直弥@
REHABILI別れ話(ガチ)wそれでもこの二人は変わらないなあと
ちょこちょこ話を勧めて行かなければ…
長編 肆 寝台のスプリングが鳴く。
仰向けの中原を囲うように手をついた太宰は唇が触れる直前に呟いた。
「ねえ。別れよう」
それは存外、穏やかな声で告げた言葉。
中原は口端を上げる。
「だろうな」
対する中原の声も落ち着いたもので、太宰は面白くないと言いたげに口端を下げた。
「別れ話だというのに随分、落ち着いてるんだね」
「そりゃ、解ってたからな」
言いながら中原は太宰の右目の縁をなぞる。くすぐったいのか太宰は微かに目を眇めるが、手を払うことはない。
「俺らがこうなったのは、相棒で居られなくなったからだ」
横浜を霧が包んだあの事件、それが終わりだった。
ポートマフィアの双黒は、あの日、終わりを告げ、太宰によって新しい双黒となる若い芽が芽吹いた。三刻構想を含めて、この横濱という街を護るための存在。
2057仰向けの中原を囲うように手をついた太宰は唇が触れる直前に呟いた。
「ねえ。別れよう」
それは存外、穏やかな声で告げた言葉。
中原は口端を上げる。
「だろうな」
対する中原の声も落ち着いたもので、太宰は面白くないと言いたげに口端を下げた。
「別れ話だというのに随分、落ち着いてるんだね」
「そりゃ、解ってたからな」
言いながら中原は太宰の右目の縁をなぞる。くすぐったいのか太宰は微かに目を眇めるが、手を払うことはない。
「俺らがこうなったのは、相棒で居られなくなったからだ」
横浜を霧が包んだあの事件、それが終わりだった。
ポートマフィアの双黒は、あの日、終わりを告げ、太宰によって新しい双黒となる若い芽が芽吹いた。三刻構想を含めて、この横濱という街を護るための存在。
直弥@
REHABILI昔のネタ出しこれもこの話の中の一つだったのを思いだして
使うかわからんがメモ代わり
長編 参 中原はその部屋に転がり込むように身を滑らせた。
流石に数の多さは眼を見張るものがあり、一息つかせてもらいたいものだと小さく息を吐く。
そこは研究室のひとつなのだろう。
複雑な計算式が流れ続けるモニターに、乱雑に並べれているファイルの数々。走り書きが書き込まれた書類や、ホワイトボードを見ても中原にはとんと解らぬ。解らぬが何ら問題はなく、必要なのはここは部屋であり、誰も居ないという確実な情報だった。
最も、そんな休憩が許されることはなく中原が閉じたはずの扉が乱暴に開かれる。
「ノックの一つもできねえのか?躾がなってねえな」
そんな軽口が聞こえたのかどうなのかは不明であるが、続いて響いたのはノック代わりの銃弾だ。
1889流石に数の多さは眼を見張るものがあり、一息つかせてもらいたいものだと小さく息を吐く。
そこは研究室のひとつなのだろう。
複雑な計算式が流れ続けるモニターに、乱雑に並べれているファイルの数々。走り書きが書き込まれた書類や、ホワイトボードを見ても中原にはとんと解らぬ。解らぬが何ら問題はなく、必要なのはここは部屋であり、誰も居ないという確実な情報だった。
最も、そんな休憩が許されることはなく中原が閉じたはずの扉が乱暴に開かれる。
「ノックの一つもできねえのか?躾がなってねえな」
そんな軽口が聞こえたのかどうなのかは不明であるが、続いて響いたのはノック代わりの銃弾だ。
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REHABILI前に書いたエピローグ壱の対となる話長編 エピローグ弐 中島は店の扉を出た。
途端に響くのは大通りの喧騒。人の雑踏に車の排気音が一気に押し寄せ、先程までの店内がどれだけ静かな空間であったのかを思い知る。
高級、と呼ばれる程では無いにしても宝飾店となれば些か気後れをしたが、それでも目的があれば足を踏み入れることに躊躇いはなかった。
この店に来たのは今日で二度目。一度目に預けたものが完成したということで、受け取りに来たのだ。丁寧に包まれた箱を入れた店の紙袋を手に、中島は帰路に着く。
