「はぁ…」
「どうしたんですか、叶さん。恋ですね?」
ピキリと青筋が立つ。
オレよりも歳下で、だけれどオレよりも強いであろうこの仮面野郎は二言目にはオレをバカにする。
「違ェよ。しかも何で確信系だよ」
「そろそろ候補確保しとかないと将来もっと残念になりますよ」
「候補ってなn…おい待て。もっとって何だ。もっとって」
ニヤリと(多分仮面の下で笑ってる、分からないけど多分そうだ)笑った利亞を睨む。おー怖いなんて言って本当にオレを揶揄うだけのつもりだったらしい利亞は準備が出来た斗眞を連れて見回りに向かった。
「また玩具にされましたか」
「お前の言う事なら聞くでしょ、言ってやってよ。龍真」
「あの子は自由ですからね」
クスクスと笑いながら改造された《メチス》を手入れする為にオレの隣へ座った龍真はこの組の組長の息子だ。
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