hisoku
DOODLE # sgo1000文字第12回のお題『イベント前夜/イベント/イベントその後』をお借りして書きました。以前書いた1000文字掌篇「先ずは謝れ」「こうやってするものなのか」と同じ杉や尾の話で、恋愛経験はないのに拘りだけはあるピュア尾の話です。クリスマスとか大晦日とか正月とか誕生日とか 慣れてはきたが、ともすると連中は直ぐに俺の家へ集まろうとする。その上、年末年始はイベントが多くて少し適わない。
今夜の鍋はすき焼きで隣を陣取って座る杉元の横顔を見つめる。今夜も鍋奉行を務めていて愉しそうに見えた。
クリスマスなのにすき焼きかぁ。
胡座から正座になった白石が言葉とは裏腹に愉しそうな声で呟き、それを聞いた房太郎がビールを手酌しながら、チキンよりも牛肉の方が豪華で良いじゃないか、と云って白石の背中を景気好く叩く。
クリスマスねえ。普段は信仰心の信の字も持ち合わせていないくせになんで皆クリスマスに集まるのだろう。
見ず知らずの他人の誕生日に酒飲んで飯も気合いを入れて用意して愉しいか?
食台に肘をついてグラスを揺らしながら呟くと杉元が苦笑いをする。
1080今夜の鍋はすき焼きで隣を陣取って座る杉元の横顔を見つめる。今夜も鍋奉行を務めていて愉しそうに見えた。
クリスマスなのにすき焼きかぁ。
胡座から正座になった白石が言葉とは裏腹に愉しそうな声で呟き、それを聞いた房太郎がビールを手酌しながら、チキンよりも牛肉の方が豪華で良いじゃないか、と云って白石の背中を景気好く叩く。
クリスマスねえ。普段は信仰心の信の字も持ち合わせていないくせになんで皆クリスマスに集まるのだろう。
見ず知らずの他人の誕生日に酒飲んで飯も気合いを入れて用意して愉しいか?
食台に肘をついてグラスを揺らしながら呟くと杉元が苦笑いをする。
mituguu
DONE【銀博♂︎】現パロで一緒にたいがドラマをみる銀博|博の顔はボカシてるが可愛い系|うわさのすぅぱぁなセメ様なネタをやりたかった|ちゅーしてます|やりたい放題です、ごめんなさい「おっ、良いところに来た」
ドクターのもとにやって来たシルバーアッシュは、相変わらず高そうなスーツに身を包んでいた。
見た目はいかにも偉そうなのに、声をかけたら頭上にある丸い耳が左右に揺れている。
雰囲気に反して可愛い仕草だと思うが、あとあと面倒くさいので言わないでおく。
ドクターがサージカルマスクを外したら、ゆらゆら揺れているシルバーアッシュの太い豹柄の尾が頬を撫でてきた。
「時間ある?今からドラマ見ようと思ってて、一緒にどうかな」
「良いだろう」
さっさとソファに座ったシルバーアッシュは、ドクターを見上げて優雅に微笑んだ。そして無言で隣を手で叩いている。
座れと催促され「はいはい」と軽く返事をした。
「全部見たら三時間くらいかかるんだけど、大丈夫?」
4749ドクターのもとにやって来たシルバーアッシュは、相変わらず高そうなスーツに身を包んでいた。
見た目はいかにも偉そうなのに、声をかけたら頭上にある丸い耳が左右に揺れている。
雰囲気に反して可愛い仕草だと思うが、あとあと面倒くさいので言わないでおく。
ドクターがサージカルマスクを外したら、ゆらゆら揺れているシルバーアッシュの太い豹柄の尾が頬を撫でてきた。
「時間ある?今からドラマ見ようと思ってて、一緒にどうかな」
「良いだろう」
さっさとソファに座ったシルバーアッシュは、ドクターを見上げて優雅に微笑んだ。そして無言で隣を手で叩いている。
座れと催促され「はいはい」と軽く返事をした。
「全部見たら三時間くらいかかるんだけど、大丈夫?」
kanzou_sabana
DONE ##バポ#現パロ
朝活バポ。
いつもは拉致られる現パロバポのポ君ですが、昨夜は夜襲を受けたようです(笑)
汚ねぇ自室の小さなキッチンで王様が不器用に珈琲淹れとるとゆー萌シチュでした(笑)
いつもはお付きがやるからね、こーゆーのは(笑)
ポイピクミッシェルさん
DONE今年は月イチでSS書くぞ!と決めたので早速書きました。タイトルはそのまんまなので味気ないです😂
セッフレのsgoが恋人になるハピエンのお話です。
2023年1月「…」
「あ、おかえり」
「…ただいま」
また尾形が帰ってきた。
帰ってきた、というのは少し違う感じだが、帰ってきた。
「冷蔵庫、開けるぞ」
ぼそりと呟くように言って尾形は冷蔵庫から麦茶のボトルを取り出した。
「はい」
俺が花柄のコップを差し出すと「ありがと」と言って受け取り居間まで行ってそれをテーブルに置き、自分も座った。尾形は自分で注いだ麦茶を一口飲んで、肺ごと出てくるんじゃないかというほどの大きなため息をついてテーブルに伏せった。
