hirameria1997
DONEおぬすワンダーランド観光課ではたらくぬすじとぬすまるの話。まだ恋は生まれていないですが、ぬすまる×ぬすじです。ワンダーランドの過去に触れています。ワンダーランド観光課のぬすじ、仕事におわれる ぬすたちが自由と誇りを持って暮らす国、ワンダーランド。近年人間界との交流も積極的に行い、今沸々と人気が高まっている観光地のひとつ。その観光地化を中心となって進めているのが、ワンダーランドの魅力がぎゅっと詰まった地域”自然保護区”に拠点を置く、ワンダーランド観光課——
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ああ、もうこんな時間……
目の前に立つパソコンのモニター。その右上の時刻表示が目に入って、ぬすじはほよんとした腕をぐっと後ろにやると、かたまったからだを伸ばした。
15時。おやつの時間……なんて、そんなものが明確に定められている訳ではないが、「ゆっくりのんびり」を国を挙げてのスローガンに掲げている通り、休憩と休暇はしっかり取る。ぬすの本質である「ぽてぽて精神」を尊重するようにと、ワンダーランドに籍を置く職場ではどこでも共通して定められていた。
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ああ、もうこんな時間……
目の前に立つパソコンのモニター。その右上の時刻表示が目に入って、ぬすじはほよんとした腕をぐっと後ろにやると、かたまったからだを伸ばした。
15時。おやつの時間……なんて、そんなものが明確に定められている訳ではないが、「ゆっくりのんびり」を国を挙げてのスローガンに掲げている通り、休憩と休暇はしっかり取る。ぬすの本質である「ぽてぽて精神」を尊重するようにと、ワンダーランドに籍を置く職場ではどこでも共通して定められていた。
alialialice214
DOODLE7/16のロキドラにてプッコさん(@pucco_103)のスペースに置かせていただいた無配です!お粗末様でした!
蘭嶺初心者のはじめての蘭嶺なので優しくしてください。 4
hirameria1997
DONEお題箱より「蘭嶺とぬすが夏の避暑地で一泊2日のキャンプをするお話」。同棲蘭嶺とぬす蘭嶺の夏!!カワイイお題をありがとうございました❣️都会で暮らすぬす、キャンプにいく「グランピング!グランピング!」
軽快に弾む2色の声。先日放送された後輩たちの軽井沢旅行。その様子を見てからというもの、ぬすたちのテンションは上がりっぱなしだ。
「グランピング!グランピング!」
新しい言葉を覚えたことがとても嬉しいのか、ほよんとした手をパタパタとさせた、小さなからだが飛び跳ねている。
東京から高速を飛ばして2時間とちょっと。関東近郊のとあるキャンプ場に、ぼくたちはオフを利用して遊びに来ている。
後輩達の軽井沢旅が放送された直後から、一躍時のワードとなった“グランピング”施設。一緒に観ていたぬすたちが通常でも大きな目をいつも以上に大きくさせて、食い入るように画面を見つめていたのが印象的だった。まさに興味津々といった様子。そんな姿を見せられてしまったら、もう——連れて行くより他はない!!
8030軽快に弾む2色の声。先日放送された後輩たちの軽井沢旅行。その様子を見てからというもの、ぬすたちのテンションは上がりっぱなしだ。
「グランピング!グランピング!」
新しい言葉を覚えたことがとても嬉しいのか、ほよんとした手をパタパタとさせた、小さなからだが飛び跳ねている。
東京から高速を飛ばして2時間とちょっと。関東近郊のとあるキャンプ場に、ぼくたちはオフを利用して遊びに来ている。
後輩達の軽井沢旅が放送された直後から、一躍時のワードとなった“グランピング”施設。一緒に観ていたぬすたちが通常でも大きな目をいつも以上に大きくさせて、食い入るように画面を見つめていたのが印象的だった。まさに興味津々といった様子。そんな姿を見せられてしまったら、もう——連れて行くより他はない!!
