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PROGRESSリクエストを頂いてタイムアタックSSに初挑戦。40分も掛かったので精進します。春に捧ぐラブソング (音春)サァァァ、と風が吹き抜ける音がする。それと同時に目の前が淡色に染まり、甘やかな香りがふわりと薫った。舞い散る花びらは風に乗って頬を撫でると、重力に従って地へ向かうように抱えているギターの上を滑り落ちていく。それがなんだか君に触れられているようで、擽ったくなって目を閉じた。
あたたかな君の温もりに似た風の音に、耳を傾けながらコードを押さえて弦を爪弾く。生まれたばかりの取り留めのない旋律に鼻唄を乗せていれば、柔らかな声が降り注いで。
「素敵なメロディーですね」
そっと目を開けて見上げた先にある春の陽射しのような笑顔に、また一つとくんと胸が高鳴る。
ねぇ、どれだけ歌えばこの想いは全て君へと届くのかな?その答えはまだ見つからないけれど、これだけは言えるよ。
358あたたかな君の温もりに似た風の音に、耳を傾けながらコードを押さえて弦を爪弾く。生まれたばかりの取り留めのない旋律に鼻唄を乗せていれば、柔らかな声が降り注いで。
「素敵なメロディーですね」
そっと目を開けて見上げた先にある春の陽射しのような笑顔に、また一つとくんと胸が高鳴る。
ねぇ、どれだけ歌えばこの想いは全て君へと届くのかな?その答えはまだ見つからないけれど、これだけは言えるよ。
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DONE2022年のエイプリルフールに夢を見た、犬の獣人族音也くんと作曲家ハルちゃんの音春です。突然NLを書き始めるのでない。Inhale the warmth. (音春)オーディオデッキからずっと知らない曲が小さく遠慮がちに流れている。
それは時に激しく、時に緩やかにメロディーを奏でては余韻を残しながらフェードアウトしていき、そしてまた新しい曲が流れ始める。
ソファーで仰向けに寝転びながら横目に、こちらに背を向け床にクッションを敷いて座ってパソコン作業をしている人物へ「誰の曲?」なんて問いかければ、少し間が空いてから「クライアント先の今までの楽曲です」とちらりとこちら見てくれるものの簡潔な答えが返ってくる。
その後も視線は再びパソコンへと戻り、カタカタと止むことのないキーボードを打ち込む音と遠慮がちな存在感で延々と響くバンドの演奏に、どうやら無意識にため息が出ていたらしい。肺の中の空気がなくなった感覚と同時に、ふと小さく聞こえていた音楽とキーボードの打ち込む音が止まり、続いてずぅっとパソコンとにらめっこしていた彼女がようやくこちらを振り返ってくれた。
1326それは時に激しく、時に緩やかにメロディーを奏でては余韻を残しながらフェードアウトしていき、そしてまた新しい曲が流れ始める。
ソファーで仰向けに寝転びながら横目に、こちらに背を向け床にクッションを敷いて座ってパソコン作業をしている人物へ「誰の曲?」なんて問いかければ、少し間が空いてから「クライアント先の今までの楽曲です」とちらりとこちら見てくれるものの簡潔な答えが返ってくる。
その後も視線は再びパソコンへと戻り、カタカタと止むことのないキーボードを打ち込む音と遠慮がちな存在感で延々と響くバンドの演奏に、どうやら無意識にため息が出ていたらしい。肺の中の空気がなくなった感覚と同時に、ふと小さく聞こえていた音楽とキーボードの打ち込む音が止まり、続いてずぅっとパソコンとにらめっこしていた彼女がようやくこちらを振り返ってくれた。