しずな
DOODLEケーキとぎのあか一期 → ブルーベリーチーズケーキ
二期 → チェリーカップケーキ
劇場版 → いちご抹茶ロール
日常版 → ティラミス
夏日版 → ソーダ
喜好版 → タピオカミルクティー 6
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TRAINING結婚式にボディガードで参加する行動課のお話。大切にします、だから全部ください 海外調整局の職員の結婚式があった。特別捜査官という肩書きがあるとはいえ、潜在犯の俺には関係のない話だが、結婚した職員は花城の古くからの知り合いで、なおかつボディガードが必要なレベルの男だった。だから花城は俺たちをその結婚式に出席させ、身辺警護をさせたのだった。
結婚式は退屈なものだった。花嫁は美しく眼福で、振る舞われる食事も美味かったが、ブライズメイドたちの陰口には辟易したし、俺を潜在犯と知らずに声をかけてくる無知な女たちは気の毒だった。でもまぁ、式というものはそういうものだ。天井から下げられたシャンデリアに絡みつく白い花々はひらひらと花びらを落とし、それを拾った子供たちはきゃあきゃあと駆け回って遊んでいる。ウエディングプランナーだけは警備にあたる俺たちのことを知っていて、恐ろしそうにこちらを見ていた。きっと潜在犯が怖いんだろう。ここ出島じゃあ、珍しくもないはずだが。
1980結婚式は退屈なものだった。花嫁は美しく眼福で、振る舞われる食事も美味かったが、ブライズメイドたちの陰口には辟易したし、俺を潜在犯と知らずに声をかけてくる無知な女たちは気の毒だった。でもまぁ、式というものはそういうものだ。天井から下げられたシャンデリアに絡みつく白い花々はひらひらと花びらを落とし、それを拾った子供たちはきゃあきゃあと駆け回って遊んでいる。ウエディングプランナーだけは警備にあたる俺たちのことを知っていて、恐ろしそうにこちらを見ていた。きっと潜在犯が怖いんだろう。ここ出島じゃあ、珍しくもないはずだが。
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TRAINING夏に告白する狡噛さんのお話。好きって言えてほんとによかった 蝉が鳴いていた。珍しくホロではない学校の標本木にしがみついた彼らは、もう夏も終わると告げているようで、俺はなぜか唾を飲み込んでしまった。ギノは首筋に汗を流しながら、タブレットで問題集を解いていた。ここが分かりにくくて、狡噛は一発で解けたか? 解説が分かりにくいんだよな、巻末のさ。ギノはそんなことを言って笑った。お前ならなんでも出来るだろうけど、そう言って。俺は彼の言葉を聞いて、その問題に苦労しなかったことを思い出した。多分俺は何にも苦労せず生きていくんだろう。そう思う。今までだってそうだった。だから彼が公安局を志望すると言った時、強がりながらそれに従うように追従したのだ、志望を。公安局ならきっと俺も苦労するだろうって、そんなふうに先生に言われたことがあったから。潜在犯と接する仕事。この国の治安を守る仕事。それらはリスクは高いがエリートコースだ。先生は志望を公安局にした俺を呼び出すと、まぁ、狡噛なら出来るだろうな、と言った。俺はそうであってくれと思った。だってそうしたらギノとずっと一緒にいられるから。あぁ、蝉が鳴いている。俺は拳をぎゅうと握りしめる。彼はタブレットを見ている。太陽が反射するタブレット。俺は何も持っていない。制服の尻ポケットに文庫本を入れているくらいで何もしていない。でも、いつもとは違う何かをしようとしている。俺はおかしいんだろうか? あぁ、駄目だ、もう駄目だ。