other8e
DOODLEやまなしおちなしいみなし今日の夜の出来事23時も過ぎた頃、寝る支度を済ませたところでスマホがテーブルの上でかたかたと震えた。表示された名前を見て通話に切り替える。
「ランランいま部屋?」
少し舌っ足らずな嶺二の声がスマホ越しに聞こえる。珍しく少し酔った様子だ。
「ああ」
「よかったあ。いまからそっち行ってもいい?」
「今から?」
「そー。いまから。飲み足りないんだよねぇ」
「一緒に飲んでたやつに言えよ」
「おとやん明日早いからって帰っちゃったんだもん」
音也と飲んでたのか。あいつは案外あっさりしてるから嶺二の誘いも受け流してとっとと帰ったのだろう。この様子じゃうざい絡み方をしてた可能性もある。
「おまえも帰ればいいじゃねえか」
「無理だよ。もう来ちゃったし」
1312「ランランいま部屋?」
少し舌っ足らずな嶺二の声がスマホ越しに聞こえる。珍しく少し酔った様子だ。
「ああ」
「よかったあ。いまからそっち行ってもいい?」
「今から?」
「そー。いまから。飲み足りないんだよねぇ」
「一緒に飲んでたやつに言えよ」
「おとやん明日早いからって帰っちゃったんだもん」
音也と飲んでたのか。あいつは案外あっさりしてるから嶺二の誘いも受け流してとっとと帰ったのだろう。この様子じゃうざい絡み方をしてた可能性もある。
「おまえも帰ればいいじゃねえか」
「無理だよ。もう来ちゃったし」
hirameria1997
DONEワンダーランドの海で暮らすマーメイドぬすじと、売れないベーシストぬすまるの恋物語。****注意:悲恋です****2023年5月のプリコンにてマーメイドぬすじが本になります!!
こちらは収録される修正版です。他書き下ろしとして続編となる「マーメイドぬすじ・リターンズ」と「epillogue〜帰国の途中〜」が収録されます。全体の3/2程度が書き下ろしです。
マーメイドぬすじ『ワンダーランドの海には“上半身がぬす、下半身が魚"の未知なる生物がいるという』
人魚——それは昔から言い伝えられてきた神秘的な存在。時を経ていつしか童話にもなった美しくも悲しいその物語は、長きに渡ってワンダーランドの子ぬすたちに広く親しまれています。
ぬすじはまさに現代に生きる「人(ぬす)魚」でした。上半身は普通のぬすと同じで下半身は魚。……とはいっても、魚の形状をしているだけで質感はぬすの肌と変わりません。フカフカとした感触もぬすそのもの。しかし性質だけは魚にかなり近く、水辺でないと生きてはいけないのです。
そんな特性からとても希少であり、普通のぬすとの交流はほぼない生活をしている「人魚」という種族。ぬすじ自身はというと陸の上の生活やそこで暮らす脚のあるぬすたちに興味はあるのですが、自分には縁のないものとして一線を引き、海の中でひっそりと暮らしていました。
19934人魚——それは昔から言い伝えられてきた神秘的な存在。時を経ていつしか童話にもなった美しくも悲しいその物語は、長きに渡ってワンダーランドの子ぬすたちに広く親しまれています。
ぬすじはまさに現代に生きる「人(ぬす)魚」でした。上半身は普通のぬすと同じで下半身は魚。……とはいっても、魚の形状をしているだけで質感はぬすの肌と変わりません。フカフカとした感触もぬすそのもの。しかし性質だけは魚にかなり近く、水辺でないと生きてはいけないのです。
そんな特性からとても希少であり、普通のぬすとの交流はほぼない生活をしている「人魚」という種族。ぬすじ自身はというと陸の上の生活やそこで暮らす脚のあるぬすたちに興味はあるのですが、自分には縁のないものとして一線を引き、海の中でひっそりと暮らしていました。
other8e
DOODLE寝起きばっかり書いてる気がする。嶺二はどうやってベッドから抜け出していたのかいつだっておれより先に起きて、身支度を済ませ朝飯の準備までしていた。このことはどこか胸のつかえになっていた。
それから互いにどちらかの部屋で朝を迎えることが増えたある朝、おれが先に目覚めた時にまだ隣で眠る嶺二の姿があった。感動より何より思わず呼吸を確認してしまった。それほどありえないことだったからだ。おれの手のひらが近付く感覚ですぐに嶺二は目を開けてしまったが、その日から嶺二がおれより遅く目覚めることが増えた。
ただ眠りが浅くておれが起きればすぐに嶺二も目を覚ましたから、結局嶺二を起こさずにいるのは難しかった。
「まだ寝てろ」
「うん」
「飯できたら起こしてやるから」