尾形はこの家の住人じゃない。お隣さんだ。だから帰ってきた、はおかしい。そして俺たちは家族でも恋人でもない。まあ友だちと言えば友だちだが何もないと言えば嘘になる…そんなちょっと後ろめたい間柄だ。小学校の頃からのツレで「目つきが悪い」とか「態度が悪い」とかいう理由で喧嘩から始まった腐れ縁、だったはず。詳しい所は忘れてしまったくらい過去の話だ。その割にはいい歳になった今でも何となくずるずるとここまで来た感じ、と多分尾形は思っている、と思う。
4958「あ、おかえり」
「…ただいま」
また尾形が帰ってきた。
帰ってきた、というのは少し違う感じだが、帰ってきた。
「冷蔵庫、開けるぞ」
ぼそりと呟くように言って尾形は冷蔵庫から麦茶のボトルを取り出した。
「はい」
俺が花柄のコップを差し出すと「ありがと」と言って受け取り居間まで行ってそれをテーブルに置き、自分も座った。尾形は自分で注いだ麦茶を一口飲んで、肺ごと出てくるんじゃないかというほどの大きなため息をついてテーブルに伏せった。
尾形はこの家の住人じゃない。お隣さんだ。だから帰ってきた、はおかしい。そして俺たちは家族でも恋人でもない。まあ友だちと言えば友だちだが何もないと言えば嘘になる…そんなちょっと後ろめたい間柄だ。小学校の頃からのツレで「目つきが悪い」とか「態度が悪い」とかいう理由で喧嘩から始まった腐れ縁、だったはず。詳しい所は忘れてしまったくらい過去の話だ。その割にはいい歳になった今でも何となくずるずるとここまで来た感じ、と多分尾形は思っている、と思う。
hisoku
DOODLE過去作に「猫は火を恐れない」という杉尾小説があるんですけど、そのうちの一章が雪の日の話だったので今日の気分で引っ張ってきました。物語のあらすじは車に轢かれそうになった猫と魂を半分ずつ使って山で炭焼きとして生きていた杉の元へ逢いに行った尾の話で、百というのが尾と猫が半分ずつ魂を使って生きていた頃の猫耳猫尻尾持ちの男の子のことで、今は尾の心の一部として生きていて、尾自身は百之助と杉から呼ばれています。猫は喜び庭駈けまはる ぎしりと畳の上を歩く足音がした後、しゃっとカーテンを勢いよく開く音と共に、寝室に柔らかい乳白色の光が射し込んできた。尾形だ。
佐一、起きろ。
んー。
起、き、ろ。
被っていた布団を捲ると前髪を退けて、尾形が眠っている人の額に顎を押しつけてごりごり擦り付けてくるという嫌がらせのような起こし方をしてくる。朝の髭は短く新しく生えたばかりのものが混ざっていて、夜に触れる時よりもちくちくとして痛い。じょりじょりと音がしている気すらする。これをしたら絶対起きると解っていてやるのだ。独特すぎて、ふふふ、と目を閉じたまま笑ってしまった。ここで一緒に暮らしているうちに性格も以前より穏やかに丸くなってきたと思うが、時々、こういう変なことをしてくる。
7680佐一、起きろ。
んー。
起、き、ろ。
被っていた布団を捲ると前髪を退けて、尾形が眠っている人の額に顎を押しつけてごりごり擦り付けてくるという嫌がらせのような起こし方をしてくる。朝の髭は短く新しく生えたばかりのものが混ざっていて、夜に触れる時よりもちくちくとして痛い。じょりじょりと音がしている気すらする。これをしたら絶対起きると解っていてやるのだ。独特すぎて、ふふふ、と目を閉じたまま笑ってしまった。ここで一緒に暮らしているうちに性格も以前より穏やかに丸くなってきたと思うが、時々、こういう変なことをしてくる。
かれん
DONEかわいい光鹿描かれる高科さんの芸能パロ漫画からお借りしたイメージのお衣装で。抱かれたい男No1?俳優光秀。🥺
なんか絶対舞台俳優とか似合いそう。エリザベートのトート閣下とかやってほぢ。
前の下書きよりだんぜんよくなったな✨ 2
ysk_ota
DONE11/13webイベント「threepiece」で出したかった勇杉尾です。まだ書いてないけどモブ杉の要素あり
※完成するときには大幅に変わる可能性があります。
※タイトルは「聖絶」という意味のへブル語で、ハラムと読みます。仮置きです。
1/18追記
杉左固定って言ったけど、勇尾の真ん中に挟んでリバにしますわ。そっちの方が自然だし。勇杉で杉尾で勇尾です! 20220
ringofeb9
MOURNINGhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=18766346のアナザーストーリーもしくはhttps://www.pixiv.net/novel/show.php?id=17806949の続き。江がメイン。江の関係性は共通の友人と思っていただければ。慣れないことを沢山しているので雰囲気でどうぞ。 15735yuko.