2020時緒🍴自家通販実施中
TRAINING狡噛さんに怪我させちゃう学生時代の宜野座さんのお話です。君が隠してるもの、僕も持ってるよ ギノとつるむようになって一ヶ月が過ぎた。最初こそやめたほうがいいよとアドバイスをしてくれる友人たちも多かったが、それらを全て無視していると何も言われなくなった。それでも彼らは全国一位ってラベリングされた俺に話しかけてきて、ギノをなかったように扱い、これまで通りに振る舞った。明日のテストはどうする? 考査のことどう考えてる? 将来何になりたい? 狡噛なら楽勝だもんな、官僚にだってなれるよ。分かりやすいお世辞に分かりやすく笑顔を返しながら、俺はギノのことばかり考えた。ギノは俺が話しかけるたび嫌がって逃げようとした。俺がまるで下心があるみたいに、これは俺の勝手な推測だけれど、魅力的な優等生役をするために自分に話しかけているように見せているんじゃないかと思っているようで、俺が何かを話すたびに伊達眼鏡をかちゃかちゃと鳴らして嫌そうに顔をしかめた。それは一ヶ月経っても、二ヶ月経っても、三ヶ月経っても変わらなかった。変わったのは彼が俺を振り払って、その時俺が怪我をしたからだった。ギノは顔色を変えた。周囲に同級生はいなかったからギノがいじめられることはないだろう。ただギノの少し長い爪は俺の目元に引っ掻き傷を作って、鉄くさい血の味がした。ギノは動揺していた。彼はいつも言葉で人を傷つけていたけれど、自分が殴られでもしない限り誰かを殴ることなんてない人間だった。そして俺はその時思った。あぁ、ようやく関係が変わるんじゃないかって。
2002時緒🍴自家通販実施中
TRAINING狙撃される宜野座さんと看病する狡噛さんの話。神頼みなんてらしくないな ギノが狙撃された。任務中の出来事だった。彼はビルの高層階でターゲットを狙っており、スポッターとなった須郷とともに行動していた。まだ須郷がいて良かった。捕虜にでもなれば目も当てられない悲惨な状況に落とされただろうから。だが、俺はそこにいなかったことを後悔した。俺は出島の街を歩き、ギノが狙っていた敵に接近しようとしていた。当初はギノは撃つつもりはなかっただろう。だが、俺のターゲットはギノを確認し、自分が殺されるかもしれないと部下に命令してギノを撃った。そうして彼は今集中治療室にいる。花城は大丈夫だと言った。俺もそれを信じている。信じて彼の手を握っている。包帯を頭に巻かれた、彼の手を握っている。
ギノは頭を撃たれたのだそうだ。あちらの狙撃手も腕が良かったのだろう。俺は彼が後遺症を残さないことを祈って、ただ、ただ神に祈った。かつては無神論者とドッグタグに書いた俺がである。神頼みなんてらしくないなと思いつつも、それでも祈らずにはいられなかった。ただ助かってくれと静かに祈る時、人は神を見るのだろう。静かに誰かの無事を願う時、人は神を見るのだろう。神なんて信じないって言ってられたのは自分が一人だった時だ。いや、俺は神を信じているのだろうか? 神かどうかなんてどうでもよくて、ただ大きな力に祈っているのではないか。俺はそんなことを思い、静かに息を吐いた。
2060ギノは頭を撃たれたのだそうだ。あちらの狙撃手も腕が良かったのだろう。俺は彼が後遺症を残さないことを祈って、ただ、ただ神に祈った。かつては無神論者とドッグタグに書いた俺がである。神頼みなんてらしくないなと思いつつも、それでも祈らずにはいられなかった。ただ助かってくれと静かに祈る時、人は神を見るのだろう。静かに誰かの無事を願う時、人は神を見るのだろう。神なんて信じないって言ってられたのは自分が一人だった時だ。いや、俺は神を信じているのだろうか? 神かどうかなんてどうでもよくて、ただ大きな力に祈っているのではないか。俺はそんなことを思い、静かに息を吐いた。
