国にしては蒸し暑い中旬に比べ、戴の南部の夏の終わりはからっと明るく、涼しい海風が吹き抜ける。幼い頃から、この時期になると院子に卓を出し、風に吹かれながら勉強したものだった。
場所が雲海の上でも、事情はそう変わらない。江州城内に賜った官邸には、紫薇の古木が植わっていた。この木陰で午前中の執務を行うのが、近頃の花影の好きな過ごし方だった。
今日も何通か書類を認めては下官に渡してゆく。軍事優先の時期にあって、花影の様な文官が忙しいのは、自分でも意外だった。
——荒民の保護を行えないでしょうか。
李斎の朝議での発言を思い出す。これからの進軍について、策を持ち寄って話し合う場で良くもまあ、あの発言をした事だ。思い返して、花影は小さく笑う。
2047場所が雲海の上でも、事情はそう変わらない。江州城内に賜った官邸には、紫薇の古木が植わっていた。この木陰で午前中の執務を行うのが、近頃の花影の好きな過ごし方だった。
今日も何通か書類を認めては下官に渡してゆく。軍事優先の時期にあって、花影の様な文官が忙しいのは、自分でも意外だった。
——荒民の保護を行えないでしょうか。
李斎の朝議での発言を思い出す。これからの進軍について、策を持ち寄って話し合う場で良くもまあ、あの発言をした事だ。思い返して、花影は小さく笑う。
guchiko
DONEシブで連載(?)してたのをこっちで書こうと思います。でないと、私書かないと思ったので。
過去作品は、支部にいって読んでもらえればと思います。
シブ
https://www.pixiv.net/novel/series/338292
終焉の黄昏 黎明の暁 十六章十六章
それはある日の休みのことだった。
「惠、手紙を書こうと思うんだ。」
また、いつものように秘密の宮に、王様二人が籠って読書にふけっていると、陽子は読んでいた小説を閉じそう言った。惠は読んでいた漫画から目を離し、陽子に視線を向けた。
「誰宛に?」
「慶のみんなに。」
惠は何気なく陽子が読んでいた小説を目にして、なんとなく納得した。
「なるほど、感化されたのね。」
陽子が読んでいた小説は、兵士だった少女が代筆の職業に就いて、愛を知っていく物語だった。
陽子は恵の言葉に、フッと笑った。
「最後に一人、一人に残しておきたいんだ。」
「そう、なら。」
惠は陽子の言葉を聞いて立ち上がると、“渡したいものがある”と出て行ってしまった。それからしばらく経って、両手で抱えるほどの上質な木箱を持ってきた。そして、その箱を机の上に置く。
2560それはある日の休みのことだった。
「惠、手紙を書こうと思うんだ。」
また、いつものように秘密の宮に、王様二人が籠って読書にふけっていると、陽子は読んでいた小説を閉じそう言った。惠は読んでいた漫画から目を離し、陽子に視線を向けた。
「誰宛に?」
「慶のみんなに。」
惠は何気なく陽子が読んでいた小説を目にして、なんとなく納得した。
「なるほど、感化されたのね。」
陽子が読んでいた小説は、兵士だった少女が代筆の職業に就いて、愛を知っていく物語だった。
陽子は恵の言葉に、フッと笑った。
「最後に一人、一人に残しておきたいんだ。」
「そう、なら。」
惠は陽子の言葉を聞いて立ち上がると、“渡したいものがある”と出て行ってしまった。それからしばらく経って、両手で抱えるほどの上質な木箱を持ってきた。そして、その箱を机の上に置く。