PAST別ジャンルCPで埋める話を書いた事があったので。【現パロのロー🐯コラ💋でモブを埋める話】※流血、ややグロ、不穏、要素あり。でもハピエンです※
上記に問題なく何でも許せますか?↓(yes/no) 1799
hisoku
DOODLE下らない会話をするsgoです杉元語り
過去作のリライトです
朝一番に見えるもの 春眠暁を覚えず、とはいえ、もう初夏だ。カーテンから漏れる朝の光が眩しい。少し乱暴なくらいだ。スマートフォンを掴み時間を確認する。午前九時だ。よく寝た。隣にいる尾形はまだ寝ているのか、呼び掛けてみると向けられていた背中が動いてこちらに向き直る。
鎖骨あたりに三つ、昨夜の情事の痕が残っていて見つめてしまう。色がレンゲソウや木苺みたいだ。こうやって綺麗に簡単につくから、ついつけたくなる。これでセックスをしたのは三回目で、昨日も俺から誘った。
はよ。
ん。
朝の尾形はいつにも増して気怠そうに見える。仰向けになると尻をずらして隣り合う身体が触れるくらいに近付いてきて、肩と肩とがぶつかる。外は天気が良いし、今日はこれから尾形と何をして過ごそうか。ぼんやり考えながら頭の下に手のひらを差し込み、寝室の蛍光灯のシーリングライトを見上げた。
1800鎖骨あたりに三つ、昨夜の情事の痕が残っていて見つめてしまう。色がレンゲソウや木苺みたいだ。こうやって綺麗に簡単につくから、ついつけたくなる。これでセックスをしたのは三回目で、昨日も俺から誘った。
はよ。
ん。
朝の尾形はいつにも増して気怠そうに見える。仰向けになると尻をずらして隣り合う身体が触れるくらいに近付いてきて、肩と肩とがぶつかる。外は天気が良いし、今日はこれから尾形と何をして過ごそうか。ぼんやり考えながら頭の下に手のひらを差し込み、寝室の蛍光灯のシーリングライトを見上げた。
hisoku
DOODLE # sgo1000文字第13回のお題「来週の予定を聞く」をお借りして書き納めを、尾語り
来週なんて来週だけど。
ふいにそう杉元に訊かれた。が、来週と聞くと、ついその週の労働についての方を、抱えている案件の進捗の方を思い浮かべてしまう。スーツを着ている時に訊かれれば尚更だ。それでうっかり顔を曇らせてしまったのだが、杉元はきっとなんでそんな嫌そうにするんだよと思っただろうと思う。顔を見て、違うんだ、という気持ちでついた溜め息を聞いて杉元が今度は萎縮して、何でもない、と云い止してしまい、俺も何を訊こうとされていたのか訊くに訊けなくなってしまった。短い沈黙が流れ、お疲れ、と言い合って解散をした。来週、末のことだろうか。来週は第四週だ。
歩きながら足元を見下ろして、落ちていた小石を白線を越えないよう遠くまで蹴ることが出来たなら、次はちゃんと受け答えが出来る、と願を掛けて蹴り、歩いて追い付いた小石が白線の上にあるのを見て、線上を内側に含むか含まないかまでは決めていなかったと目を閉じた。
1048ふいにそう杉元に訊かれた。が、来週と聞くと、ついその週の労働についての方を、抱えている案件の進捗の方を思い浮かべてしまう。スーツを着ている時に訊かれれば尚更だ。それでうっかり顔を曇らせてしまったのだが、杉元はきっとなんでそんな嫌そうにするんだよと思っただろうと思う。顔を見て、違うんだ、という気持ちでついた溜め息を聞いて杉元が今度は萎縮して、何でもない、と云い止してしまい、俺も何を訊こうとされていたのか訊くに訊けなくなってしまった。短い沈黙が流れ、お疲れ、と言い合って解散をした。来週、末のことだろうか。来週は第四週だ。
歩きながら足元を見下ろして、落ちていた小石を白線を越えないよう遠くまで蹴ることが出来たなら、次はちゃんと受け答えが出来る、と願を掛けて蹴り、歩いて追い付いた小石が白線の上にあるのを見て、線上を内側に含むか含まないかまでは決めていなかったと目を閉じた。
hiwanoura
DONEパティシエのタルタリヤと大学の先生をしている鍾離先生の現パロ鍾タルの、引越し初日の話。※この2人はまだ付き合っていません(忘れがちな設定)
パティシエのタルタリヤと大学の先生な鍾離先生の話⑥「公子殿、ちょっとそこに座ってくれないか」
酷く真剣な顔で呼ばれ、示されたのはリビングに敷かれたラグの上。毛足の長いそれは、直接腰を下ろしても冷たくは無いだろうが、正直さっきまで布団の中にいた身としては、座りたくないなぁと思うのが本音だった。え、いきなりなんで…?とまだ眠気から覚醒しきれていない頭で考えつつ、しかし、相手の雰囲気は明らかに逃がしてはくれそうになくて。とりあえず「はい」と答えて大人しく腰を下ろした。呼びつけた張本人が正座をしていたのでそれに習い、同じように足を折って。膝を突合せたところで「あれはどういう事だ?」と、スラリと長い指が示したのは、キッチンの片隅にある冷蔵庫だった。
