haru0551
PROGRESS続きです。やっと銀八出てきます😭
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商標登録してあるみたいなので、題名を『オセロゲーム』に変えました。
まあ、あまり関係ないとはおもうけど気持ち的に。また変えるかも。
オセロゲーム⑦ 観たい映画はないかと聞くと、鉄子は少し考えて怪獣映画の題名を上げた。昔の怪獣映画のリメイクで、土方も子供の頃、義兄に連れて行ってもらった思い出がある。自分も観てみたいと思っていたことを伝えると、鉄子は照れたように、でもどこか嬉しそうに笑った。正直、恋愛映画を指定されたらどうしようかとも思っていたからほっとする。
映画館は大学から少し離れた繁華街の商業ビルに併設する。バスを降りると、大通りを挟んで向こう側に商業ビルが聳えて見えた。通りに沿って、公開中の映画のパネルが並んでいる。
「この映画はVFXの技術がすごくて…」
「ぶ、ブイエフ…、なんだ?」
鉄子は映像技術にも興味があるらしく説明してくれたが、土方はその手には疎く、話を広げられず「そ、そうか」と相槌をうつだけで終わった。鉄子もそんな対応はしょっ中あるのか、あまり気にしていない様子で、
4300映画館は大学から少し離れた繁華街の商業ビルに併設する。バスを降りると、大通りを挟んで向こう側に商業ビルが聳えて見えた。通りに沿って、公開中の映画のパネルが並んでいる。
「この映画はVFXの技術がすごくて…」
「ぶ、ブイエフ…、なんだ?」
鉄子は映像技術にも興味があるらしく説明してくれたが、土方はその手には疎く、話を広げられず「そ、そうか」と相槌をうつだけで終わった。鉄子もそんな対応はしょっ中あるのか、あまり気にしていない様子で、
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PROGRESSオセロ続きです。理由があって、ヒジカタくんと鉄子が映画に行くことに…。
苦手な方は回避してください。
※捏造世界での土銀八ですので、何でも許せる方のみお願いします💦
オセロゲーム⑥ 土方の提案は、一度だけ二人で映画に行って鉄子の口から村田に『思っていたのと違った』と伝えて貰うというものだった。さすがにそこまでして違ったとなれば、村田もこれ以上の世話を焼いてはこないだろう。
「正直、あんたが村田先輩を説得できるとは思えないからな」
少々、辛辣かもしれないが、土方は正直な気持ちを口にした。鉄子も同じことを思っていたのか、少し考えている様子だったが、土方の提案に頷いた。
ならばと詳しい打ち合わせをするためにラインを交換し、鉄子とはその日は別れた。
次の日、村田に鉄子と映画に行ってみる事を伝えた。やはり妹のことが大事なのか、「そうかっ!」と村田は嬉しそうに叫んだ。土方は少し良心が痛むが、それよりも早くこの件を解決して、またいつもの心穏やかな日々を取り戻したいという気持ちの方が優位だった。土方は心の中ですまねえと頭を下げながら、「ただ、どうなるかは分からねぇ。それまでは他言無用でお願いしたい」と肝心なことを村田に約束させる。
3143「正直、あんたが村田先輩を説得できるとは思えないからな」
少々、辛辣かもしれないが、土方は正直な気持ちを口にした。鉄子も同じことを思っていたのか、少し考えている様子だったが、土方の提案に頷いた。
ならばと詳しい打ち合わせをするためにラインを交換し、鉄子とはその日は別れた。
次の日、村田に鉄子と映画に行ってみる事を伝えた。やはり妹のことが大事なのか、「そうかっ!」と村田は嬉しそうに叫んだ。土方は少し良心が痛むが、それよりも早くこの件を解決して、またいつもの心穏やかな日々を取り戻したいという気持ちの方が優位だった。土方は心の中ですまねえと頭を下げながら、「ただ、どうなるかは分からねぇ。それまでは他言無用でお願いしたい」と肝心なことを村田に約束させる。
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PROGRESSオセロ続きです。なぜか村田兄妹でてきます。
しかも村田兄が土方に鉄子を勧めてきます💦
苦手な方はどうかスルーして下さい。
※一応3Zで土銀八ですが、風紀の3人と鉄男が同じ大学に通っているというオリジナル設定です。何でも許せる方のみお願いします。
オセロゲーム⑤ その日は部活の稽古が終わったあと、土方は独り残って道場を片付けていた。格子状の窓からは、鈍いオレンジ色の光が差し、道場に長い影をつくっている。昼間は初夏の陽気だが、陽が傾くと涼しい風が吹いた。稽古の後の汗ばんだ身体には、これくらいの風の方が心地良い。