1428それから互いにどちらかの部屋で朝を迎えることが増えたある朝、おれが先に目覚めた時にまだ隣で眠る嶺二の姿があった。感動より何より思わず呼吸を確認してしまった。それほどありえないことだったからだ。おれの手のひらが近付く感覚ですぐに嶺二は目を開けてしまったが、その日から嶺二がおれより遅く目覚めることが増えた。
ただ眠りが浅くておれが起きればすぐに嶺二も目を覚ましたから、結局嶺二を起こさずにいるのは難しかった。
「まだ寝てろ」
「うん」
「飯できたら起こしてやるから」
hirameria1997
DONEクリスマスを過ごす同棲蘭嶺とぬす蘭嶺。クリスマスのぬすと蘭嶺 男の二人暮らしでツリーっていうのもね。
そんな風に直接言葉にしたことはなかったけれど、お互いもういい年齢だし、なんとなく気恥ずかしくもあって、同棲を開始して以来クリスマスの飾り付けにはノータッチだった。キャンドルだったりオーナメントだったり、かわいいインテリアの類は嫌いではない。季節のイベントごとも好きな方ではあるけれども、日本では恋人同士のイベント色の強いクリスマスを、より強調するような演出をすることに照れがあったのかもしれない。リアルに「恋人」として日常を過ごす部屋だからこそ。
そんな感じでささやかに過ごしていたクリスマスシーズンは、彼らの登場で転機を迎えることとなる。
『ぬす』と名乗る自分たちによく似たぬいぐるみ。驚くことに、彼らは動くし人間と同じ言葉を喋る。ぬすと人間の不思議な四人暮らしが始まったのは、まだ寒い冬の頃だった。
6815そんな風に直接言葉にしたことはなかったけれど、お互いもういい年齢だし、なんとなく気恥ずかしくもあって、同棲を開始して以来クリスマスの飾り付けにはノータッチだった。キャンドルだったりオーナメントだったり、かわいいインテリアの類は嫌いではない。季節のイベントごとも好きな方ではあるけれども、日本では恋人同士のイベント色の強いクリスマスを、より強調するような演出をすることに照れがあったのかもしれない。リアルに「恋人」として日常を過ごす部屋だからこそ。
そんな感じでささやかに過ごしていたクリスマスシーズンは、彼らの登場で転機を迎えることとなる。
『ぬす』と名乗る自分たちによく似たぬいぐるみ。驚くことに、彼らは動くし人間と同じ言葉を喋る。ぬすと人間の不思議な四人暮らしが始まったのは、まだ寒い冬の頃だった。
other8e
DOODLEらんれ。Twitter(https://twitter.com/8e1e/status/1451903445162618890?t=xZNvRhXM98oxV3YeFtORTA&s=19)で呟いてたやつの続きother8e
MOURNINGこれ(https://poipiku.com/9653/4684538.html)が前提。死ネタを書いたら自分へのダメージが大きかったので自分用救済らんれ
ばっと飛び起きる。心臓がバクバクする。じわりと目元がにじむのが分かった。
真っ暗な部屋のなか、カチカチと秒針が時を刻む音だけがやたらと大きく響いている。
「どうしたの?」
隣から寝起きのためか掠れたいつもより少し低い嶺二の声。
「悪ぃ。起こしたか」
横を見れば暗闇の中でも心配そうにおれを見上げているのが分かった。
「ぼくよりランランは大丈夫?怖い夢でも見た?」
怖い夢。ああ、とても怖い夢だった。夢の内容を思い出すだけで体が震えそうになる。途方も無い喪失感はまるで現実に起こったかのようだ。
何も返事ができずにいるおれに、嶺二は布団から起き上がり、おれをその胸の中に抱き寄せた。
「もう怖くないよ。ぼくがそばにいるからね」
2296真っ暗な部屋のなか、カチカチと秒針が時を刻む音だけがやたらと大きく響いている。
「どうしたの?」
隣から寝起きのためか掠れたいつもより少し低い嶺二の声。
「悪ぃ。起こしたか」
横を見れば暗闇の中でも心配そうにおれを見上げているのが分かった。
「ぼくよりランランは大丈夫?怖い夢でも見た?」
怖い夢。ああ、とても怖い夢だった。夢の内容を思い出すだけで体が震えそうになる。途方も無い喪失感はまるで現実に起こったかのようだ。
何も返事ができずにいるおれに、嶺二は布団から起き上がり、おれをその胸の中に抱き寄せた。
「もう怖くないよ。ぼくがそばにいるからね」
other8e
DOODLEランランおたおめ2021。寝る前にしゃにらのれじのおたおメッセージを聞いたため、お肉楽しみと誕生日が嫌な融合を果たしてしまった夢をみて何ともいえない気持ちになってるらんらです。????