「冷蔵庫…だね?」
3525酷く真剣な顔で呼ばれ、示されたのはリビングに敷かれたラグの上。毛足の長いそれは、直接腰を下ろしても冷たくは無いだろうが、正直さっきまで布団の中にいた身としては、座りたくないなぁと思うのが本音だった。え、いきなりなんで…?とまだ眠気から覚醒しきれていない頭で考えつつ、しかし、相手の雰囲気は明らかに逃がしてはくれそうになくて。とりあえず「はい」と答えて大人しく腰を下ろした。呼びつけた張本人が正座をしていたのでそれに習い、同じように足を折って。膝を突合せたところで「あれはどういう事だ?」と、スラリと長い指が示したのは、キッチンの片隅にある冷蔵庫だった。
「冷蔵庫…だね?」
hisoku
DOODLE昔書いた元日に二人で出掛ける杉と尾の話をリライトしました。尾語り。初御空 光が柔らかい朝の八時だ。
運転中、カーステレオからストリングスが聴こえてきた。洋楽だ。ヴァイオリンを中心とした弦楽器の音の重なりが心地好く響いて円い明るい色をした感情を胸の中に呼んでくる。連れてきて高揚した気分になる。それを聴いて、泉の底の方から澄んだ清らかな水がこんこんと湧き出でてくるように気宇壮大な人格となれている今こそ、杉元に逢いたいと思う。素直に接することが出来るんじゃないかと思う。可愛げのある態度の一つも取れるんじゃないか。今、この瞬間に奴の前に立てれば、こんな俺でも少しはましに見えるかもしれない。いいな。この曲はまた聴きたい。しかしラジオで偶然に聴いたものだから曲名は聞き取れなかった。
3140運転中、カーステレオからストリングスが聴こえてきた。洋楽だ。ヴァイオリンを中心とした弦楽器の音の重なりが心地好く響いて円い明るい色をした感情を胸の中に呼んでくる。連れてきて高揚した気分になる。それを聴いて、泉の底の方から澄んだ清らかな水がこんこんと湧き出でてくるように気宇壮大な人格となれている今こそ、杉元に逢いたいと思う。素直に接することが出来るんじゃないかと思う。可愛げのある態度の一つも取れるんじゃないか。今、この瞬間に奴の前に立てれば、こんな俺でも少しはましに見えるかもしれない。いいな。この曲はまた聴きたい。しかしラジオで偶然に聴いたものだから曲名は聞き取れなかった。
自由電子
MOURNING甘いものが好きだったらかわいいよねという話。ネタはいっぱいあるので、自分用にちまちまと書けたらいいなと思っています。
現パロですが甘党兵ズと銘打ってシリーズもどきにしたい所存。
腐ではありませんが、腐の人間が書いていますのでご自衛ください。
月島さんと尾形がこっそり甘いものを食べる話疲れた。
今日も今日とて、定時とは仲良くできないようだ。
腕の金属も、皆が持つ四角い鉄の塊も見たくない。何時かなんかは考えなくていい。肩にぶら下がるバックパックは前抱きにしても、重力を一身に受け、疲労感を倍掛けしていく。
電車の窓に映る顔は、鉄面皮と呼ばれる顔に拍車がかかり、目は落ちくぼんで、目の下の溝は色濃く深まるばかりだ。
黒い鞄に黒いスーツ、夜の真っ暗な景色に映りこむ白い顔は、心霊写真にも見えるだろうと、我ながら考えてしまう。
しかし、普段と違うのは今日が華の金曜。そう華金だ。一週間の疲れも少し軽くなる気がする。
せっかくだからと、酒を飲みに夜の街に繰り出すのも良いが、いかんせん、疲れが酷い。こんな日は悪酔いしたり、すぐに酔ったり次の日に響くのが目に見えている。
7254今日も今日とて、定時とは仲良くできないようだ。
腕の金属も、皆が持つ四角い鉄の塊も見たくない。何時かなんかは考えなくていい。肩にぶら下がるバックパックは前抱きにしても、重力を一身に受け、疲労感を倍掛けしていく。
電車の窓に映る顔は、鉄面皮と呼ばれる顔に拍車がかかり、目は落ちくぼんで、目の下の溝は色濃く深まるばかりだ。
黒い鞄に黒いスーツ、夜の真っ暗な景色に映りこむ白い顔は、心霊写真にも見えるだろうと、我ながら考えてしまう。
しかし、普段と違うのは今日が華の金曜。そう華金だ。一週間の疲れも少し軽くなる気がする。
せっかくだからと、酒を飲みに夜の街に繰り出すのも良いが、いかんせん、疲れが酷い。こんな日は悪酔いしたり、すぐに酔ったり次の日に響くのが目に見えている。
parvus_yuu
TRAINING現パロの甘さ増し増しウォロシマ。ボシさんはヒスイで寿命を全うした後に現代へ転生。
長寿ォロは、ずっと彼女が生まれ変わるの待ってた設定。
結婚後、初の冬を迎えた…な頃。
