saruzoou
DONE仲間とごはんシリーズ、ナンバ編です。ナンバと趙さんのやりとりが死ぬほど好きで、いつかもっと掘り下げたいところも詰め込んでみました。相変わらずほんのり春趙です。ナンバの昼飯朝靄の中、ナンバは鼻歌混じりに歩を進め、歩き慣れた道を通って河岸に降りる階段に向かう。
勝手知ったる様子でホームレスのテントに声をかけ、テントの影からバケツと釣竿を取り出した。
ここに来る途中のコンビニのゴミ箱で手に入れた新聞をコンクリートの上に置き、その上に腰を下ろす。以前のナンバなら、汚れることなどまるで気にしなかった。だが今は一緒に暮らす仲間がいる手前、多少は気を使うようになった。
それになにより、朝方のコンクリートは冷えてもいるし、湿ってもいる。
こんな澱んだ川に釣竿を垂らしても、魚が釣れること自体が稀で、釣れたとしてもドブくさくて食べるのを躊躇うような魚ばかりだ。
ホームレスを脱し、ぼちぼちと働くようになってからは、この川の魚を取って食べなければならないほど食料事情には窮していない。
9306勝手知ったる様子でホームレスのテントに声をかけ、テントの影からバケツと釣竿を取り出した。
ここに来る途中のコンビニのゴミ箱で手に入れた新聞をコンクリートの上に置き、その上に腰を下ろす。以前のナンバなら、汚れることなどまるで気にしなかった。だが今は一緒に暮らす仲間がいる手前、多少は気を使うようになった。
それになにより、朝方のコンクリートは冷えてもいるし、湿ってもいる。
こんな澱んだ川に釣竿を垂らしても、魚が釣れること自体が稀で、釣れたとしてもドブくさくて食べるのを躊躇うような魚ばかりだ。
ホームレスを脱し、ぼちぼちと働くようになってからは、この川の魚を取って食べなければならないほど食料事情には窮していない。
saruzoou
DONE仲間のご飯シリーズ足立さんのお話です。過去を色々捏造しているので、ご注意ください。相変わらず両片思いの自覚すらない春趙がほんのりあります。足立さんの張り込み飯サバイバーの二階、小さなキッチンの前に立つ足立に、階段を登る軽快な足音が聞こえてきた。
程なく嬉しそうな顔でドアを開けた春日は、台所に立つのが足立だと認めた瞬間、がっかりとした表情をする。
「よう春日、趙じゃなくて悪かったな」
わかりやすいその表情に、春日が誰と勘違いしたのかはすぐにわかって、足立は人の悪い笑みを浮かべて言った。
「なんだよ、足立さんかよ」
足立以外に人がいないことを素早く確認すると、春日も隠しもせずに悪態をついた。
「珍しいな、ここで足立さんが料理するなんてよ」
不思議そうに言いながら、春日は洗面所に手を洗いに行く。帰宅してすぐに手を洗うなどという習慣が身についたのは、一緒に暮らしているナンバと趙のおかげだろう。かく言う足立も、ここに来た時には2人に酸っぱく手を洗えと言われている。
8179程なく嬉しそうな顔でドアを開けた春日は、台所に立つのが足立だと認めた瞬間、がっかりとした表情をする。
「よう春日、趙じゃなくて悪かったな」
わかりやすいその表情に、春日が誰と勘違いしたのかはすぐにわかって、足立は人の悪い笑みを浮かべて言った。
「なんだよ、足立さんかよ」
足立以外に人がいないことを素早く確認すると、春日も隠しもせずに悪態をついた。
「珍しいな、ここで足立さんが料理するなんてよ」
不思議そうに言いながら、春日は洗面所に手を洗いに行く。帰宅してすぐに手を洗うなどという習慣が身についたのは、一緒に暮らしているナンバと趙のおかげだろう。かく言う足立も、ここに来た時には2人に酸っぱく手を洗えと言われている。
saruzoou
DONE「オムライス」から改題した「触れたらわかること」の続きです。春趙ですが、相変わらずもだもだとしています…。
次回にはR18を名乗りたい…。
触れたらわかること2『春日が例の家の前をうろついていたので中に入れておいた』
祐天飯店を出ようと準備をしていた趙の元に、ソンヒから短いショートメールが届いた。
「いや、犬ころじゃないんだから…」
思わず声に出すも、わかっていたとはいえあの家に春日を呼び出したことがバレて気恥ずかしい気もする。
ただでさえ、流氓の連中に冷やかされた後だ。
ソンヒに頼まれ、流氓の元部下とコミジュルの間の調整役のようなことをして、今日もガス抜きを兼ねて祐天飯店に集まっていた。
料理を振る舞いながら話を聞いていると、外に出ようとして戻ってきた1人が突然「外にせんべい屋の社長がいますよ」と言ってきたのだ。
意味ありげで物問いたげな空気が連中の間に流れて、さらに下っ端の若造が「なんすか、せんべい屋って」などと聞いているから、趙は居た堪れなくなって逃げるように外に出た。
6598祐天飯店を出ようと準備をしていた趙の元に、ソンヒから短いショートメールが届いた。
「いや、犬ころじゃないんだから…」
