bksinto
DONE前作の続き。と言うか岩融視点。惚気る時は正々堂々真正面からな岩膝。
しれっとにゃんちょぎが混ざってます。
前回→https://poipiku.com/IllustViewPcV.jsp?ID=109274&TD=3462205 ――畑へと向かう道すがらの事だった。
「――岩融さんは”美人は三日で飽きる”って言葉があるの知ってます?」
「……む?」
胸元へ大小幾つもの笊を抱えて、朗らかな調子で鯰尾が言う。
彼の目線の先――かなり高い位置で、岩融は軽く眉を顰めた。
「……いや。耳馴染みは、無いが」
「ですよね。いや昨日、みんなで大河の再放送見てたらそんな台詞が出てきたので」
週の半ば、昼下がり――本日の務めは夕餉に用いる食材の収穫で、共に畑へと向かう途中。ほら、と鯰尾は自身を指さし、小さく首を傾けて見せた。
「俺達って、みんな綺麗に作られてるじゃないですか?」
「まあ……そうだな」
「ここで初めて顔を合わせたって相手も多いけど、付き合いの長い相手ってそれこそ数百年単位の付き合いだったりするから――飽きると言うか見慣れる、ってのは分かる気がして」
「ああ……それは、確かに」
「……で、それとはまた別に、岩融さんには関係なさそうだなーって、思いまして」
「ん?」
「確か――膝丸さんとのなれそめって岩融さんの一目惚れだったんでしょ?」
「……有り体に言えばな」
上目遣いに言われ、岩融は微苦笑を返す。――自分達 2542