受けて、継ぐもの仕事を終えて帰宅したウォロは、玄関に置いてあった大きな段ボール箱の荷札を見ると顔をほころばせた。
「ただいま帰りました!」
「おかえり」
リビングの扉を開けて帰宅を告げると、台所から声だけが聞こえる。先に帰宅していたシマボシは料理中だったらしい。
ウォロが顔を出すと、彼女はタオルで手を拭いて駆け寄ってきた。
「すまない、洗い物をしていて」
「気にしないで下さい」
そう言ってシマボシの身体をぎゅっと抱き締めると、シマボシも腕をウォロの背中に回して応えてくれる。
「今日のご飯はなんですか?」
「肉じゃがにしたのだが……」
「やった!」
手先が器用なウォロは和洋中その他何でも美味しく作れるのだが、いわゆる家庭料理の部類はシマボシの味が大好きだ。
1632「ただいま帰りました!」
「おかえり」
リビングの扉を開けて帰宅を告げると、台所から声だけが聞こえる。先に帰宅していたシマボシは料理中だったらしい。
ウォロが顔を出すと、彼女はタオルで手を拭いて駆け寄ってきた。
「すまない、洗い物をしていて」
「気にしないで下さい」
そう言ってシマボシの身体をぎゅっと抱き締めると、シマボシも腕をウォロの背中に回して応えてくれる。
「今日のご飯はなんですか?」
「肉じゃがにしたのだが……」
「やった!」
手先が器用なウォロは和洋中その他何でも美味しく作れるのだが、いわゆる家庭料理の部類はシマボシの味が大好きだ。
hisoku
DOODLE走り書きあまり長篇小説では書いていないけど喫煙家の尾も好きです
キス 換気扇の回る音がしていた。杉元の住む部屋の台所にあるその換気扇は羽根の色が明るい金茶色をした、紐を引いて起動させるプロペラファンタイプで俺がつけた。煙草を吸おうと思ってその紐を引き、コンロで火も拝借しようと考えていた。あ、という声がして視線を上げると、杉元がどかどかと足早にこちらにやってくるなり、俺の持ってきていた煙草の箱を奪って三角コーナーに投げ入れて、コンロの火を消す。余りに無駄のない動きに思わず見惚れて拍手をすると、間髪を入れず指と指の間に挟んで持っていた残りの一本も取り上げて握り潰し、そいつも三角コーナーの中へ放り込んだ。
その態度に怒りよりも面白いものを見た気がして杉元の顔を見る。こいつは嫌煙家だったけか。そうだと意識はしたことはなかったが、それでも気を利かせて場所を選んで吸おうと思ったのにまだ配慮が足りなかったか。咥える予定で半開きになっていた口を杉元が凝視してくる。
810その態度に怒りよりも面白いものを見た気がして杉元の顔を見る。こいつは嫌煙家だったけか。そうだと意識はしたことはなかったが、それでも気を利かせて場所を選んで吸おうと思ったのにまだ配慮が足りなかったか。咥える予定で半開きになっていた口を杉元が凝視してくる。
とうどう たことら
DONE尾形百之助に嫉妬深さを体で分からせられちゃう話。↓こちらの続きになってるようななってないような。
https://twitter.com/haraga_itaina/status/1602890035006951425?s=46&t=LPQgbLvqXUZURh493BV1Nw
以前、えっちなお話かくったーで出た「最中に電話をさせられる」の要素が入っています。 4
蟹SUN
MENU12/18(日)妖言18 東京 西2ホール ナ56b kakお品書きと本文の概要サンプルです。現パロ本の新刊、原作軸本の既刊、無配のポストカードがあります。よろしくお願いします!
とら▶https://onl.sc/YNB98bW
FOLIO▶https://onl.sc/UBmPKTz 7
hisoku
DOODLE昔書いた掌篇小説です杉語り、尾の寝る時の癖に気付いた話です
両手に収まりきらない程の 同棲を始めて毎晩一緒に寝るようになって、尾形が寝ている間はいつも両手を握っていて、ぐーをしている事に気が付いた。毎晩、毎晩、時には眠る前に手を繋いでいたりすることがあっても、いざ眠りに落ちて繋いでいた手がするりと解けると同時にぐーになる。きっかり両手を握り締めていて、ぱーの手になっていた事がない。柔くもなく常にきつく握り締められていて、それに気付いてから目にする度に不思議だと思った。
こいつは力んで寝ているのだろうか、そんな力を入れたまま寝て休めているのだろうか。夜中にトイレに起きたついでに気になって握っている手の指を開かせてみたくなった。腹這いになって尾形の手元に顔が来るように寝そべり、一本ずつ曲げている指の関節を伸ばしてやろうと指に触れる。親指は人差し指の隣につけられていたので、先ずはそれをそっと横にずらした。出来た隙間から人差し指の第一関節を優しく掴むと起こさないよう細心の注意を払いながら手のひらから離すように伸ばしてやる。開いたら、自分の手の甲の縁で押さえて中指も広げようとした時に声がした。