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TRAINING何回も同じ夢を見る宜野座さんのお話。ハッピーエンドです。
沈めても沈めても浮かび上がるのは 眠り入る寸前の時に、うたた寝をする時に、必ずと言っていいほど見る夢がある。俺はそこでは花屋をしていて、狡噛はその店の客として現れる。季節の花を頼みたいのですが、そうですね、ではこちらはいかがでしょうか? 会話はいつも違うが、ありふれた感触でそれは始まる。俺は花を束ねながら、これは嘘だと勘づいている。嘘じゃないな、夢だと気づいている。狡噛は花束を愛でるような男ではないし、俺も花屋にはならなかった。しかしそれは平和な夢で、俺はそれが好きだった。ごっこ遊びのようで、とても好きだった。けれどそれは眠り入ればすぐに消えてしまって、うたた寝が終わればすぐに消えてしまって、俺はそれを悲しく思う。しかし俺は何度もその夢を見て幸せな気持ちになる。心地いい夢、温かい夢。俺はそんな夢に、何度も何度も沈んでゆく。
1981時緒🍴自家通販実施中
TRAINING出島を歩いていて結婚式に出会う狡宜です。言えないよ、一言じゃ済まないから 言葉にしたら消えてしまうようなものについて、たまに考えることがある。愛しているって言葉は軽薄になるが消えない。消えてしまうのは、もっと些細で、小さくて、壊れそうなものだ。そして狡噛が一番大切にしているもの。彼が俺にどうにかしてそれをくれたのは学生時代のことで、初めてキスをした日のことだった。ギノ、愛してる、どこにも行かないでくれ。彼はそう俺にお願いをして、何度も、何度もキスをした。俺はそれにうなずいた。別に行くところなんてなかったし、彼のそばが一番心地よい気がした。けれど違ったのだ、彼はひとところにとどまる人間じゃなかった。彼は居心地の良さを求めてどこにでも行く人間だった。だから俺がいなくなることはなくても、彼がいなくなることはあった。それが彼が日本を飛び出た理由なんだろう。人間関係を全て捨てて、そしてそこで新しく何かを築き上げて、それすらすぐに捨ててしまう。言葉にしたら消えてしまうようなものについて考えると、彼はそれをよく使うことが分かった。でも俺はそれを使えない。一言じゃ済まないから。一生どこにも行かないくでくれ、そばにいてくれ、俺を愛してくれ、そんなふうに言葉が止まらなくなるから。
2147時緒🍴自家通販実施中
TRAINING狡噛さんの隠していたおはじきやビー玉を見つけてしまった宜野座さんのお話。希望に似たものを集めて愛でる 狡噛の部屋に清掃ドローンを入れて、そのごみを念のため確認していると、小さなガラスで出来たおはじきと、ビー玉が出て来た。いったいどこに隠していたのだろうそれは、俺がつまむときらきらと輝いて、窓ガラスから差し込む光にもその小さな身体を光らせた。水色、オレンジ色、緑色、白い筋が入ったものや、丸い点が入ったもの。それらはこの何もない部屋には不釣り合いだったが、不思議と懐かしくなった。狡噛が幼い頃遊んでいたものなのだろうか? それをここまで持って来たのだろうか? 俺はそんなことを考えて楽しくなり、それらをポケットに入れるともう出勤していった狡噛の帰りを待った。彼が帰ってきたらこのおもちゃの出どころを尋ねよう。そんなことを考えながら。
2022しずな
PROGRESS自己最喜歡的一段❤️有點曖昧的監視官宜朱