dyan1329
MEMO・診断で出たぬすじにオムライスを作ってあげている蘭丸です!(内緒の夜食)・その後に、結局嶺二とぬすまるに見つかってしまう蘭丸です(約束)
(ぬスじが寝る前に蘭丸の作ったオムライスを食べていいか聞いたところ、蘭丸の許可が出ました。
#shindanmaker
https://t.co/drOUiXv6sR) 3
other8e
MOURNING※なんでも許せる方向け秋の夜の夢 9月29日はおれの誕生日だ。
だからといって何かあるってわけじゃねえし、普段と変わらないと思っていたのが、いつからか祝われることも悪くねえと思えるようになった。
そして、今はまた別の理由で特別な日になった。
「ランラン、ぼくだよ。開けて」
29日もあと1時間ほどで終わる頃に聞こえる控えめなノック音と声。
扉を開けると、変わらぬ嶺二の姿がそこにある。
「入れよ」
そう言って迎え入れると、笑顔で「お邪魔しまーす」と中へ入り込む。
靴を脱いで玄関をあがると、おれを見上げてとびきりの笑顔を見せる。
「お誕生日おめでとう、ランラン」
雨に濡れた服から水が滴る。水滴はリビングまで点々と連なる。
用意していたバスタオルを嶺二に渡せば、素直に受け取り濡れた体を拭く。上着を脱がせて預かり、バスルームに干して換気扇を回す。
4814だからといって何かあるってわけじゃねえし、普段と変わらないと思っていたのが、いつからか祝われることも悪くねえと思えるようになった。
そして、今はまた別の理由で特別な日になった。
「ランラン、ぼくだよ。開けて」
29日もあと1時間ほどで終わる頃に聞こえる控えめなノック音と声。
扉を開けると、変わらぬ嶺二の姿がそこにある。
「入れよ」
そう言って迎え入れると、笑顔で「お邪魔しまーす」と中へ入り込む。
靴を脱いで玄関をあがると、おれを見上げてとびきりの笑顔を見せる。
「お誕生日おめでとう、ランラン」
雨に濡れた服から水が滴る。水滴はリビングまで点々と連なる。
用意していたバスタオルを嶺二に渡せば、素直に受け取り濡れた体を拭く。上着を脱がせて預かり、バスルームに干して換気扇を回す。
other8e
MOURNING両片想い時計が夜の9時をまわった頃、玄関の扉を遠慮がちに叩く音が聞こえた。その音で先日壊れたイン夕ーフォンをそのままにしていたことを蘭丸は思い出す。
ちょうど今はベースの練習もしておらず音の鳴る機器もつけてなかった。場合によっては居留守を使おうと動きを止め、外の物音に聞き耳を立てる。
アイドルという肩書きの身分としてはいささかセキュリティーに難のある部屋に住んでいるため、静かにしていると外の物音がよく聞こえるのだ。それはもちろん反対に外からも聞こえるということだ。身じろぎせずに外の気配を探っている間も、コンコンという音は少し間を開けながら続いている。そして周囲を気にしてトーンを下げているのか、かすかだが人の声も聞こえた。
こんな時間に誰だよと思うも、すぐにこんな時間にアポ無しで来る人物は一人しかいないと、蘭丸はソファから腰をあげ玄関へと向かう。
扉の前まで来ると先程よりははっきり聞こえる声に思い浮かべた通りの相手ががいることが分かった。蘭丸はこれから起こるだろう迷惑事に対する意趣返しだと、知らぬふりでドアの外に向けて声をかける。
「どちら様ですか」
「良かったランランいるんだね。ぼくだよ、ぼ 7567
other8e
MOURNING恋愛感情じゃないと思ってる嶺二。まえにTwitterにあげたような気もするけどみつからなかったのでこちらに。ランランと過ごす時間は心地良いし、楽しい気持ちになるから好きだ。それは恋愛感情とは別だったけど、ランランから告白された時に居心地の良さを取りOKした。好きって言葉は便利だ。LikeでもLoveでも使えるから。
「ぼくもランランのこと好きだよ」
まさかぼくからそんな答えが返ってくるとは思っていなかったようで一瞬目を見開いた後、ほっとしたような、嬉しそうな、泣きそうな顔は幸せそうな笑みへと変わった。ぎゅっと抱きしめられれば、触れ合う部分はとても熱くて、ランランの高揚が伝わってきてなんだかぼくまで嬉しくなってしまった。
こうしてぼくとランランのお付き合いが始まった。
付き合う前からランランが結構スキンシップは嫌いじゃないし優しい男だというのは知っていたけど、交際を始めてからはよりいっそうそれを知ることになった。
どちらかの部屋に遊びに行った時なんか、ソファじゃ隙間を空けずにぴたりとくっついて座ったり、たまに後ろから抱きかかえられることもあるし、膝の上に座らされたこともある。さすがに最後のはちょっと恥ずかしかったけど、ランランはとっても満足そうだった。