1150こいつは力んで寝ているのだろうか、そんな力を入れたまま寝て休めているのだろうか。夜中にトイレに起きたついでに気になって握っている手の指を開かせてみたくなった。腹這いになって尾形の手元に顔が来るように寝そべり、一本ずつ曲げている指の関節を伸ばしてやろうと指に触れる。親指は人差し指の隣につけられていたので、先ずはそれをそっと横にずらした。出来た隙間から人差し指の第一関節を優しく掴むと起こさないよう細心の注意を払いながら手のひらから離すように伸ばしてやる。開いたら、自分の手の甲の縁で押さえて中指も広げようとした時に声がした。
hisoku
DOODLE作る料理がだいたい煮物系の尾形の話です。まだまだ序盤です。筑前煮 夜の台所はひんやりとする。ひんやりどころではないか。すうっと裸足の足の裏から初冬の寒さが身体の中に入り込んできて、ぬくもりと入れ換わるように足下から冷えていくのが解る。寒い。そう思った瞬間ぶわりと背中から腿に向かって鳥肌も立った。首も竦める。床のぎしぎしと小さく軋む音も心なしか寒そうに響く。
賃貸借契約を結ぶにあたって暮らしたい部屋の条件の一つに、台所に据え付けの三口ガス焜炉があるということがどうしても譲れず、その結果、築年数の古い建物となり、部屋も二部屋あるうちの一部屋は畳敷きになった。少し昔の核家族向けを意識して作られた物件らしく、西南西向きでベランダと掃き出し窓があり、日中は明るいが、夏場には西日が入ってくる。奥の和室の方を寝室にしたので、ゆったりとしたベッドでの就寝も諦め、ちまちまと毎日布団を上げ下げして寝ている。また、リフォームはされているが、気密性もま新しい物件と比べるとやはり劣っていて、好くも悪くも部屋の中にいて季節の移ろいを感じることが出来た。ああ、嫌だ、冬が来た。寒いのは苦手だ。次の休日に部屋を冬仕様をしねえとと思う。炬燵を出すにはまだ早いか。洋間のリビングの敷物は冬物に替えとくか。気になるところは多々あれど住めば都とはいったもので、気に入って暮らしてはいて、越してきてもう三年目の冬になった。
3423賃貸借契約を結ぶにあたって暮らしたい部屋の条件の一つに、台所に据え付けの三口ガス焜炉があるということがどうしても譲れず、その結果、築年数の古い建物となり、部屋も二部屋あるうちの一部屋は畳敷きになった。少し昔の核家族向けを意識して作られた物件らしく、西南西向きでベランダと掃き出し窓があり、日中は明るいが、夏場には西日が入ってくる。奥の和室の方を寝室にしたので、ゆったりとしたベッドでの就寝も諦め、ちまちまと毎日布団を上げ下げして寝ている。また、リフォームはされているが、気密性もま新しい物件と比べるとやはり劣っていて、好くも悪くも部屋の中にいて季節の移ろいを感じることが出来た。ああ、嫌だ、冬が来た。寒いのは苦手だ。次の休日に部屋を冬仕様をしねえとと思う。炬燵を出すにはまだ早いか。洋間のリビングの敷物は冬物に替えとくか。気になるところは多々あれど住めば都とはいったもので、気に入って暮らしてはいて、越してきてもう三年目の冬になった。
hisoku
DOODLEキスをした後にじゃれるsgoです杉元語り
フレーバー キスするの久し振りだ。
そう思いながら胸の上にいる尾形の襟足を撫でる。催促のサインだ。尾形が目を伏せて、それからゆっくりと顔を下ろしてきてくれる。ああ、そう、睫毛、長いんだよな。ほんの一、二秒、瞼を閉じる様を見届けながら顔を斜めに傾けて唇を合わせた。少し顔を上向きにして口を開いて迎え入れてくれる。舌と舌とがぶつかって這わせ合うと尾形が舌を引っ込めた。それを追う。すると今度は顎を引かれて重ねていた唇が離れていった。
お前、何を口にした?
顔をしかめて問われて首を傾げる。
舌がぴりぴりする。
何のことを云っているか解って顔が赤くなった。
杉元、辛い。
ごめん、マウスウォッシュ、使った。あ、や、デンタルリンスっていうやつ。
1150そう思いながら胸の上にいる尾形の襟足を撫でる。催促のサインだ。尾形が目を伏せて、それからゆっくりと顔を下ろしてきてくれる。ああ、そう、睫毛、長いんだよな。ほんの一、二秒、瞼を閉じる様を見届けながら顔を斜めに傾けて唇を合わせた。少し顔を上向きにして口を開いて迎え入れてくれる。舌と舌とがぶつかって這わせ合うと尾形が舌を引っ込めた。それを追う。すると今度は顎を引かれて重ねていた唇が離れていった。
お前、何を口にした?