這樣讓他接送,經過多久了呢?最初是從幾週前一次加班到半夜,朱正在煩惱該怎麼回家時開始的。
他會提議只是單純覺得女孩子一個人走夜路,在這座城市中仍不能稱為安全,她會接受也只是因為時間真的已經晚到街上幾乎沒有人,而且自己也已經沒有多少力氣走路回家了。
那次他只送她到公寓樓下,坐在車上目送她進去。但朱不知道的是,宜野座一直等到朱依照他的叮囑發來『到家了』的訊息之後才離開。
而這個小插曲彷彿前奏一般,在這之後,只要兩人輪班的時間有搭上,讓他接送變得跟自己通勤一樣自然。
每次搭便車,宜野座總會以『坐助手席的人有跟駕駛聊天的義務,免得駕駛睡著』這種奇怪的理由要求朱跟他聊天,也因此朱不只一次懷疑,宜野座堅持在兩人班表對上時接送她會不會只是怕開車睡著,需要有個人陪他講話。
1027他會提議只是單純覺得女孩子一個人走夜路,在這座城市中仍不能稱為安全,她會接受也只是因為時間真的已經晚到街上幾乎沒有人,而且自己也已經沒有多少力氣走路回家了。
那次他只送她到公寓樓下,坐在車上目送她進去。但朱不知道的是,宜野座一直等到朱依照他的叮囑發來『到家了』的訊息之後才離開。
而這個小插曲彷彿前奏一般,在這之後,只要兩人輪班的時間有搭上,讓他接送變得跟自己通勤一樣自然。
每次搭便車,宜野座總會以『坐助手席的人有跟駕駛聊天的義務,免得駕駛睡著』這種奇怪的理由要求朱跟他聊天,也因此朱不只一次懷疑,宜野座堅持在兩人班表對上時接送她會不會只是怕開車睡著,需要有個人陪他講話。
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TRAINING何となく前回の続き。二人で浴室に入って、髪の毛を少し切ってもらう宜野座さんのお話。
意味なんかないはずだけど 髪を伸ばしていることに確かな意味なんてない。伸ばし初めの時は、よく聞かれたものだ。願掛けをしてるんですか、何を願っているんですかって。俺はそれを聞かれる度に何も考えていないんだって言い返して、実際のところどうなのだろうと悩んだ。理由もなしにこんなに髪型を変えるだなんて、そんなことはきっとない。俺は多分どこかで狡噛に会たくて髪を伸ばしていた。そうしたら会えたのだ、あの奔放な男に。それからはずっと惰性で伸ばしている。また会えたらいいと、自分から突き放しておいてまた会えたらいいと。狡噛は知らないだろう。外務省で再び出会った時は髪型は変えないんだなと言われた。何か理由でもあるのかとも言われた。俺は意味なんてないさとつぶやいて、少し伸びた髪を触った。果たして願掛けをして髪を伸ばしていたと言えば彼は喜ぶだろうか? そこまで思われていたと思って喜ぶだろうか? それともいつものようにクールに振る舞う? 俺は分からない。彼の考えが俺には分からない。彼を喜ばせたいけれど、どう振る舞えばあの男が俺を愛してくれるかが分からない。願掛けで髪を伸ばしていたと言えば重いと思われるかもしれない。それともロマンチストな彼は喜ぶだろうか。俺には分からない。
2027時緒🍴自家通販実施中
TRAINING夕食を一緒に取る二人。前回の続きですがこれだけでも読めます。少し話した後に、抱きしめたくなるんだ 狡噛は何も喋らない。彼は俺の部屋にやって来ても、持参した古本を読むか、いつの間にか置かれるようになったレコードを流すかで、積極的に俺に触れようとしなかった。別にそれに不満があるわけじゃない。彼と過ごす穏やかな時間は俺にとってかけがえのないものだったし、狡噛慎也という人間が側にいるだけで安堵した。触れなくても体温が伝わって、彼の規則的な呼吸に泣きたいくらい安心した。子どもが母親の手を離さないように、ゆっくりとした心音に触れるため腹に頭を押し付けるように、俺は彼の横顔を見つめ続けた。