寝る時は隣でくっついて眠るし、いっ 2025
あまぐり
DONEAfter story/シャニライグリサミ(蘭嶺)
⚠️ドラマCD発売前に書いたものなので、
内容が公式と異なります。
Side Partnerの続きで致してるだけのふたり。
えろ度はゆるゆるです。 15
あまぐり
DONE追憶Side Master
Side Partner
/シャニライグリサミ(蘭嶺)
⚠️ドラマCD発売前に書いたものなので、
文化祭の内容が公式と異なります。
グリサミの学生時代〜シャニライ軸より後の話。 23
other8e
MOURNING幸せであれ※しじみ食べたことないので食感は検索してみたけど実際のところ知りません「嶺二」
ぼくの名前を呼ぶ声にゆっくり目を開けると、ベッドの端に腰をかけたランランの姿があった。
「おはよう、嶺二。やっと起きたな」
ランランはぼくの頬をそっと撫でてふわりと微笑む。少しくすぐったい。カーテンの隙間から射し込む陽の光が、ランランのまだセットしていないふわふわの髪の毛を明るく照らしてきらきらと輝いている。
「いまなんじ?」
身を起こしながら聞くと、7時だと教えてくれた。ちょうどいい時間だ。
体を起こしたものの疲労の残る体はまだ少しだるくて、ベッドの上でぼうっとしてしまう。ランランの小さく笑うような声が聞こえたかと思うと、ぎしりとベッドの軋む音と唇に優しく触れる感触。それにうっとりとする間もなくランランはぼくから離れて、物足りなさを感じて見上げるぼくの髪を大きな手でくしゃくしゃとかき乱した。
「ちょっとー!」
「目ぇ覚めただろ?朝飯作ってあるから早く顔洗ってこい」
「うん」
着替えは後回しにして、顔を洗って歯を磨いてリビングに向かうと、美味しそうな匂いがぼくを待っていた。
「わー!すっごい!和食だ…!」
テーブルには、お味噌汁に焼き鮭に卵焼きが並んでいて、どれもまだ白い 2846
other8e
MOURNING付き合って二年目になる二人🍒今日は久々にランランちにお泊まりだ。とはいえぼくは目を通しておきたい台本があって、ランランも今のうちに溜まった家事をしたいということで、時折会話をはさみつつも、それぞれ自分の作業をしていた。
正直自宅の方が集中できるけど、少しでもランランのそばにいたいという恋心だ。
一段落ついて顔をあげれば、すぐ近くの棚を掃除しているランランがなにやら機嫌よく鼻歌なんて歌っていた。
ランランの好みからは離れていそうなこのポップな曲は。
どういう心境?珍しいものを見てしまった。
聞き耳をたてているのがバレないよう、台本に向かうふりをしながら聞いているうち、どうしてもあの合いの手をいれたくなっちゃう。しょうがないよこれは。
「もういっかい!」
タイミングを合わせて言えば、目を丸くしたランランがぼくを見る。何その表情。
「何をだよ」
「はい?」
「は?」
だめだぼくたちは今完全に話が噛み合ってない。
「もう一回って言っただろ?」
「へ?」
どういうこと?そーゆう歌じゃなかったっけ?
「ランラン、鼻歌で歌ってたじゃん。その歌聞いたら合いの手いれたくなるでしょ。むしろ絶対言うよね?」
「おれ鼻歌なんて歌っ 2376
other8e
MOURNING覚えていない蘭丸「れぇじ」熱のこもった甘い声で直接耳に注ぎ込むように名前を呼ばれて思わず膝の上でぎゅっと指を握りしめてしまう。
腰に手を回され引っ張られたと思ったら、ランランに抱っこされる形で座らされた。おなかには後ろから回されたランランの腕。シャツが少しめくれて、肌に直接触れる腕はとても熱い。
酔っ払ったランランはたちが悪い。好きだともなんにも伝えてくれないのにこうやってぼくをドキドキさせるようなことをする。
はじめてされた時はびっくりすると同時に嬉しくて泣きそうになってしまったのに、翌朝目覚めたらすっかり忘れてるものだから腹が立って蹴飛ばした。
それなのに今日もまたランランにお酒をすすめて酔わせようとしている。10回に1回くらいの成功率。今日はどうかな。結構いい感じに飲んでるけど。隣に座るランランをちらりとのぞいて、トロンと朱に染まった目元に成功を確信する。
「ランラン?」
大丈夫?と言外に含めて名前を呼べば、ランランの視線がぼくに向かう。
れぇじ。ひらがなだけにしか思えない舌ったらずな甘ったるい声でぼくを呼ぶ。
「なあに?」
ん、と両腕を広げるランランに誘われるままその腕の中におさまる 903