claclaclalan
DONEツイッターにてアンケート協力頂いたお話「相手の長所十個言わないと出られない部屋」
甘凌(ほぼ+)
相手の長所十個言わないと出られない部屋 目を覚ますとそこは異界でした。
「じゃ、ねぇんだっつの! ああ、もう!」
長身の男は声を荒げながらもう一度戸を蹴った。紅色の鉄扉はびくともせず沈黙を貫いていた。
甘寧と凌統は覚えのない一室にいた。物がなく、狭い部屋は二人が寝転べば満員となるような空間だ。まずそんな状況で目を覚ました凌統がひと騒ぎし、甘寧も意識を取り戻した。どこだここという疑問を一通りぶつけ合い、とにかくぶっ壊すという提案も一通り試した。体力のある凌統が息切れするほど、扉や壁や天井、床に向かって攻撃してみたが、どれも体を痛めるだけであった。
早々と物理攻撃が効かないことに気付いた甘寧は、嘆いて苛立つ男を置いて壁を見渡していくことにした。冷たい石壁を眺めていくうちに、一ヶ所だけ変色しているのを発見した。
4786「じゃ、ねぇんだっつの! ああ、もう!」
長身の男は声を荒げながらもう一度戸を蹴った。紅色の鉄扉はびくともせず沈黙を貫いていた。
甘寧と凌統は覚えのない一室にいた。物がなく、狭い部屋は二人が寝転べば満員となるような空間だ。まずそんな状況で目を覚ました凌統がひと騒ぎし、甘寧も意識を取り戻した。どこだここという疑問を一通りぶつけ合い、とにかくぶっ壊すという提案も一通り試した。体力のある凌統が息切れするほど、扉や壁や天井、床に向かって攻撃してみたが、どれも体を痛めるだけであった。
早々と物理攻撃が効かないことに気付いた甘寧は、嘆いて苛立つ男を置いて壁を見渡していくことにした。冷たい石壁を眺めていくうちに、一ヶ所だけ変色しているのを発見した。
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DONE2023.5 スパコミ内超気焔万丈で無料配布していた甘凌。アプリの某記憶が元の話です。カシラの拠り所 逃げ出した宴会場に戻る羽目になったのは、夜も更けて虫の声以外黙る刻だった。眉をひそめた男が訪ねて頭を垂れるのだ。曰く、カシラを連れ帰ってほしい、と。酒のせいで頭が痛み、やっと休める頃にそう宣った甘寧の部下を無遠慮に睨み付けた。顔を青くしながらも奴は怯まず、お願いいたします、と静かに告げた。
こいつは錦帆賊からの手下らしい。度胸があるのも頷ける。訪問内容や時間には大いに不満があるものの、この男の態度は気に入った。苛立ちは全部あいつにぶつけてやろう。
外套を羽織って並んで歩く。隣の男は疲れた表情を見せつつ、しっかりとした足取りで見知った城の宴会場へ誘導した。こいつもそれなりに飲まされたであろうに、飲んだくれの右腕ってのも大変だな。そう思うと同情心からお喋りでもしてやりたくなった。
4491こいつは錦帆賊からの手下らしい。度胸があるのも頷ける。訪問内容や時間には大いに不満があるものの、この男の態度は気に入った。苛立ちは全部あいつにぶつけてやろう。
外套を羽織って並んで歩く。隣の男は疲れた表情を見せつつ、しっかりとした足取りで見知った城の宴会場へ誘導した。こいつもそれなりに飲まされたであろうに、飲んだくれの右腕ってのも大変だな。そう思うと同情心からお喋りでもしてやりたくなった。
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TRAINING甘凌他視点の練習がてらまた妙ちき現パロです
女体化ものです
色んな漫画の設定等を拝借しています
以上ご注意ください。
踊りませんか? 甘寧と凌統は、競技ダンス界で名の知れたカップルである。
筋骨隆々の体がその図体からは想像もできないほどしなやかに動き、巧みに女の体を操る。熱気をはらんだ瞳はぎょろぎょろと正確に周囲を捉えて両足をフロア全体へ進ませた。その瞳に射止められた他の競技者は、接触を寸でのところで避けるほかない。俯瞰の目を持つ甘寧から言わせれば絶対にぶつからないように距離を測っていると言うが、その獅子の如き気迫は人を委縮させ、審査員に失意のため息をつかせる無様な逃亡を誘う。
熱く燃えるような逞しい腕の中で、涼しい目をした女がたおやかな身のこなしで音の波に乗るように踊る。正確にリズムを刻みながら手足だけでなく、視線や吐息までを使って曲を表現する彼女を見て、審査員のほとんどは無意識に手元の用紙にチェックを付けた。美脚を隠した深紅のドレスが会場を動くたびに、観客は感嘆の息を吐く。長い脚が挙がれば他組など目に入らなくなり、甘寧がその長身を軽やかにリフトすれば直ちに拍手喝采が沸き起こった。
3736筋骨隆々の体がその図体からは想像もできないほどしなやかに動き、巧みに女の体を操る。熱気をはらんだ瞳はぎょろぎょろと正確に周囲を捉えて両足をフロア全体へ進ませた。その瞳に射止められた他の競技者は、接触を寸でのところで避けるほかない。俯瞰の目を持つ甘寧から言わせれば絶対にぶつからないように距離を測っていると言うが、その獅子の如き気迫は人を委縮させ、審査員に失意のため息をつかせる無様な逃亡を誘う。
熱く燃えるような逞しい腕の中で、涼しい目をした女がたおやかな身のこなしで音の波に乗るように踊る。正確にリズムを刻みながら手足だけでなく、視線や吐息までを使って曲を表現する彼女を見て、審査員のほとんどは無意識に手元の用紙にチェックを付けた。美脚を隠した深紅のドレスが会場を動くたびに、観客は感嘆の息を吐く。長い脚が挙がれば他組など目に入らなくなり、甘寧がその長身を軽やかにリフトすれば直ちに拍手喝采が沸き起こった。