そりゃあ触れたいと思う。手を握ったり、彼を抱きしめたりしたい。けれどその先に待っているのはセックスというだけで、そうすれば自分が今抱いている焦燥感が消え去ってしまいそうな気がした。俺は彼を愛している。だったら彼が心地よいようにしたかった。レコードをかけて、ジャズを流して、見知らぬ題名の本を読む彼の側に座って、俺はいつもデバイスを触った。彼の好きな音楽を探り、熱心に集中する本を調べた。でもそれだけだ。それだけで何も出来なかった。だから俺は口を開くのだろう。彼をそっとしてやりたいのに、用事にかこつけて、彼の声を聞き出したいのだ。彼がどんなふうに本に感想を抱くのか、この音楽のどこがいいのか。掠れ声がセクシーな歌手の声に耳を傾けるのは何故なのか。俺はそんな簡単な不思議を知りたくて、狡噛に向かって声をかけた。
2060時緒🍴自家通販実施中
TRAININGなんとなく続くシリーズ(狡宜)。いつからなんて覚えてやしない ギノを好きになった時のことは覚えてはいない。彼はずっと初めて出来た親しい友人で、俺を担当した気難しい哲学教師にも狡噛くんにもついに親友ができましたか、と言われたので、そうかようやく親友が出来たのか、と思っていた。あの哲学しかやって来なかった先生がどうして俺たちの関係を親友と表したのかは知らないが、あの先生は俺に親友が出来ないことを心配していたらしく、そこにギノが収まったことでホッとしたようだった。何でもできる狡噛慎也。友人は広く浅く。けれど自分が悩んだ時に頼れる誰かはいない。秘密を話せる誰かはいない。先生はそれを知っていて、ギノを親友と評したのかもしれない。それくらい俺は友人がいなかった。語り合うクラスメイトがいなかったわけではないが、気がつけば俺は人混みの中でいつも一人だった。
1894時緒🍴自家通販実施中
TRAINING狡宜コミュのWebラリーに置いていたものです。朝の二人。
日曜日のオムレツ 食事は基本的に狡噛が作る。三食全てとまではいかないが、一食、いや二食程度は彼が作る。俺はそれをぼんやりと食べて感想を言って、食器洗い機に皿を放り込む。その皿も狡噛が選んだもので、見たこともない色であったり、不思議な形をしていたりする。狡噛の飯はうまい。和食も洋食も中華も、山岳で食べられるスパイシーな料理も、彼は自分のものにしてしまっていた。俺が知っているのは料理の下手くそな狡噛慎也だったから最初は驚いた。狡噛は特に味覚がおかしいところがあったし、俺はそんな彼を愛してもいたので。
「それで、今日は午後からどうする?」
小さなオムレツをフォークで突きながら狡噛は言った。コップにはオレンジジュース、脇の小鉢には名前も知らない野菜のサラダ。俺はそれらを均等に口に入れながら、彼の提案をぼんやりと考えた。
826「それで、今日は午後からどうする?」
小さなオムレツをフォークで突きながら狡噛は言った。コップにはオレンジジュース、脇の小鉢には名前も知らない野菜のサラダ。俺はそれらを均等に口に入れながら、彼の提案をぼんやりと考えた。
しずな
SPUR ME第一篇R18竟然是這兩個wwwwww寫肉很恥所以多半不知道自己在寫什麼
🚨R18,很直接,角色性格可能有跑掉
🚨監視官宜朱交往前提,愛吵又愛在一起的同居中
🚨ドS混蛋宜野座(爆
🚨警察叔叔就是這個...不對啊你就是本人(???
以上都能接受再點開
PW: Are you under 18? 11597
時緒🍴自家通販実施中
TRAINING時間がない中で愛し合おうとする狡噛さんの話。800文字チャレンジ100日目。
お付き合いありがとうございました!
