Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    HayateFuunn

    @HayateFuunn

    @HayateFuunn

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 51

    HayateFuunn

    ☆quiet follow

    ジェイヴィクってメモしてあったから多分ジェイヴィク

    いつ書いたのかも覚えてないし続きも思い出せない

    ある日の晩、ジェイはブルーノースの郊外にあるホテルを訪れていた。フロントに予約者の名を告げると、番号を告げられる。
    エレベーターに乗り込み、スマホを開いて部屋で待っているであろう人物にメールを送ると、30秒ほどで了承の返事がきた。
    『鍵は開けていますので、どうぞ』
    「万一俺以外が入ってきたらどうするつもりだあいつは……」
    いまいち危機感のない内容に思わずひとりごち、相手がそんな侵入者を許すような場所を会瀬に選ぶはずもないかと思い直す。
    そも、彼もただの不審者ぐらいどうとでもできる。それもわかってはいるが、どうしても、いつまでも出会ったばかりの頃の小さな少年のように思ってしまう。
    本人はすこぶる嫌がっているし、今から部屋で行うことは、少年を相手にすることではないのだが。
    ぽん、とエレベーターが止まる。開いたフロアの告げられた番号を捜して部屋を一つずつ確認していき、目当ての扉にたどり着いて一応ノックをして扉を開く。もちろん鍵をかけることは忘れない。
    「ヴィクター」
    部屋の中では、大きなキングサイズのベッドの縁に腰かけたヴィクターが、ガウンを適当に羽織って湿った髪を乾かしていた。
    本当に羽織っただけで前を閉めておらず、白く薄い体が見えかくれしている。
    「早かったですね」
    「思ったよりも早く終わったからな」
    「時間が余ろうとぴったりだろうと、貴方は市民との交流を優先すると思っていました。少なくとも、あと一時間は遅くなると」
    「おいおい、さすがに先約を優先するぞ」
    「息子さんとの約束はよく破るのに」
    痛いところをつかれ、ジェイはぐっと詰まり頭をかく。全くもって可愛げがない。いつものことだが。
    彼に口で勝てるはずがないのだ。今も昔も。
    隣に座ると、ヴィクターはドライヤーのスイッチを切った。コードを丁寧に巻いて定位置に戻し、冷蔵庫からペットボトルの水を2本持ってくる。サイドテーブルに置いたのを横目に見ながら、白い髪に指を滑らせて瞬きをする。
    「まだ濡れていないか?」
    「粗方乾いていますしいいでしょう。どうせまた汗をかきますし」
    「お前はつくづく、時々驚くほど適当だな」
    ヴィクターは表情を変えず、「O型ですから」と自分も湿ったままの髪に指を絡ませる。
    「血液型と性格に関連性なんてありませんがね」
    「よくわからんが……シャワー浴びてくるから、もう少しちゃんと乾かしておけよ、髪も傷む、んだろう? それに風邪を引いたらどうする」
    「風邪を引いた経験はあまりありませんから、いい体験になるかもしれませんね」
    「またそういうことを……。お前はよくても、残念がる子達がいるだろう。俺も、ではあるが」
    ジェイが言う残念がる子達というのは、彼の髪を弄って遊ぶジャクリーンや過保護気味のノヴァを始めとする、ヴィクターとの交流がある数少ない者たちのことだ。
    「ジャクリーンとか、髪が傷んでいたら泣くんじゃないか。まして風邪をひいたとなれば……」
    「泣くという機能は備わっていませんよ。そのような表情を作るプログラムはありますが。……私が風邪をひかないようにしたいなら、早くシャワーを済ませてください」 
    「わかったわかった」
    このままうだうだと話し続けていても埒は明かないとジェイは降参のポーズをし、シャワールームの扉を開ける。
    先程までヴィクターが使っていたそこはまだ仄かに温かく、服を脱いでもあまり寒さは感じなかった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    🌋🙏😭
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    HayateFuunn

    DONE貴方はノヴァヴィクで『名前を呼んで』をお題にして140文字SSを書いてください。

    140字をゆうに超えた
    まだお互い上手くやれていた頃
    ヴィクターと呼んでみてください。
    唐突な言葉にヴィクの意図を掴みあぐねて、瞬きをして振り返る。
    ソファで寛ぐヴィクは向こうを向いていて表情は読めなかった。
    「えと……ヴィクター?」
    ひとまず望まれるままに呼んでみるも、違和感が物凄い。
    ヴィクターと呼んだのなんて、それこそ出会った頃の初めの数回だ。たった二文字言うか言わないかだけなのに、他の人は皆ヴィクターと呼んでいるのに、彼の名前がヴィクターであること自体が間違いのような気さえしてしまうのだから、慣れというものは不思議だ。
    ヴィクはヴィクで押し黙ってしまうし、本当に何がしたかったんだか。
    「ヴィク?」
    「……顔が見えなければあるいは、と思いましたが。似ていませんね」
    くすくすと肩が揺れて、ヴィクのしたかったことを理解した。複雑なようなそうでもないような。ヴィクの声音はなんとなく楽しそうだっだから、まあいいか。
    ヴィクはそれ以上何も言わなかったし、俺も特に追及する気はなかったからモニターに視線を戻す。
    ヴィクが飲んでいるエスプレッソの香りだけがふわりとラボに漂った。 464

    HayateFuunn

    DONEノヴァヴィクのつもりでノヴァヴィク未満のノヴァとジャクリーンちゃまによるヴィクの髪をラプンツェルにしちゃおうみたいな話(?)3章のEDスチルが可愛くて
    メインストの流れはガン無視しているので普通に仲いい

    捏造幼少期・ヴィクのパパとママの容姿を捏造してる描写・最後の方の終わり方がなんか納得いかない などなどの懸念材料があります
    珍しく外に出ていた。
    ジャクリーンが外に行きたいと言い出して、それならと本を読んでいたヴィクも誘って連れ出そうとしたんだ。
    ヴィクには読書の邪魔だとか真顔のまま不満そうに言われたけど、最終的には読んでいた本を抱えて、ついでに分厚い本を二冊ほどおれに押し付けるように持たせつつ、大人しくついてきてくれた。
    本はめちゃくちゃ重かったけど、拒んだらヴィクは絶対についてきてくれないから、まあこれくらいは対価だと思って甘んじて受ける。
    外と言っても父さんの研究機関にある小さな中庭だ。
    そんなに広くなくて、円形の小さな開けた空間のど真ん中にいちょうの木が一本どんと植えてあってその木を見れるように四方にベンチが置いてあるだけ。
    それでもジャクリーンははしゃいで駆け回っているし、日差しもちょうど差してきてぽかぽかで気持ちよくて、その日差しを浴びるベンチで読書しているうちにヴィクの機嫌もいくらか直ったみたいだ。廊下を歩く研究員の大人たちがおれたちを見つけて手を振ってきたから振り返す。
    ヴィクの髪は陽の光を透かしてちかちかと瞬いて見える。
    そっと触ってみるけど何も言われなかった。かなり集中して読んでいるらし 3876