淋しさを温もりで癒やして(仮) 少し肌寒さを感じて、目が覚める。
隣に眠る虎杖くんが私のタオルケットを奪い取るようにして、くるまって眠っている。
ほんの数時間前まで私の下で、乱れ、甘い声をあげ艶っぽいすがたを見せていたとは思えないほどにあどけない寝顔。
そのピンクがかった髪の毛にそっと触れてから、私は彼の胸元に手を伸ばす。
起こさないようにベッドの上に転がすと大の字になって寝転がる。
胸元に、心臓の近くに散る赤い花びらのような痕は私がつけたものだ。
私はそっとそれに触れ、そして彼の心音を確かめる。
目が冷めたのは肌寒さからだけではなかった。
時にふと夢を見る。
虎杖くんに秘匿死刑を執行されるところを。
だから、確かめてしまう。
2009