定時で上がってから取りに行ったために既に日は暮れを見せ、暖かな朱い色が空を覆っていた。端から宵闇が迫る時間に社員寮に着けば、部屋からは美味しそうな夕飯の匂いが漂って、中島の腹がなる。そんな正直な腹に苦笑を浮かべ、手にしていた袋を柔らかく一つ撫でる。
2112途端に響くのは大通りの喧騒。人の雑踏に車の排気音が一気に押し寄せ、先程までの店内がどれだけ静かな空間であったのかを思い知る。
高級、と呼ばれる程では無いにしても宝飾店となれば些か気後れをしたが、それでも目的があれば足を踏み入れることに躊躇いはなかった。
この店に来たのは今日で二度目。一度目に預けたものが完成したということで、受け取りに来たのだ。丁寧に包まれた箱を入れた店の紙袋を手に、中島は帰路に着く。
定時で上がってから取りに行ったために既に日は暮れを見せ、暖かな朱い色が空を覆っていた。端から宵闇が迫る時間に社員寮に着けば、部屋からは美味しそうな夕飯の匂いが漂って、中島の腹がなる。そんな正直な腹に苦笑を浮かべ、手にしていた袋を柔らかく一つ撫でる。
直弥@
REHABILIちょこちょこ浮かぶ長編 弐 本来であれば容疑がかけられている時点で留置場へ入れられるのだろう。しかし、中原が連れてこられたのは、そんな優しいものではなかった。
「簡易的ではありますが、対異能障壁を使用した部屋になります」
真っ白の正方形の部屋は異能特務化が所有している特殊な施設の一画である。簡易ベッドとシャワーブースにトイレ。一応のプライバシーが保たれているのは、ここの目的が拘留だけではなく保護という一面も持っているからだろうか。
「で、どの程度、俺はここで過ごせば良いんだ?」
異能が効かないことを確認しながら壁を叩いてみせた。成程、強度も十分である。
「貴方の疑いが晴れるまで。とは言え、そこまで時間はかからないと思いますが」
807「簡易的ではありますが、対異能障壁を使用した部屋になります」
真っ白の正方形の部屋は異能特務化が所有している特殊な施設の一画である。簡易ベッドとシャワーブースにトイレ。一応のプライバシーが保たれているのは、ここの目的が拘留だけではなく保護という一面も持っているからだろうか。
「で、どの程度、俺はここで過ごせば良いんだ?」
異能が効かないことを確認しながら壁を叩いてみせた。成程、強度も十分である。
「貴方の疑いが晴れるまで。とは言え、そこまで時間はかからないと思いますが」
直弥@
REHABILI浮かんだシーンから消化する鈴蘭はひぐちゃの誕生花
長編 エピローグ壱「流石に幹部が二人では色々と手が回らなくてね。芥川くん、どうかな?」
実力も部下からの信頼も十分にある、と言われた芥川は目の前に居る森と尾崎をそれぞれ見た。
「指名手配を受けている僕がその席に座するのは組織のためにならぬかと」
「そうかね?」
態とらしく首を傾げて見せる森に、尾崎が呆れたように口を袖で隠す。
「そうは言っても人手が足りないのは事実。さて、どうしたものか」
そう続ける尾崎に暫しの沈黙の後に、芥川は口を開いた。
「では、樋口を」
芥川が告げた名前に森と尾崎が少し面食らったと言いたげに表情を変える。それに対して気負うことなく芥川は続けた。
「黒蜥蜴の支持もあり、作戦立案に関しても問題ありません。幹部としての仕事はこれから覚えれば良いだけのこと」
1558実力も部下からの信頼も十分にある、と言われた芥川は目の前に居る森と尾崎をそれぞれ見た。
「指名手配を受けている僕がその席に座するのは組織のためにならぬかと」
「そうかね?」
態とらしく首を傾げて見せる森に、尾崎が呆れたように口を袖で隠す。
「そうは言っても人手が足りないのは事実。さて、どうしたものか」
そう続ける尾崎に暫しの沈黙の後に、芥川は口を開いた。
「では、樋口を」
芥川が告げた名前に森と尾崎が少し面食らったと言いたげに表情を変える。それに対して気負うことなく芥川は続けた。
