かも@ねふぁ
DONE*いていな展示*「隣にいてもいなくても」、開催おめでとうございます。
あまりに素敵なイベント名に触発されて、ネロとファウストが「隣にいない」話を書きました。ネロが死ぬ描写があります。また、原作よりかなり疎遠なので注意です(ゲーム内の彼らが私の想定を上回る速度で仲良くなってしまった)。
なにか、忘れている。
「ネロ、ネロ!」
ああ、そんなに呼ばなくても聞こえているよ。リケの声だ。出会った頃より、一段低まった声で、俺を呼んでいる。泣いているのか?誰がおまえを泣かせたんだ。おまえを泣かせる奴には、たとえおっかねえ北の魔法使いだろうと誰だろうと、一言言ってやらなければ気が済まない。
頬に水が落ちてきて、閉じていた目を薄く開いた。やっぱりリケが泣いている。隣にはミチルの姿があった。リケを見守るようにしながら、こちらを気遣わしげに伺っている。
「ああ、ネロっ……」
よかった、よかったとリケが繰り返す。リケの両手に包まれた左手があたたかい。そんなリケに、ミチルはやさしく、しかしはっきりと告げる。
6709「ネロ、ネロ!」
ああ、そんなに呼ばなくても聞こえているよ。リケの声だ。出会った頃より、一段低まった声で、俺を呼んでいる。泣いているのか?誰がおまえを泣かせたんだ。おまえを泣かせる奴には、たとえおっかねえ北の魔法使いだろうと誰だろうと、一言言ってやらなければ気が済まない。
頬に水が落ちてきて、閉じていた目を薄く開いた。やっぱりリケが泣いている。隣にはミチルの姿があった。リケを見守るようにしながら、こちらを気遣わしげに伺っている。
「ああ、ネロっ……」
よかった、よかったとリケが繰り返す。リケの両手に包まれた左手があたたかい。そんなリケに、ミチルはやさしく、しかしはっきりと告げる。