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    #ハロウィン

    halloween

    hairia_hairia

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    衣装お試しにあげてみた。現パロハロウィン X投稿済み

     尾形が言った、ハロウィンなんて行事は聞いたことはあるがやったことがないと。皆で着飾って楽しく過ごすお祭りだよと、微笑みながら説明してみた。クローゼットから出してきた衣装を見て、そんなもんか…と着始める尾形。頭からすっぽりかぶる白のゴーストマント、首に赤い鈴をつけた黒猫の着ぐるみ、骸骨が全身にプリントされた黒の全身タイツ、白黒ボーダーの囚人服、アラブの石油王など、何でもありで着こなしてくれる。いつもなら、文句の一つも言う尾形が、今日は静かでむしろ従順あるいは楽しそうである。それならば…ハロウィンでは大人シックな恰好もするんだよと、クローゼットの最奥から、袖口にフリルをあしらった白いシャツ、カーキ色のベスト、黒みがかったグレーのコートに同色のブリーチズの中世悪魔風衣装を出し、尾形に渡してみた。戸惑いながらも着始める尾形。着終わった彼は、こちらを振り返りどうだと言わんばばかりの表情で、前髪を後ろへ撫でつける。その姿は、最初から着ていたようにしっくりとなじんでいた。しかし、その姿に不可解を覚える。尾形は編み上げの黒いブーツを履いている。ここは家の中ではと思ったが、それ以上に頭とお尻にあるものは…なに?そんなものまで、揃えたむしろ渡した覚えはないと。目線を尾形の顔に向けると、彼の深く黒い瞳がじっとこちらを見据えている。
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