思わず声に出すも、わかっていたとはいえあの家に春日を呼び出したことがバレて気恥ずかしい気もする。
ただでさえ、流氓の連中に冷やかされた後だ。
ソンヒに頼まれ、流氓の元部下とコミジュルの間の調整役のようなことをして、今日もガス抜きを兼ねて祐天飯店に集まっていた。
料理を振る舞いながら話を聞いていると、外に出ようとして戻ってきた1人が突然「外にせんべい屋の社長がいますよ」と言ってきたのだ。
意味ありげで物問いたげな空気が連中の間に流れて、さらに下っ端の若造が「なんすか、せんべい屋って」などと聞いているから、趙は居た堪れなくなって逃げるように外に出た。
rikaishita
DONE新生MCDwebオンリーの展示漫画です。ささくう
付き合ってるささくうと、
ヤンキー先輩後輩で仲の良い左馬刻と空却、
それを羨ましく思う簓と愚痴を聞いてあげる一郎の話です。 13
せんのポイピク
DONE※エイト×レイ(+玖夜・ガル)レイさんが襲い受けの巨匠すぎてびっくりした記憶~ガルくんに優しくて甘い(保護者な)のいいなを添えて~
+玖夜さんのこのメンバー、バランスがいい。かわいい。
嫌がらせの「ダーリン♡」が好きなので…やべー応援うちわ持って「がんばれ♡」も欲しい… 3
saruzoou
DONEいつかイベント参加できた時に自己紹介をして「ああご飯のひと…」と言われるようになりたいです…。もうそれしかない…。でも、当社比2ミリくらいお二人の気持ちが進みました。そのうち続きが書けたらいいなと思います。そばにいること。「だめ、春日くん…そんなに入れたら…」
「大丈夫だろ、も少しいけるって…」
「だめ、破れちゃう…」
「俺を信じろよ、趙…」
「あ、ダメ、ほら…あ…ッ!」
「あー!!」
春日の悲痛な叫び声に、趙は声を上げて笑った。
「だから言ったのに〜。お揚げ破れちゃったじゃーん!」
「もうちょっと入ると思ったんだよ…」
「欲張りすぎなんだよ、春日くんはさァ」
春日の手には、油揚げが無惨に破れ、中の酢飯がこぼれ落ちたいなり寿司の残骸があった。
趙は春日の手から破れた揚げを取り上げると、そのままひょいと口に入れて食べてしまう。
「はい、もう一回」
「うう…くそ…」
「今度は上手に入れてね」
「おう」
「おいなりさん作りながら、いかがわしい会話してんじゃねえよ」
3094「大丈夫だろ、も少しいけるって…」
「だめ、破れちゃう…」
「俺を信じろよ、趙…」
「あ、ダメ、ほら…あ…ッ!」
「あー!!」
春日の悲痛な叫び声に、趙は声を上げて笑った。
「だから言ったのに〜。お揚げ破れちゃったじゃーん!」
「もうちょっと入ると思ったんだよ…」
「欲張りすぎなんだよ、春日くんはさァ」
春日の手には、油揚げが無惨に破れ、中の酢飯がこぼれ落ちたいなり寿司の残骸があった。
趙は春日の手から破れた揚げを取り上げると、そのままひょいと口に入れて食べてしまう。
「はい、もう一回」
「うう…くそ…」
「今度は上手に入れてね」
「おう」
「おいなりさん作りながら、いかがわしい会話してんじゃねえよ」
saruzoou
DONE「そばにいること」のいなり寿司パーティーの後の、ソンヒとハンジュンギの話です。お姉ちゃん大好き…
ソンヒとヨンスの話夕暮れ時、帰宅するサラリーマンや学生の間を、ハン・ジュンギはゆっくりとした足取りで歩く。
家路を急ぐごく普通の人々の間を歩く自分にまだ慣れない。
春日一番や、その仲間たちと異人町を歩くときはそれほど感じないが、一人でこうして日のある時間を歩くときはより強く居心地の悪さを感じる。
ずっと夜の、それも人気のない道ばかりを歩く人生だったから。
手にぶら下げた紙袋が、カサカサと音を立てる。
横浜流氓の元総帥であり、今は春日の仲間となった趙に、彼らがアジトとして使っているサバイバーの二階で「いなり寿司パーティー」をするから来いと意味のわからない誘いを受けたのは数日前。一連の騒動が収まった後、顔を合わせる機会が減っていた中の誘いに戸惑いもしたが、横で聞いていたソンヒが「行ってこい」というので参加することにした。
2519家路を急ぐごく普通の人々の間を歩く自分にまだ慣れない。
春日一番や、その仲間たちと異人町を歩くときはそれほど感じないが、一人でこうして日のある時間を歩くときはより強く居心地の悪さを感じる。
ずっと夜の、それも人気のない道ばかりを歩く人生だったから。
手にぶら下げた紙袋が、カサカサと音を立てる。
横浜流氓の元総帥であり、今は春日の仲間となった趙に、彼らがアジトとして使っているサバイバーの二階で「いなり寿司パーティー」をするから来いと意味のわからない誘いを受けたのは数日前。一連の騒動が収まった後、顔を合わせる機会が減っていた中の誘いに戸惑いもしたが、横で聞いていたソンヒが「行ってこい」というので参加することにした。