そろそろ帰るかと入り口の方へと振り返ると、すぐ目の前を人影が遮った。扉の向こうから西陽が差し込み、逆光になって顔は見えなかったが声ですぐに誰か分かった。
「遅くまでご苦労!土方殿ッ」
後ろに立っていてのは4年生の先輩、村田鉄男だった。4年生と言っても2年留年しているらしい。留年の理由は、家業の武具屋の手伝いに身を入れすぎたからだと聞いた。そのせいで勘当寸前だとも。剣道部でよく利用する武具屋だが、土方は村田とはあまり話をしたことはなかった。
2809そろそろ帰るかと入り口の方へと振り返ると、すぐ目の前を人影が遮った。扉の向こうから西陽が差し込み、逆光になって顔は見えなかったが声ですぐに誰か分かった。
「遅くまでご苦労!土方殿ッ」
後ろに立っていてのは4年生の先輩、村田鉄男だった。4年生と言っても2年留年しているらしい。留年の理由は、家業の武具屋の手伝いに身を入れすぎたからだと聞いた。そのせいで勘当寸前だとも。剣道部でよく利用する武具屋だが、土方は村田とはあまり話をしたことはなかった。
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PROGRESSオセロの続きですヒジカタくん大学生活編に
オセロゲーム④ 銀魂高校を卒業して、近藤と一緒に地元の大学へ進学して、二年目の春を迎えた。銀八に振られた後の記憶は曖昧だ。さすがに数日は外にも出ず、部屋に籠りっぱなしだったから、義兄を随分心配させた。だが、人として学生として、生活が大きく切り替わる節目の時節に、ゆっくりと落ち込んでいる暇は与えてもらえない。
入学の準備に加え、春休みの間に自動車免許を取得すると義兄との約束もあった。忙しさに流されながら新生活がスタートし、いつの間にか日々は過ぎていった。
近藤が剣道部に入部するというから、一緒に入った。1年間浪人していた沖田も同じ大学に入ってくると、当然とばかりに剣道部に所属する。結局、高校時代と変わらず、3人で一緒にいることが多かった。
791入学の準備に加え、春休みの間に自動車免許を取得すると義兄との約束もあった。忙しさに流されながら新生活がスタートし、いつの間にか日々は過ぎていった。
近藤が剣道部に入部するというから、一緒に入った。1年間浪人していた沖田も同じ大学に入ってくると、当然とばかりに剣道部に所属する。結局、高校時代と変わらず、3人で一緒にいることが多かった。
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PROGRESS続き③ 一応続きます。オセロゲーム③ この時期にしては少し汗ばむ陽気で、朝の天気予報でも4月のあたたかさと言っていた。やわらかな陽射しが、まるで祝福するように生徒らを照らしている。昼下がりの銀魂高校。今日は卒業式で、校舎脇には胸元に淡い黄色のローズコサージュを携えた生徒らが溢れているた。下級生から花束を渡される者、目元をハンカチで押さえ別れを惜しむ者、友人らと肩を叩き合って笑っている者。式典を終えた生徒らは、各々、最後の学校生活を名残り惜しんでいる。
そんな中、土方は国語準備室へと廊下を急いでいた。今日は、銀八へ最後の告白をするつもりだ。
約束はしていないが、土方には、銀八が準備室で待っているという確信めいたものがある。宣言した日から今日まで、土方が自ら準備室へ行く事はなかった。銀八も特に接し方が変わる事はなく、ただ用事を頼まれる時は必ず職員室で、というのが徹底された。
1359そんな中、土方は国語準備室へと廊下を急いでいた。今日は、銀八へ最後の告白をするつもりだ。
約束はしていないが、土方には、銀八が準備室で待っているという確信めいたものがある。宣言した日から今日まで、土方が自ら準備室へ行く事はなかった。銀八も特に接し方が変わる事はなく、ただ用事を頼まれる時は必ず職員室で、というのが徹底された。
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PROGRESS続き② 銀八視点ですオセロゲーム②「好きだ。銀八」
突然の土方からの告白に、ホッチキスを動かしていた銀八の手がピタリと止まる。
夏休みが終わり学校もようやく平常に戻ってきたかなといった頃、銀八はエアコンの効いた国語準備室で、土方と2人で明日の職員会議用の資料をせっせと作っていた。
二学期にもなると、進学する生徒にとって『受験』の二文字がいよいよ現実味を帯びてくる。クラスの雰囲気もピリピリと緊張感に溢れ、その担任ともなれば、ナーバスになっている生徒がいないかなど、いつもよりも余計に神経をすり減らす事になる。
