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    キツキトウ

    DONE2023/8/18
    山の中で笑う。誰にも見られたくないから。

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    お題ガチャ:https://odaibako.net/gacha/8955?id=20b52a0a6442401a96b515b882a609b2
    息抜き書きもの2。
    8/13が怪談の日だったの忘れてて、その日に何か投げれば良かったなと(少し前に呟怖絵また描こうかなと思ってはいた)。季節もの何時も遅刻する人です
    終煙怪奇譚:「山笑」――自分は森や木々の中を歩くのが好きで、ふとした時に山を登り歩く事が多かったのです。
    まぁ、本格的に登る人達のように、そう高い山を登る事は無いのですが。所謂ハイキングに近いのでしょうか。
    基本的には低すぎず、それでいて高すぎない山へ向かい、森の中の空気を楽しむんです。

    その日も知人と共に生きたい場所へ目星をつけ、森の中を進んでは景色を楽しんでいました。
    ただ登りも半分を過ぎ、森深い中を知人から少し離れては進み、疲労を産み始めた身体を感じてはそろそろ沢が見えてくる筈なので、そこで休息を取ろうかと考えていたんです。

    ふと辺りを見回しました。
    淡い色の何かが木々に絡まっているのが見えたんです。
    「何だろうか、自分の知らない植物でも絡んでいるのか」「ああ、絡まっているという事は蔦か何かなのだろうか?」と思いながらも後で知人とそれについて話したり、帰りがけにでもまた確認しながら行けばいいかと一先ず目的の場所まで向かう事にしました。
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    かがり

    MOURNINGネタとして「秘する〜」に吸収されちゃったけど、単話として書いてた時のオチ部分がわりと気に入ってたので供養。
    時系列はズ!!軸なこと以外ではわやわやしてる。

    同室メンバーの関係性が詳しく分かる前とかに書いてた気がする。
    本当にズ!の月永レオくんが逆先夏目くんに向けていた若干キツめのあの感じなんだったんだろうな……とあれはあれとして新鮮で良かったな……のフュージョンです。
    赤い頭ふたつ:司レオ?「スオ、」

     姿を見かけた後輩に声を掛けようとして、喉に音が引っかかる。何故かと言えば、よくよく見ると鮮烈な赤が、同じくらいの高さに2つ並んでいたから。
     どうにも最近、ESビル内でもそんな光景をよく見かける気がする。同じ事務所に所属するユニットリーダー同士、仲が良いのは何らおかしくはない。そう、思うのだけれど。

    「やぁ、騎士さま。どっちに声を掛けるべきか迷っちゃったのかナ?」

     最初から気がついていた、とばかりに向かって右側の赤が振り向いた。「レオさん?」と一拍遅れて振り向いたのは左側の赤だ。

     煽るように言う向かって右側のそいつは、同じ事務所であるところのニューディメンション所属、Switchのリーダー、逆先夏目。夢ノ咲学院の抗争期に出会ったことも影響してか、あまり互いの心象は良くない。
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    かがり

    DONEぷらいべったー引っ越し(2021.11.27)
    第1回Webオンリーで展示していた、花を贈る司くんの話です。

    (2023.6.25再録発行に伴い微修正)
    左の胸に咲く花:司レオ 鮮やかな蘇芳色をなびかせる彼は、どうしても「それ」と対称的だと思った。





    「レオさん、どうぞ」
     落ち着いた声と共に差し出されたのは、透明な包装と控えめなリボンに彩られた一輪の薔薇。
     歳下のその男は、両手で丁重に支えるそれを、相も変わらずそっと手渡す。
     平日のアンサンブルスクエアでは、せかせかと動き回る人の流れが尽きることはない。それでも、レッスン室が立ち並ぶこの廊下は、時間が早いせいなのか、ひっそりとした静寂に包まれている。
     何気なく呼び止められたかと思えば、スマートな所作で渡されたそれを、受け取らない理由がレオには無かった。
     包装のフィルムから覗き込んだその花弁は、一枚一枚がどれも瑞々しく美しい。司のことだから、きっと相応にきちんとした店舗で購入した生花に違いない。「ありがとな!」と微笑みながら、レオはいつも、少しだけ不思議に思っている。何故なら、差し出されるその薔薇はいつだって、彼の燃えるような情熱とは相対するような、深く静かな青色をしていたから。
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