顔をしかめて問われて首を傾げる。
舌がぴりぴりする。
何のことを云っているか解って顔が赤くなった。
杉元、辛い。
ごめん、マウスウォッシュ、使った。あ、や、デンタルリンスっていうやつ。
meemeemeekodayo
REHABILI彧嘉の現パロ。メイク男子かっかちゃん涙袋をきらきらにしたい夜もある待ち合わせまであと数十分。彼の性格的にとっくに指定の場所で立っていそうだが約束は約束だからもう少しだけのんびりしていく。
コンビニで買った常温の水を開けて喉を潤し、ついでにかさついた唇にリップクリームを塗る。無香料で色味も何もないものだが塗るだけで不思議と気分が上がるのだ。
駅の連絡通路を歩く最中にあった鏡に自分が映る。リップクリームで艶が出たのだろう、今日は顔色が随分といい。立ち止まって前髪を整えるともっと綺麗にしておきたいという欲が芽生えた。
僅かにべたつく唇を何度か開いて閉じて、それからふらりとドラッグストアに入る。
駅ナカの狭い店だから最低限の品揃えしかない、と思いきやメイク系のものは大概揃っていた。郭嘉とて特別詳しい訳ではない。しかしどれが何処に使うべきものかくらいは把握している。
1451コンビニで買った常温の水を開けて喉を潤し、ついでにかさついた唇にリップクリームを塗る。無香料で色味も何もないものだが塗るだけで不思議と気分が上がるのだ。
駅の連絡通路を歩く最中にあった鏡に自分が映る。リップクリームで艶が出たのだろう、今日は顔色が随分といい。立ち止まって前髪を整えるともっと綺麗にしておきたいという欲が芽生えた。
僅かにべたつく唇を何度か開いて閉じて、それからふらりとドラッグストアに入る。
駅ナカの狭い店だから最低限の品揃えしかない、と思いきやメイク系のものは大概揃っていた。郭嘉とて特別詳しい訳ではない。しかしどれが何処に使うべきものかくらいは把握している。
parvus_yuu
TRAINING今日の仕事、上司が仕事丸投げマンと自己中パワハラマンに振り回されて不憫になったので供養(に全くなっていない)嫁さんに癒やされてくれ…
弊ウォロシマは互いのスマホ位置情報を見られるようになってます。そういう機能あったよね?たぶん。
一緒に帰ろう今週は、とにかく仕事が多忙を極めた。
特に月末である今日はただでさえ仕事が多いのに、ろくに仕事をしない営業とパワハラ気味の他部署先輩に挟まれてそのフォローをしていたら、タフなシマボシといえどメンタルはあっという間にすり潰された。
定時を三時間程過ぎ、何とか帰宅出来る目処が立った所でシマボシはスマホを確認する。
二時間程前に、ウォロから連絡が来ていた。画面を開くと、美味しそうなスープの画像が現れる。
『今晩はミネストローネですよ』
ハートマークが連なるスタンプと一緒にメニューが記されていた。
「……」
しんと冷え切った一人きりのオフィス、疲労困憊した心身にそれはじんわりと染み渡る。
『疲れた』
今日は精神的に相当参っているらしい。いつもは絶対に書かない弱音を、ポロリと送ってしまった。
1429特に月末である今日はただでさえ仕事が多いのに、ろくに仕事をしない営業とパワハラ気味の他部署先輩に挟まれてそのフォローをしていたら、タフなシマボシといえどメンタルはあっという間にすり潰された。
定時を三時間程過ぎ、何とか帰宅出来る目処が立った所でシマボシはスマホを確認する。
二時間程前に、ウォロから連絡が来ていた。画面を開くと、美味しそうなスープの画像が現れる。
『今晩はミネストローネですよ』
ハートマークが連なるスタンプと一緒にメニューが記されていた。
「……」
しんと冷え切った一人きりのオフィス、疲労困憊した心身にそれはじんわりと染み渡る。
『疲れた』
今日は精神的に相当参っているらしい。いつもは絶対に書かない弱音を、ポロリと送ってしまった。
凪子 nagiko_fsm
DONE【みつさこホストパロ】ホストの左近と会社員三成。さこみつに見えなくもないけどみつさこ。【みつさこホストパロ】No.1ホストは生真面目青年がお好きNo.1ホストは生真面目青年がお好き
いわゆるラブホテルのベッドに押し倒されながら、三成は途方に暮れていた。
「あの……」
「ん? どうしました?」
覆い被さっている相手は、立派な体格に少し強面の男前。
「もしかして、初めてですか?」
「…………いや、女性とは、少し」
頼り無さげな三成の返事を聞いて、彼はニヤッと笑った。
二人が出会ったのは約三時間ほど前のことだ。
会社の接待で料亭で食事をし、相手方の希望で二次会に訪れた店はまさかのホストクラブだった。ホストクラブは男性のみは禁止という店がほとんどなのだが、ここは男女問わず入店可能だ。
そこで、相手のお偉方のお気に入りとしてテーブルに呼ばれたのが彼だったわけだ。
7344いわゆるラブホテルのベッドに押し倒されながら、三成は途方に暮れていた。
「あの……」
「ん? どうしました?」
覆い被さっている相手は、立派な体格に少し強面の男前。
「もしかして、初めてですか?」
「…………いや、女性とは、少し」
頼り無さげな三成の返事を聞いて、彼はニヤッと笑った。
二人が出会ったのは約三時間ほど前のことだ。
会社の接待で料亭で食事をし、相手方の希望で二次会に訪れた店はまさかのホストクラブだった。ホストクラブは男性のみは禁止という店がほとんどなのだが、ここは男女問わず入店可能だ。
そこで、相手のお偉方のお気に入りとしてテーブルに呼ばれたのが彼だったわけだ。
furutori
DOODLEコスプレデイ:恐竜の着ぐるみ"兄弟が中に入っている"着ぐるみであることが重要なんだ…という光世さんの拘りでした
気が向いたらちゃんと加工して差し替えます
恐竜のアレ、ちょっと調べたらカラバリあるんですね!ソちゃんはやっぱ黄色かなー😆