会議の資料作りは確かに教師の持ち回りだが、せめて三年生を担当している教師は、任を免除すべきではないか!と銀八は校長に直談判した。だが、ハタ校長からは「なに言ってんの。あのクラスにそんな心配いる?」と一瞥された。
5376突然の土方からの告白に、ホッチキスを動かしていた銀八の手がピタリと止まる。
夏休みが終わり学校もようやく平常に戻ってきたかなといった頃、銀八はエアコンの効いた国語準備室で、土方と2人で明日の職員会議用の資料をせっせと作っていた。
二学期にもなると、進学する生徒にとって『受験』の二文字がいよいよ現実味を帯びてくる。クラスの雰囲気もピリピリと緊張感に溢れ、その担任ともなれば、ナーバスになっている生徒がいないかなど、いつもよりも余計に神経をすり減らす事になる。
会議の資料作りは確かに教師の持ち回りだが、せめて三年生を担当している教師は、任を免除すべきではないか!と銀八は校長に直談判した。だが、ハタ校長からは「なに言ってんの。あのクラスにそんな心配いる?」と一瞥された。
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DOODLE土銀八ですちまちま書いてるのを尻叩きのために上げていきます
オセロゲーム① 高校生だった3年間、恋をしていた。相手は高校の教師で担任。思春期真っ只中の、人生の右も左も分からない青二才のマセガキが、手近な大人への憧れを恋と思い込んだだけなのかもしれない。
だが、相手は男でしかも無気力の塊のような教師で。何がいいのかと何度も自分に自問自答した。死んだ魚のような目、覇気のない表情、スリッパをいつも引きずるようにペタペタと音をたて歩いていた。風紀委員の俺からしたら、物申したい事だらけだった。さすがに教師に対して、正面切っては言う事はなかったが。
およそ“憧れ”とは遠いの存在なのに、ほとんど一目惚れだった。
初めて銀八を見たのは入学式の日。ステージの前に一列に並んでいた教師の中で、若いくせに白髪頭で一際目立っていた。校長の長い式辞に、まだ終わらないのかと噛み殺すように欠伸をしていた銀八の頭上を、窓から差し込む陽の光がスポットライトのように照らしていた。銀色の髪が、キラキラと光を反射して、綺麗だなと思ったのを覚えている。
2918だが、相手は男でしかも無気力の塊のような教師で。何がいいのかと何度も自分に自問自答した。死んだ魚のような目、覇気のない表情、スリッパをいつも引きずるようにペタペタと音をたて歩いていた。風紀委員の俺からしたら、物申したい事だらけだった。さすがに教師に対して、正面切っては言う事はなかったが。
およそ“憧れ”とは遠いの存在なのに、ほとんど一目惚れだった。
初めて銀八を見たのは入学式の日。ステージの前に一列に並んでいた教師の中で、若いくせに白髪頭で一際目立っていた。校長の長い式辞に、まだ終わらないのかと噛み殺すように欠伸をしていた銀八の頭上を、窓から差し込む陽の光がスポットライトのように照らしていた。銀色の髪が、キラキラと光を反射して、綺麗だなと思ったのを覚えている。
ヨルノ
PAST土銀八。クリスマス前のお話し。
過去、書いたものの羞恥に耐えきれず30分で下げた幻のSSです。ワンライさんのお題「イルミネーション」をお借りしてます。
ワンライのつもりで書きはじめたけどワンデイかかったSS。
イルミネーション 部活終わりの帰り道。
俺と総悟の前にズイとスマホが突き出された。
「なぁ!今からここ行こうぜ」
近藤さんの提案はいつも突然だ。
画面には近くの並木道までのマップが表示されていて、今話題になっているデートスポットだということは、そういう情報に疎い俺でもわかった。
なんでも、木々が彩られ輝くのではなく足元が光るというちょっと珍しいイルミネーションらしい。
「……男3人で、ここにか」
「もうすぐクリスマスじゃん?お妙さんとのクリスマスデート、絶対に失敗したくないじゃん?」
「近藤さん、今日の昼休みその女にぶん殴られてやせんでした?」
*
なんやかんやと言いながら、
たどり着いた並木道には思っているより人がいた。
2285俺と総悟の前にズイとスマホが突き出された。
「なぁ!今からここ行こうぜ」
近藤さんの提案はいつも突然だ。
画面には近くの並木道までのマップが表示されていて、今話題になっているデートスポットだということは、そういう情報に疎い俺でもわかった。
なんでも、木々が彩られ輝くのではなく足元が光るというちょっと珍しいイルミネーションらしい。
「……男3人で、ここにか」
「もうすぐクリスマスじゃん?お妙さんとのクリスマスデート、絶対に失敗したくないじゃん?」
「近藤さん、今日の昼休みその女にぶん殴られてやせんでした?」
*
なんやかんやと言いながら、
たどり着いた並木道には思っているより人がいた。