タイムリミット(あなたを愛する時間) 時間がない。だからといって手抜きはしたくない。たっぷりいつものように時間がかけられないとはいえ、彼を愛するのに手を抜きたくはない。そんなことを思いながら俺はギノに口付けを落とす。キスだけで終わっておく? あとは夜にとっておく? それとも短い時間を共にしてから出勤する? 俺は悩みながら、静かに身を寄せるギノを抱きしめた。彼は俺にされるがままにされている。少しくらい出勤が遅れてもかまわないとでも思っているのだろうか? 俺はそんなことを思って、そんなことあるはずがないとも思った。彼は仕事に関してはストイックで真面目だ。こんなことが許されるはずがない。以前だってこんな時に始めようとしたら、左で殴られたことがあった。彼は少し性欲が淡白で、キスだけで満足できるところがあるのだ。ただ触れられたらそれでいい、そう考えるところが。だからこうやってキスをしているのも、大した意味はないんだろう。セックスに繋げようなんて、そんなこと絶対に考えていない。セックスなんて夜にする深い営みくらいにしか思っていない。俺はそれを悔しく思う。急げば出勤までに間に合うのに、彼はそれをしてくれないと。
991時緒🍴自家通販実施中
TRAININGお墓参りをする宜野座さんのお話。何かが変わってゆく様子。800文字チャレンジ99日目。
ただ、君を待つ(二度と離さない) 狡噛がいなくなって数年が経った。だというのに俺はまだ彼を待っていて、自分から別れを告げたくせにまだ待っていて、海外に派遣されることはないかとか、共同捜査にあたることはないかとか、そんなことばかりを考えていた。そんな俺を常守は見ていられないようだった。考えてみれば、彼女が別れの時間を俺に渡したのだから、そう思うのも仕方がないのかもしれない。彼女は俺が撃てないことを、狡噛を殺せないことを知っていた。そしてその代わりに別れを告げることも。だから俺は彼女についてゆこうと決めたのだが、それでも彼女にはひどい役目を課していると思う。俺が知らない何かを知っている彼女は、今日だって局長室に呼ばれて行った。何かが動いているのは分かっていた。先日は外務省から花城フレデリカがやって来たし、口の堅い須郷を口説き音して聞けば、外務省に新しい部署を作るにあたって求められた、とのことだった。何かが動き出していた。俺が何も知らない何かが。俺が何も知らないのは、いつだって同じことだった。いつだって俺はただ転がる球で、跳ねては物事の本質を知る人々に笑われていた。出世が見込めるときはそれでも満足していたが、それがなくなった今ではどうしていいのか分からない。執行官が下手に動けば上司である監視官が処罰される。だから俺は、ゴム毬のように、ずっと跳ねているしかないのだろう。
966時緒🍴自家通販実施中
TRAINING仕事でミスをした狡噛さんと怒る宜野座さんのお話。800文字チャレンジ98日目。
ミステイク(ヒューマンエラー) ギノの機嫌が悪いのは、俺が仕事でミスをしたからだ。それもどうとでもなる、小学生でも見つけられるミスをしたからだ。彼は仕事には厳しい男で、そういうのを嫌う人間だったから、俺は絶賛無視をされている。どちらが子供っぽいかは分からないが、彼の腹の虫が治まるまでは、俺は一言も口をきけないだろう。けれど波は俺になびいてきている。花城はさっきからいらいらしているし(仕事中に喧嘩をするなと言いたいんだろう)、須郷も気遣わしげだ(彼は誰かが喧嘩をしていると収めようとするところがあった)。だからここでギノが俺を許してくれれば全ては丸く収まるのだが、まだそれはうまく行きそうになかった。それくらい、彼は強情だったのだ。笑ってしまうくらいに。
897時緒🍴自家通販実施中
TRAINING寝ずの番をする二人の話。800文字チャレンジ97日目。