サイズは調べてないんで知らんけど、一般成年男性向けの着ぐるみ、190cmには無理があるのではないかと思います
この後たぶん破ける 3
furutori
DOODLE(パスは身長差)前提のコンプライアンス
①成人済ソ②夜の仲良しもある
普段から兄弟の髪とか服とか好き勝手してるから、「これを着てほしい」と言われると断れないソくん
例えそれがえっちな下着だったとしても…
「今年一イイ笑顔してんじゃねぇよ助平兄貴」
三枚目は昨日眠れないからTLで見かけたえっちな下着でも描くか!ってなった落書きです
中途半端で納得いかなかったので現パロ兄弟で再チャレンジしました 3
asamag108
DONEラーヒュンワンライ、お題「学パロ」で所要時間70分。転生パロになりました。
今まで書いたことがないタイプの学パロを、と思って挑んだけどどうだろう…
2022/11/26 2173
hisoku
DOODLEいいフウフの日だったので過去作ですが探し出してきました
前世記憶なし、尾形語り
このパイプオルガンの音色を聴いたのが
今日の日だったらいいなと思い
簡易結婚式 折り畳みテーブルに頭を預け、左耳を天板に押し付けて杉元が目を休めていた。そろそろそいつを畳んで貰わないと布団が敷けない。テーブルの大きさは長辺七十五センチ、短辺五十センチ、高さも五十センチくらいのもので、飯を食う時に使い、食い終わったら畳んで壁際に移していつも立て掛けていた。天板は成形板で脚は天板の木目色に合わせたスチール製で、二人分の飯を乗せたらそれなりにいっぱいになってしまう。そのこじんまりとしたテーブルの天板に上半身を預けて、胡座をかいて丸まっている背中を見つめる。散髪に行ったばかりの襟足が寒そうだ。
杉元、テーブル片付けないのか。
傍に行ってしゃがみこんで肩を叩く。顔を覗き込む。横たわった額の斜め上にスマートフォンがあり、音楽がかかっていた。クラシックか何かで珍しいと思いつつ、タップして止められるかと手を伸ばすと杉元が目を開けてそれを遮った。
1270杉元、テーブル片付けないのか。
傍に行ってしゃがみこんで肩を叩く。顔を覗き込む。横たわった額の斜め上にスマートフォンがあり、音楽がかかっていた。クラシックか何かで珍しいと思いつつ、タップして止められるかと手を伸ばすと杉元が目を開けてそれを遮った。
hisoku
DOODLE走り書きです前世記憶なし、尾語り
何とかして甘いセッススをしたかった杉の話
ハニーおいっ、待て、それ違うだろ、ローションじゃねえ、なんだ、それっ!?
蜂蜜。
は?
蜂蜜だけどっ。
シルエットで杉元が手にしているボトルがいつもと違う形状だと気付いて手首を掴んで問うも、何故か堂々と白状されて、そこから攻防戦が始まった。こいつ、俺の身体にこれをかける気だ、と解った以上、俺はそんなもので身体をべたべたにされたくないし、杉元は杉元で引く気配もない。何がなんでも使う気だ。暗がりでも目で解る。本気の目だ。
やめろ、そんなもん。
いいだろ。
ぐぐぐぐと力を込められて、両手でボトルを手にしている右手を掴んで押し返そうとするが、こっちは寝そべっていて杉元は馬乗りで上から押し付けようとしてきているのだから分が悪い。そもそもの腕力でも勝てそうにない。
1070蜂蜜。
は?
蜂蜜だけどっ。
シルエットで杉元が手にしているボトルがいつもと違う形状だと気付いて手首を掴んで問うも、何故か堂々と白状されて、そこから攻防戦が始まった。こいつ、俺の身体にこれをかける気だ、と解った以上、俺はそんなもので身体をべたべたにされたくないし、杉元は杉元で引く気配もない。何がなんでも使う気だ。暗がりでも目で解る。本気の目だ。
やめろ、そんなもん。
いいだろ。
ぐぐぐぐと力を込められて、両手でボトルを手にしている右手を掴んで押し返そうとするが、こっちは寝そべっていて杉元は馬乗りで上から押し付けようとしてきているのだから分が悪い。そもそもの腕力でも勝てそうにない。
hisoku
DOODLE「色のない寫眞」の杉尾掌篇です前世記憶なし営業写真館を営む尾形と
前世記憶あり小学校教師をしている杉元で
尾形語り
コロナ禍の二人です
尾形が杉元のことを先生と呼んでいます
ディスタンス週末に先生と、杉元とデートをした。
散策して気になったものを写真に撮って歩くあれをした。
カメラは一台、ハーフカメラを持っていった。
それを使って交互に撮るので俺の撮った写真の隣に杉元の撮った写真が並ぶ。
マスクをしてディスタンスを取って歩き、離れているから会話もあまりせず、カメラを使いたい時にだけお互いに名前を呼んで引き留め合い、カメラを相手に手渡す時にだけ近付いて、被写体をフィルムに焼き付けている相手の姿を見つめた。
人通りの少ない路地裏では少しだけ手を繋いだ。
フィルムがなくなったら、俺の店に帰って自室のマットレスの上でセックスをする。
夜遅くまで何回か交わって寄り添いあって眠り、朝早くに杉元は自分の住むアパートへと帰っていく。
499散策して気になったものを写真に撮って歩くあれをした。
カメラは一台、ハーフカメラを持っていった。
それを使って交互に撮るので俺の撮った写真の隣に杉元の撮った写真が並ぶ。
マスクをしてディスタンスを取って歩き、離れているから会話もあまりせず、カメラを使いたい時にだけお互いに名前を呼んで引き留め合い、カメラを相手に手渡す時にだけ近付いて、被写体をフィルムに焼き付けている相手の姿を見つめた。
人通りの少ない路地裏では少しだけ手を繋いだ。
フィルムがなくなったら、俺の店に帰って自室のマットレスの上でセックスをする。
夜遅くまで何回か交わって寄り添いあって眠り、朝早くに杉元は自分の住むアパートへと帰っていく。