Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    #リーバル

    revel

    itono_pi1ka1

    DOODLEpixivより引っ越し。雪の日のリト師弟と白い羽毛の話。
    かくれ雪 はあっとリーバルは嘴の隙間から白い息を吐いて、ごうごうと唸り声のする外の景色を覗き込んだ。

    「吹雪いてるねえ」

     万年氷漬けの雪山にある飛行訓練場は、今日はとびきりの猛吹雪に遭っていた。ごうごう聞こえるのはその吹雪の音だ。おかげで朝だというのに火を焚かなくては中も外も何も見えないほど薄暗い。リーバルたちリト族は翼に蹴爪に嘴と、鳥のような見た目と同じに[[rb:鳥 > ・]][[rb:目 > ・]]を持っているので、さらに弱り目だ。気分もふさいでしまう。

    「これは当分止まないぞ……今日は任務に出るのは厳しそうだ。テバの奴、ちゃんと帰ってこられるかな」

     同居人のテバは明朝に雲行きの怪しさを見て、薪の確保をすると言って出て行ったきりまだ帰っていない。まだ備蓄があるから大丈夫だとリーバルは言ったのだが、テバは「ここらの空気がどんより重たくって、うなじの毛がふわふわするようなこういう天気のときは、後でどっさり雪がくる予兆に決まっているんです」と言って籠もりの準備をするのを譲らなかった。未来の世界で飛行訓練場の[[rb:ヌ > ・]][[rb:シ > ・]]をやっている経験と勘がそう教えてくれるらしい。そのときは吹雪がこれほど強くなるとは知らなかったから、リーバルも止めそこなってしまった。今の[[rb:ヌ > ・]][[rb:シ > ・]]であるリーバルはそんな予兆は感じ取れなかったし、テバの言うことにも半信半疑だったのだが、眼前の吹雪はテバの勘の方が正しかったことを容赦なく突きつけてくる。
    7597