このまま夜明けまで(あなたと二人なら) 犯人と見られる人間がバーチャルの売春宿に入って数時間が過ぎた。俺とギノはパトカーをホロで隠してそれを伺っている。裏には二係がいる。今回は大規模な捜査で、失敗するわけにはいかなかった。だというのに、俺はギノとともに夜を過ごしていることを喜んでいた。彼が潜在犯とともに過ごすことを喜ぶかどうかは分からない。ただ恋人だった期間が長かった分、甘い雰囲気は流れた。また一緒にいたい。許されるなら一緒にいたい。でもその選択肢を捨てたのは俺だった。ギノは情が篤い男だから、潜在犯になっただけで俺を捨てはしない。彼が俺と距離をとっているのは、俺が佐々山を殺した犯人に、いもしない犯人に夢中になっているからだった。それに色相だってそんなに悪くはないんだ。もし矯正施設でプログラムを受ければ一般人に戻れるかもしれないくらいに。けれどそれを勧めるギノを拒否して、俺は彼とともに働いている。
984時緒🍴自家通販実施中
TRAININGうとうとする狡噛さんのお話。800文字チャレンジ96日目。
not awaken(ねんねこねんねこ) 狡噛が寝入っている時の顔を見るのが好きだ。密集して生えたまつ毛が影を作って、それは少し歳を重ねて痩せた頬に影を作る。形のいい鼻筋には癖っ毛がかかり、薄く開いた唇は小さく開閉している。狡噛はあまり眠りが深くないから、こういうのを見せることは少ない。長い間一緒に寝ているけれど、これで二度目くらいだ。だから俺は深く観察する。美しく滑らかな頬、かさついてもなだらかに膨らむ唇、そしてゆっくりと開いてゆく青い瞳。俺は青い瞳が一番好きだ。そこに自分が映るのが一番好きだ。かすれた声でギノ、と呼ばれるのが一番好きだ。彼がそばにいればなんだっていいんだけれど、彼が俺を確認するさまが好きなのだった。
「……何時間寝てた?」
944「……何時間寝てた?」
時緒🍴自家通販実施中
TRAINING狡噛さんの癖について。800文字チャレンジ95日目。
癖(あなたの好きなところ) 狡噛は唇をいじる癖がある。考え事をする時それは頻繁になって、それはよくある癖なのに、俺はそれが気になってたまらなくなる。唇。言葉を発するところ、唇同士を重ね合わせて愛情を伝えるところ、苦しそうに、気持ちよさそうに声を出すところ。俺はそんなことを想像してしまって、彼がブリーフィングルームで新しい事件のファイルを見ているのに目をやれなかった。ただ唇をいじっているだけなのに、花城だって、須郷だって同じ仕草をすることがあるのに、狡噛のそれは俺に取って毒で、甘くて、ほとんど致死量なのだ。認めたくはないことだけれど。狡噛はそれを知っているのだろうか? 心臓の動きが活発になって、体温が上がる。狡噛と視線が合う。彼はゆっくりと舌で持って唇を舐める。セックスをしている時みたいにゆっくりと、俺の唇を舐める時みたいにゆっくりと。
920時緒🍴自家通販実施中
TRAININGベッドの上での2人。800文字チャレンジ94日目。
気まぐれな熱情(どっちも同じ) かさついた指があごをくすぐる。手のひらが喉仏をさすって、それはだんだんと胸元に下がってゆく。俺はもうほとんど服を着ていなくて、彼は直接俺の肌に触っている。セックスは嫌いじゃない。肌と肌を合わせるのは嫌いじゃない。けれど彼の気まぐれなそれには驚いてしまう。こうやって気まぐれに彼が俺を抱く時、彼は何かを抱えている。俺に言えない何か、機密として秘することを強いられている何かを彼は持っているのだ。だから彼は俺に触る。そうしたら楽になるような気がして。そうしたら秘密を持つ苦しみから逃れられるような気がして。そんなの幻なのに、彼は俺を使って楽になろうとする。俺はそれを拒まない。彼が楽になるのなら、楽になった気分になるのならそれでいい。だって俺も同じようなことをするから。楽になろうとして彼に抱かれることがままあるから。
939時緒🍴自家通販実施中
TRAINING狡噛さんの教室で宿題をする2人のお話。800文字チャレンジ93日目。
