present君はまるで薬箱のよう。
そんな歌を思い出したよ、今日君が出迎えてくれた時に。
疲れてても君の笑顔をみると、明日もまた頑張ろうと思うんだ。
笑顔だけじゃない、怒った顔でも、感動しているときも、何かに夢中なときも、そして泣き顔も。
どんな君も、俺にはとても大切なんだ。
君という存在を
君という魂を
守るために生まれてきた、そんなことを思うほどに。
君がいるから、今、俺は俺でいられる。
君が愛を教えてくれた。
そう思う。
この世界でたった一人、君のことを心の底から愛してる。
何度生まれ変わっても
どんなことがあったとしても
あの夜の出逢いからずっと……君は俺の特別だ。
ふふっ。
君、顔が真っ赤になってる。
桃の花のような髪も
優しい月のような瞳も
全てが愛おしい。
なあ、猗窩座。
どうかこれから先も、俺の側にいて欲しい。
その約束を、俺にくれないか。
「す、ストップ!待てっ!杏寿郎」
「こら。君が誕生日プレゼントに何が欲しいか教えろと言ったんだぞ」
「それは、そうだが!情報が過多だっ!多すぎだっ!」
猗窩座がトマトのように真っ赤な顔で睨んでくるが、とても愛い。ああ、早く俺のところにおいで、と抱きしめたいくらいに。
「さあ、君からのプレゼントをくれないか?」
プロポーズの返事を貰っても?
俺の愛しい鬼(ヒト)
「まずは付き合ってからだろうがっ!
いきなり飛ばすな!」
「では、婚約成立だな!うむ、明日にでも君のご家族に挨拶を…」
「だから早すぎだーっ!」
生まれたときから探していたんだ。
遅すぎるくらいなんだがな。
ああ、今年の誕生日は最良の日だ。
【了】