「黒蜥蜴の支持もあり、作戦立案に関しても問題ありません。幹部としての仕事はこれから覚えれば良いだけのこと」
直弥@
REHABILIふと浮かんだもので長編 壱 それは一つの予兆であったのかもしれない。
「異能者連続殺人事件、ですか」
その報告を受けて坂口は眉間を揉んだ。あれこれと次から次と舞い降りてくる案件に唯でさえ追われているというのにまたぞろ面倒な問題が舞い込んできたものだとため息を吐きたくなる。そうは言っても内容を確認してみれば後回しにするには、些かどころではないもので頭を抱えるしかない。
ここ一月程、異能者が殺される事件が頻発しており、それが表立って問題になっていないのはその殺された異能者達が所謂犯罪者であるからだ。それも、異能を使用した質の悪い犯罪者ばかりで、市警が手を拱いて居たような者たち。逆に言えば、殺されているのはそんな凶悪犯一歩手前の人間達のみなのだ。一層のこと放置したほうが世間の平和は守られるのではと、思わず思ってしまうような顔ぶれだからと言ってそれを本当に放置して良いはずがない。ここは法治国家であり、まかり間違っても犯罪者であるからと言っても私刑で殺人を犯して良いはずがないのだ。
2606「異能者連続殺人事件、ですか」
その報告を受けて坂口は眉間を揉んだ。あれこれと次から次と舞い降りてくる案件に唯でさえ追われているというのにまたぞろ面倒な問題が舞い込んできたものだとため息を吐きたくなる。そうは言っても内容を確認してみれば後回しにするには、些かどころではないもので頭を抱えるしかない。
ここ一月程、異能者が殺される事件が頻発しており、それが表立って問題になっていないのはその殺された異能者達が所謂犯罪者であるからだ。それも、異能を使用した質の悪い犯罪者ばかりで、市警が手を拱いて居たような者たち。逆に言えば、殺されているのはそんな凶悪犯一歩手前の人間達のみなのだ。一層のこと放置したほうが世間の平和は守られるのではと、思わず思ってしまうような顔ぶれだからと言ってそれを本当に放置して良いはずがない。ここは法治国家であり、まかり間違っても犯罪者であるからと言っても私刑で殺人を犯して良いはずがないのだ。
直弥@
REHABILI気持ちリハビリが難しそうなので前に書こうとしていた長編の冒頭を続きを書いて行けたら良いなあ
長編 モダンなビル群とノスタルジックな建物の混在する湾岸都市、横濱。
先の大戦の集結により連合軍系列の各国軍閥が入手し、治外法権を振りかざして自治区を築き上げた結果、そこは戦時中とは比較にならない程の無法地帯となった魔都である。様々な闇組織や海外非合法資本が存在し、そんな暗部の更に闇の底でポートマフィアが政治経済において根を張っている。
そんな街は賑やかな平穏な観光名所を囲いながらも同時に擂鉢街や貧民街などの闇が深い部分も多く抱えており、一つ道を間違えればそこは無法者が蔓延る危険な一面を併せ持っていた。
それ故に、表には出ずとも街を愛するという志を持ち三刻構想を元に政府機関である軍と内務省異能特務課が昼を、ポートマフィアが夜を、そして武装探偵社がその狭間に当たる薄墓をそれぞれの領分として時には抗争対立し、また時には同盟協力関係を築き一定の治安を保っている。
968先の大戦の集結により連合軍系列の各国軍閥が入手し、治外法権を振りかざして自治区を築き上げた結果、そこは戦時中とは比較にならない程の無法地帯となった魔都である。様々な闇組織や海外非合法資本が存在し、そんな暗部の更に闇の底でポートマフィアが政治経済において根を張っている。
そんな街は賑やかな平穏な観光名所を囲いながらも同時に擂鉢街や貧民街などの闇が深い部分も多く抱えており、一つ道を間違えればそこは無法者が蔓延る危険な一面を併せ持っていた。
それ故に、表には出ずとも街を愛するという志を持ち三刻構想を元に政府機関である軍と内務省異能特務課が昼を、ポートマフィアが夜を、そして武装探偵社がその狭間に当たる薄墓をそれぞれの領分として時には抗争対立し、また時には同盟協力関係を築き一定の治安を保っている。