ホームワークが終わらない(誰もいない教室) 狡噛の宿題が終わらないことは、本当に滅多にないことだった。いつもはホームルーム中にさっさと終わらせてしまうのに、今日は何故かそれをしなかったらしい。クラスの役員か何かを引き受けさせられたのだろうか? 俺はそんなことを聞いていないから想像なんだけれど、何かあるような気がした。だから俺は狡噛のクラスで一緒に居残りをして、同じように違う宿題をした。するとどうしてかクラスメイトになった気分になって、他に誰もいない、もう皆帰ってしまった教室でタブレットを操作した。
「すまないな、忘れる前にやっときたくってさ。ギノは遊んでくれてていいんだぜ」
狡噛はそう言った。でもそう言われて遊ぶほど俺は怠惰じゃない。友人が勉強しているんなら俺も勉強するさ。
811「すまないな、忘れる前にやっときたくってさ。ギノは遊んでくれてていいんだぜ」
狡噛はそう言った。でもそう言われて遊ぶほど俺は怠惰じゃない。友人が勉強しているんなら俺も勉強するさ。
時緒🍴自家通販実施中
TRAINING結婚式の警護をする行動課の話。800文字チャレンジ92日目。
ジューンブライド(指輪の交換) 梅雨の季節になると、ぱらぱらと雨が降る中結婚式を挙げるカップルが増える。それはジューンブライドの弊害だが、雨に降られる彼らはどこか誇らしげで、今回そんな結婚式の警護に当たることになった俺は、昔した約束を思い出していた。まぁ、くだらない約束だ。結婚式は何月がいい? 俺は六月がいい。雨の中でもきっとギノは綺麗だから。狡噛はそんなふうに言って、その約束はまだ果たされないのだが、まぁ、子どもの頃の約束とはそういうものなんだろう。もしかしたら彼も忘れているかもしれない。結婚式についてなんて、ありきたりな熱っぽい時期の約束だから。
「雨が降り始めました。滑らないよう気をつけてください」
俺は新婦たちにそう言いながら彼女を庇う。彼女は海外調整局のお偉方の娘で、その伝手で俺たちが警護にあたることになっていた。念のためだが恨みを買っている可能性もある。俺たちを手駒にして動かすことをなんとも思わない人間の娘なのだからそれも仕方がないのだろう。
968「雨が降り始めました。滑らないよう気をつけてください」
俺は新婦たちにそう言いながら彼女を庇う。彼女は海外調整局のお偉方の娘で、その伝手で俺たちが警護にあたることになっていた。念のためだが恨みを買っている可能性もある。俺たちを手駒にして動かすことをなんとも思わない人間の娘なのだからそれも仕方がないのだろう。
時緒🍴自家通販実施中
TRAINING海外で過去の約束を思う狡噛さんのお話。800文字チャレンジ91日目。
壊れた約束(あなたのために) ずっと一緒にいるから、そんな約束をしたのは、俺たちがまだ日東学院にいた頃だった。その言葉は存外にするりと出てきた。俺はギノを喜ばせたくて、彼の家庭環境を知ってそう言った。ずっと一緒にいるから、一人にはしないから、だから俺の手を取ってくれないか。そんなふうに、映画みたいな台詞を使った。今ではバカだったと思うがあの時は本気だったし、恋愛における約束というものは大体そんなものなのだろう。
俺がその約束を破ったのは、きっと執行官堕ちをしてからだ。もしあのまま、平穏なまま時が過ぎ去っても、一生執行官として生きるしか術がなかった俺と、公安から厚生省に上がる約束があったギノじゃあ上手くはいかなかっただろう。青柳とその恋人がそうだったように、俺もあんなふうに終わっていたかもしれない。俺の場合は槙島がそうさせたが、また違った事件で独断専行をして、彼から離れたかもしれない。そして今は海外を放浪している。これじゃあ一緒にいるどころか、他の国に渡航してしまって同じ言葉も喋れない。
942俺がその約束を破ったのは、きっと執行官堕ちをしてからだ。もしあのまま、平穏なまま時が過ぎ去っても、一生執行官として生きるしか術がなかった俺と、公安から厚生省に上がる約束があったギノじゃあ上手くはいかなかっただろう。青柳とその恋人がそうだったように、俺もあんなふうに終わっていたかもしれない。俺の場合は槙島がそうさせたが、また違った事件で独断専行をして、彼から離れたかもしれない。そして今は海外を放浪している。これじゃあ一緒にいるどころか、他の国に渡航してしまって同じ言葉も喋れない。